夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三十七話 春を呼ぶ妖
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「しっかりしろ! 美結花!」
頬に衝撃を受けて美結花ははっと目を覚ます。
「佐貝……」
「やっと目覚めたわね。見なさい」
佐貝が示す方向には暴れる春風と落ち着かせようとする燐火がいた。
『ぐううううう! オノレ……!』
『春風様! 落ち着いてください! 私が一緒にいますから!』
しかし燐火の声は届いていない様だった。
「言葉ももう届いていないみたい」
「こうなったらただの獣のようなものだな」
「ええ、そうね。大妖だったものが……」
どこか哀れみを込めたように佐貝が言った。
「こうなったら最終手段しか……」
水崎は別の符を取り出そうとした。
「水崎さん、落ち着かせればいいんですよね?」
「ああ。それができればだけどね」
水崎の目はできるのかいと言っていた。
美結花はそれには反応せず春風の方へと向かった。
「美結花!」
「馬鹿!」
佐貝が本性に戻った。
『危ないわよ。わざわざ近づく必要ない』
「うん。でも伝えたい言葉があるのよ」
『まったくお人好しめ……』
佐貝はぶつぶつ言いつつも美結花の歩みを邪魔しない。しかし守れるように一定の距離を保った。
「春風様!」
その声に反応して春風はこちらを向いた。
「君の春を見せて!」
かつての少年が言った言葉を伝える。
『ぐ、う……かず…き……?』
動きが止まった。
『春風様!』
そこを燐火が抱き着く。
『お願いです! あなたが好きな景色を壊さないでください……! ずっと一人にしてごめんなさい……! だからもとに戻ってください! 春風様……!』
燐火の肌が少し焼ける。
瘴気をまとった春風に触れたせいだ。
でも燐火はかまわなかった。春風が一番大事だったからだ。
『りん……か……』
少しずつ霧が収まっていく。
『今です!』
燐火が叫ぶ。
「闇は光から分離する。その分離した闇を水で清める! 清めよ! すべてを流れるままに!」
水崎が最後の呪文を唱え、柏手を打つ。
『うううううっ!』
春風から黒い霧が徐々に剥がれ落ちる。
すべて剥がれ落ちた時には銀髪の美しい女性と燐火がいた。
彼らは微笑むとすうっとどこかへと消えていった。
それを見届けると美結花は意識を失った。
頬に衝撃を受けて美結花ははっと目を覚ます。
「佐貝……」
「やっと目覚めたわね。見なさい」
佐貝が示す方向には暴れる春風と落ち着かせようとする燐火がいた。
『ぐううううう! オノレ……!』
『春風様! 落ち着いてください! 私が一緒にいますから!』
しかし燐火の声は届いていない様だった。
「言葉ももう届いていないみたい」
「こうなったらただの獣のようなものだな」
「ええ、そうね。大妖だったものが……」
どこか哀れみを込めたように佐貝が言った。
「こうなったら最終手段しか……」
水崎は別の符を取り出そうとした。
「水崎さん、落ち着かせればいいんですよね?」
「ああ。それができればだけどね」
水崎の目はできるのかいと言っていた。
美結花はそれには反応せず春風の方へと向かった。
「美結花!」
「馬鹿!」
佐貝が本性に戻った。
『危ないわよ。わざわざ近づく必要ない』
「うん。でも伝えたい言葉があるのよ」
『まったくお人好しめ……』
佐貝はぶつぶつ言いつつも美結花の歩みを邪魔しない。しかし守れるように一定の距離を保った。
「春風様!」
その声に反応して春風はこちらを向いた。
「君の春を見せて!」
かつての少年が言った言葉を伝える。
『ぐ、う……かず…き……?』
動きが止まった。
『春風様!』
そこを燐火が抱き着く。
『お願いです! あなたが好きな景色を壊さないでください……! ずっと一人にしてごめんなさい……! だからもとに戻ってください! 春風様……!』
燐火の肌が少し焼ける。
瘴気をまとった春風に触れたせいだ。
でも燐火はかまわなかった。春風が一番大事だったからだ。
『りん……か……』
少しずつ霧が収まっていく。
『今です!』
燐火が叫ぶ。
「闇は光から分離する。その分離した闇を水で清める! 清めよ! すべてを流れるままに!」
水崎が最後の呪文を唱え、柏手を打つ。
『うううううっ!』
春風から黒い霧が徐々に剥がれ落ちる。
すべて剥がれ落ちた時には銀髪の美しい女性と燐火がいた。
彼らは微笑むとすうっとどこかへと消えていった。
それを見届けると美結花は意識を失った。
