夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三十九話 視えない人の繋がり
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「ニャンコ先生!?」
「佐貝!?」
夏目と美結花があたりを見回すと先生と佐貝の影はなかった。
「追って行っちゃったか……」
「みたいね……」
着物の妖を追って行ったことを悟る。
『ふむふむ。たいしたものだ。お前たちは本当によく視えるのだな。慎一郎とは大違いだ』
夏目の肩に乗っている妖が感心する。
『…むむ、おお。懐かしい。相変わらず日当たりのビミョウな部屋が多い家だ』
「人の上ではしゃぐなよ。…本当によくこの家へ来ていたのか……」
「それもかなりの回数ね……」
二人は呆れた。
「──まさか慎一郎さんが視えないのをいいことにからかったりしてないだろうな?」
「ああ……」
美結花は妖達ならしそうだと思った。悪戯好きな妖は案外多いのだ。
『む? そりゃあお前……』
妖は笑った。
「お前!」
「やっぱり!」
やっぱりからかっていたのだと悟るのには十分な笑いだった。
『まあ本当にまったく見えぬ奴だったのだ。ほらあの窓』
妖は窓を指した。
『ずっとずっと小さいころから妖絵の描かれた巻物や妖呼びの理の書かれた書物をそれと知らず、まるで絵本でも読み上げるように楽し気に。そして妖が好きだと見てみたいとため息をついて。その姿が面白くて。──我らがこんなにもいるのに気づきもせぬ姿が面白くて──…。──ああ。懐かしい。懐かしいよ。慎一郎』
その声には懐かしさと愛しさがこもっていた。
(視えなくても繋がる絆、か……)
美結花はそんなことを思った。
「夏目君、美結花ちゃん」
「透、ごめんなさい」
「タキ、ごめん勝手に……」
やってきた多軌に二人は謝ろうとした。そのうえでがさりと音がした。
気になって二人は同時に上を見た。
そこで田沼に頼んで上に上がることにした。
「あ、開いたぞ。ここから上がれる」
夏目、田沼、速水の男子三人が屋根裏部屋に上がる。
「三人とも大丈夫かしら……。何か見つかったのかしら」
美結花は多軌とともに下で待機していた。
「たぶん大丈夫だよ。大きな虫とかはいるかもだけど……」
「虫……」
美結花は大きな虫を思い浮かべてぞっとした。
「うわああああ!」
そこへ夏目の悲鳴が響いた。それとともに嫌な感じもした。
「「‼」」
それを訊いた美結花と多軌は反射的に三人を引っ張った。
ぴしゃりと障子が閉じる音がする。
夏目が障子を閉じたのだ。
後には屋根裏部屋を探検した三人の荒い息が響いた。
「佐貝!?」
夏目と美結花があたりを見回すと先生と佐貝の影はなかった。
「追って行っちゃったか……」
「みたいね……」
着物の妖を追って行ったことを悟る。
『ふむふむ。たいしたものだ。お前たちは本当によく視えるのだな。慎一郎とは大違いだ』
夏目の肩に乗っている妖が感心する。
『…むむ、おお。懐かしい。相変わらず日当たりのビミョウな部屋が多い家だ』
「人の上ではしゃぐなよ。…本当によくこの家へ来ていたのか……」
「それもかなりの回数ね……」
二人は呆れた。
「──まさか慎一郎さんが視えないのをいいことにからかったりしてないだろうな?」
「ああ……」
美結花は妖達ならしそうだと思った。悪戯好きな妖は案外多いのだ。
『む? そりゃあお前……』
妖は笑った。
「お前!」
「やっぱり!」
やっぱりからかっていたのだと悟るのには十分な笑いだった。
『まあ本当にまったく見えぬ奴だったのだ。ほらあの窓』
妖は窓を指した。
『ずっとずっと小さいころから妖絵の描かれた巻物や妖呼びの理の書かれた書物をそれと知らず、まるで絵本でも読み上げるように楽し気に。そして妖が好きだと見てみたいとため息をついて。その姿が面白くて。──我らがこんなにもいるのに気づきもせぬ姿が面白くて──…。──ああ。懐かしい。懐かしいよ。慎一郎』
その声には懐かしさと愛しさがこもっていた。
(視えなくても繋がる絆、か……)
美結花はそんなことを思った。
「夏目君、美結花ちゃん」
「透、ごめんなさい」
「タキ、ごめん勝手に……」
やってきた多軌に二人は謝ろうとした。そのうえでがさりと音がした。
気になって二人は同時に上を見た。
そこで田沼に頼んで上に上がることにした。
「あ、開いたぞ。ここから上がれる」
夏目、田沼、速水の男子三人が屋根裏部屋に上がる。
「三人とも大丈夫かしら……。何か見つかったのかしら」
美結花は多軌とともに下で待機していた。
「たぶん大丈夫だよ。大きな虫とかはいるかもだけど……」
「虫……」
美結花は大きな虫を思い浮かべてぞっとした。
「うわああああ!」
そこへ夏目の悲鳴が響いた。それとともに嫌な感じもした。
「「‼」」
それを訊いた美結花と多軌は反射的に三人を引っ張った。
ぴしゃりと障子が閉じる音がする。
夏目が障子を閉じたのだ。
後には屋根裏部屋を探検した三人の荒い息が響いた。
