夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三十九話 視えない人の繋がり
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「成程。あの妖は蔵に封じられていた人形の胴だったのか」
ニャンコ先生が納得する。
夏目と美結花は妖から聞いたことを話したのだ。
「そしてこの家中に散らばっている手足を探しているということか……」
「やたらと小物みたいな気配だったのは完全体じゃなかったからなのね~」
佐貝も納得していた。
「──で。その胴を追っていた先生が何で降ってくるんだ。右足を取り返されてしまったぞ」
「そうよ。捕まえるって言っていなかった?」
ジト目で佐貝を睨む。
「あっ。そうだった全く! この家の上空にはところどころ板のような結界があっていちいちぶち当たっているうちに奴を見失ってしまったのだ」
「まったくひどい目にあったわよ……。結界を避けるの大変だし」
文句を言う二匹。
「結界……?」
「そんなものあるの……?」
「おおかたタキの祖父の慎一郎って奴が書物に書かれた結界の呪文でも口に出して読んでみたのだろう。この家にはそういう半端で未完成な呪いがあちこちに残っているのだ」
「──そういうことできるのか……?」
「読んだだけで─?」
読むだけで結界が張れるのはなかなかすごいことだと思う。
「素質はあったのだろう。ただ視覚、聴覚、触覚のどれも妖の波長と合わず視ることができなかったのだろうな」
「あ~。素質はありそうね。結界の様子からみるに」
佐貝が頷く。
その言葉を聞いて多軌は残念そうな顔をした。
(視えなくていいんだよ。透。おじいさんは視たがっていたかもしれないけど)
視えるというのはいいことばかりではないからだ。
「で、夏目。さっきからお前の肩に乗っているそれはなんだ」
「え。わあっ!?」
「いつからいたの!?」
いつの間にかさっきの妖が肩に乗っていて二人とも驚く。
「どっ。どうした夏目。何かいるのか!?」
「ああ。人形のことを教えてくれた妖が……」
「いつの間にかいてびっくりした……」
「妖怪がいるの!? そこに!?」
「どこにいるの!?」
目を輝かす多軌と速水。
夏目の肩にいる妖を視ようと視線を向ける。
「「「………」」」
見当違いなところを視ていて何といえばいいのか分からなかった。
ザザザザザッ
「「わあっ!」」
音がして肩をびくりとさせる。
「どうしたの?」
「二人ともどうした?」
田沼と速水が訊いてくる。
「え……聞こえなかったか? この上を何かが這いずり回るような音がしたんだ」
「しかもかなり大きなものが……」
天井に視線を向ける。
「え……」
多軌が驚く。
「まったく」
「やれやれだわ」
先生と佐貝が走り去る。
「先生!」
「佐貝!」
後を二人は追う。
「行っちゃった……」
引き留めようとした手が中をかいてしまい、速水が呟く。
「タキ。この上の部屋は?」
「使っていないけど客間が……」
「行ってみよう」
多軌が答えるなり速水が促す。
「わかった」
「ええ」
三人は部屋を出て上に向かう。
「──…夏目君と美結花ちゃんって……」
階段を上りながら多軌が話しかける。
「─事情を知らなければ…確かに奇異な行動をとっているように見えてかなり怖いかもしれないわね」
「──ああ……」
「──うん……」
この町に来るまで一人だった事情が透けて見える。
「でも事情を知っていれば分かるんだわ。夏目君と美結花ちゃんは私たちやこの家を守るために走っているって」
「そうだね」
速水はその言葉に嬉しそうに微笑んだ。
守るために走っている。
そのことが分かれば奇異に映る行動も理解できるのだ。
ニャンコ先生が納得する。
夏目と美結花は妖から聞いたことを話したのだ。
「そしてこの家中に散らばっている手足を探しているということか……」
「やたらと小物みたいな気配だったのは完全体じゃなかったからなのね~」
佐貝も納得していた。
「──で。その胴を追っていた先生が何で降ってくるんだ。右足を取り返されてしまったぞ」
「そうよ。捕まえるって言っていなかった?」
ジト目で佐貝を睨む。
「あっ。そうだった全く! この家の上空にはところどころ板のような結界があっていちいちぶち当たっているうちに奴を見失ってしまったのだ」
「まったくひどい目にあったわよ……。結界を避けるの大変だし」
文句を言う二匹。
「結界……?」
「そんなものあるの……?」
「おおかたタキの祖父の慎一郎って奴が書物に書かれた結界の呪文でも口に出して読んでみたのだろう。この家にはそういう半端で未完成な呪いがあちこちに残っているのだ」
「──そういうことできるのか……?」
「読んだだけで─?」
読むだけで結界が張れるのはなかなかすごいことだと思う。
「素質はあったのだろう。ただ視覚、聴覚、触覚のどれも妖の波長と合わず視ることができなかったのだろうな」
「あ~。素質はありそうね。結界の様子からみるに」
佐貝が頷く。
その言葉を聞いて多軌は残念そうな顔をした。
(視えなくていいんだよ。透。おじいさんは視たがっていたかもしれないけど)
視えるというのはいいことばかりではないからだ。
「で、夏目。さっきからお前の肩に乗っているそれはなんだ」
「え。わあっ!?」
「いつからいたの!?」
いつの間にかさっきの妖が肩に乗っていて二人とも驚く。
「どっ。どうした夏目。何かいるのか!?」
「ああ。人形のことを教えてくれた妖が……」
「いつの間にかいてびっくりした……」
「妖怪がいるの!? そこに!?」
「どこにいるの!?」
目を輝かす多軌と速水。
夏目の肩にいる妖を視ようと視線を向ける。
「「「………」」」
見当違いなところを視ていて何といえばいいのか分からなかった。
ザザザザザッ
「「わあっ!」」
音がして肩をびくりとさせる。
「どうしたの?」
「二人ともどうした?」
田沼と速水が訊いてくる。
「え……聞こえなかったか? この上を何かが這いずり回るような音がしたんだ」
「しかもかなり大きなものが……」
天井に視線を向ける。
「え……」
多軌が驚く。
「まったく」
「やれやれだわ」
先生と佐貝が走り去る。
「先生!」
「佐貝!」
後を二人は追う。
「行っちゃった……」
引き留めようとした手が中をかいてしまい、速水が呟く。
「タキ。この上の部屋は?」
「使っていないけど客間が……」
「行ってみよう」
多軌が答えるなり速水が促す。
「わかった」
「ええ」
三人は部屋を出て上に向かう。
「──…夏目君と美結花ちゃんって……」
階段を上りながら多軌が話しかける。
「─事情を知らなければ…確かに奇異な行動をとっているように見えてかなり怖いかもしれないわね」
「──ああ……」
「──うん……」
この町に来るまで一人だった事情が透けて見える。
「でも事情を知っていれば分かるんだわ。夏目君と美結花ちゃんは私たちやこの家を守るために走っているって」
「そうだね」
速水はその言葉に嬉しそうに微笑んだ。
守るために走っている。
そのことが分かれば奇異に映る行動も理解できるのだ。
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