夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三十八話 蔵に封じられたもの
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「こら、夏目、美結花。どこに行く」
どこかへ急いでいく夏目と美結花に先生が声をかける。
「タキの家だよ。様子を見に行く」
「やっぱり気になるもの」
急いで多軌の家に行くと門の前に二つの人影があった。
「あ……。田沼」
「速水君……」
「何で多軌の家に?」
「何で透の家にいるの?」
そろって同じことを訊く。
「それはこっちのセリフだな。ここに来たってことはやっぱり昨日何か視たんだろ。夏目、夏目さん」
「うん、二人ともおかしかったもの。気になってきた」
その言葉に夏目と美結花はどうすると目線で会話した。
「あのね──」
意を決して美結花は昨日あった出来事を話し始めた。
「へえ。着物のお化けか」
「しかも蔵から出てきた」
すんなりと田沼も速水も二人の言っていることを信じてくれた。
「ああ。でも気のせいかと……。もし妖だったとしても悪いものだとは限らないし、タキのおじいさんは妖が大好きだったらしいけど……。タキは一度命に関わるほどの呪いを妖に受けたことがあるんだ」
「うん。ちょっと間違えたら命を落としそうだった」
美結花は多軌と出会った時のことを思いだす。
「だから大した話でもないのに話してまた気味の悪い思いをさせたくなくて……」
「夏目」
「夏目、夏目さん。でも話してほしいって思うよ」
速水だったらそうしてほしいから。
「うん。分かっている。三人とも聞いてくれるって。ね」
「ああ。分かっている。ごめん、田沼、速水。田沼もタキも速水も聞いてくれるって分かっている。でもこんなこと美結花以外の誰かに話すなんてなかったから──」
従妹は同じものを視れて、黙ってついてきてくれた。そんな相手にしか話したことがなかったから。
だから二人とも視えない人にどう話せばよかったのかが分からない。
「──どう話せばいいのか分からないんだ」
「もし話したことで危険な目に合うと思うと……」
不安になってしまう。
「──ああ。でも俺たちはもう事情を知ったわけだし」
「うん。事情を知ったからには放っておけないよ。さっそくタキの様子を見に行こう」
「え……」
「いいの?」
巻き込まれるよと美結花は忠告した。
「だって放っておけないし。ね?」
「うん……」
美結花は頷いた。
「じゃあ行こう」
「ああ」
「ええ」
三人は微笑みあった。
「ごめんくださ~い!」
美結花が扉をたたく。
「ごめんくだ……」
夏目が続こうとした時だった。
ひらりとした何かが視界に入る。
「わ──! 着物のお化け!」
「うわっ! 本当だ!」
真っ青になる二人。
「「えっ」」
思わず反応する田沼と速水。
「あれ? 四人ともいらっしゃい……。着物がどうかしたの?」
「! タキ!」
「! 透!」
ちょうどいいところに来たと美結花は思った。
「──む。手がついたか」
先生が舌打ちをする。
「本当だ。早いわね」
佐貝も舌打ちした。
「え……」
「手?」
それはどういうことだろうと思った。
それには答えずに二匹とも本性の白い犬の妖と黒い山猫に姿を変えた。
「! 先生!」
「佐貝!」
思わず叫ぶ。
「! ニャ…ポン太が消えた…!?」
「! さ…サカコが消えた!?」
「──着物の妖を追って行ったんだ」
驚く田沼と速水に冷静に夏目が言った。
「え?」
多軌は事情を呑み込めていなかった。
当たり前だ。昨日は二人とも何も言わなかったのだから。
だが黙っているわけにはいかない様だった。佐貝と先生の様子からそれがうかがえる。
「こうなったらすべてを話すしかないわ。貴志」
「ああ」
夏目は頷いて意を決して多軌に話しかける。
「タキ、ちょっと話を聞いてくれるか」
「もちろん」
当たり前のように多軌は頷いた。
どこかへ急いでいく夏目と美結花に先生が声をかける。
「タキの家だよ。様子を見に行く」
「やっぱり気になるもの」
急いで多軌の家に行くと門の前に二つの人影があった。
「あ……。田沼」
「速水君……」
「何で多軌の家に?」
「何で透の家にいるの?」
そろって同じことを訊く。
「それはこっちのセリフだな。ここに来たってことはやっぱり昨日何か視たんだろ。夏目、夏目さん」
「うん、二人ともおかしかったもの。気になってきた」
その言葉に夏目と美結花はどうすると目線で会話した。
「あのね──」
意を決して美結花は昨日あった出来事を話し始めた。
「へえ。着物のお化けか」
「しかも蔵から出てきた」
すんなりと田沼も速水も二人の言っていることを信じてくれた。
「ああ。でも気のせいかと……。もし妖だったとしても悪いものだとは限らないし、タキのおじいさんは妖が大好きだったらしいけど……。タキは一度命に関わるほどの呪いを妖に受けたことがあるんだ」
「うん。ちょっと間違えたら命を落としそうだった」
美結花は多軌と出会った時のことを思いだす。
「だから大した話でもないのに話してまた気味の悪い思いをさせたくなくて……」
「夏目」
「夏目、夏目さん。でも話してほしいって思うよ」
速水だったらそうしてほしいから。
「うん。分かっている。三人とも聞いてくれるって。ね」
「ああ。分かっている。ごめん、田沼、速水。田沼もタキも速水も聞いてくれるって分かっている。でもこんなこと美結花以外の誰かに話すなんてなかったから──」
従妹は同じものを視れて、黙ってついてきてくれた。そんな相手にしか話したことがなかったから。
だから二人とも視えない人にどう話せばよかったのかが分からない。
「──どう話せばいいのか分からないんだ」
「もし話したことで危険な目に合うと思うと……」
不安になってしまう。
「──ああ。でも俺たちはもう事情を知ったわけだし」
「うん。事情を知ったからには放っておけないよ。さっそくタキの様子を見に行こう」
「え……」
「いいの?」
巻き込まれるよと美結花は忠告した。
「だって放っておけないし。ね?」
「うん……」
美結花は頷いた。
「じゃあ行こう」
「ああ」
「ええ」
三人は微笑みあった。
「ごめんくださ~い!」
美結花が扉をたたく。
「ごめんくだ……」
夏目が続こうとした時だった。
ひらりとした何かが視界に入る。
「わ──! 着物のお化け!」
「うわっ! 本当だ!」
真っ青になる二人。
「「えっ」」
思わず反応する田沼と速水。
「あれ? 四人ともいらっしゃい……。着物がどうかしたの?」
「! タキ!」
「! 透!」
ちょうどいいところに来たと美結花は思った。
「──む。手がついたか」
先生が舌打ちをする。
「本当だ。早いわね」
佐貝も舌打ちした。
「え……」
「手?」
それはどういうことだろうと思った。
それには答えずに二匹とも本性の白い犬の妖と黒い山猫に姿を変えた。
「! 先生!」
「佐貝!」
思わず叫ぶ。
「! ニャ…ポン太が消えた…!?」
「! さ…サカコが消えた!?」
「──着物の妖を追って行ったんだ」
驚く田沼と速水に冷静に夏目が言った。
「え?」
多軌は事情を呑み込めていなかった。
当たり前だ。昨日は二人とも何も言わなかったのだから。
だが黙っているわけにはいかない様だった。佐貝と先生の様子からそれがうかがえる。
「こうなったらすべてを話すしかないわ。貴志」
「ああ」
夏目は頷いて意を決して多軌に話しかける。
「タキ、ちょっと話を聞いてくれるか」
「もちろん」
当たり前のように多軌は頷いた。
