夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三十七話 春を呼ぶ妖
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先生と佐貝に乗ってあっという間に塔へと戻ってきた。
『あら。あなた方は先ほどの……』
珍しいといった感情も隠さず燐火が言った。
「君に話したいことあってきたんだ」
夏目が話しかける。
『話したいこと?』
燐火が首を傾げる。
「あなたの主が見つかったの」
『! 本当ですか!』
美結花の言葉に嬉しそうに燐火は立ち上がった。
「ええ。川岸近くの水の中に落ちていたのよ。ほらこれよ」
青い石を見せる。
暗いところで見るとぼんやりと光っているように見えた。
『ああ、ああ……』
それを聞いて燐火は顔を手で覆った。
『流されて冷たい水の中にいたのですね……。お可哀そうな春風様……』
彼女はそっと封印された石に触れた。
『早くお出ししてあげないと……。この封印は解けるのですか?』
美結花はこくりと頷いた。
とけると佐貝は言った。なら美結花には解けるのだろう。
「解くからちょっと待ってて」
優しく微笑むと石を握って願う。
(お願い……。春風様……! 封印から目覚めて……!)
願っていると石が割れて中から黒い靄のようなものが出てきた。
『ぐおおおおお!』
その靄は人型をとると唸った。
『春風様! 目覚めたのですね! 私です。燐火です!』
燐火が声を上げる。
しかしそれには反応せず逆に襲い掛かってきた。
『きゃっ! ……春風様……?』
燐火には戸惑いを隠せない。
「封印された怒りで我を失っているんだ……!」
水崎が叫ぶ。
「そんな……! うわっ!」
美結花は悲鳴を上げる。
春風がこちらに来たのだ。
「我を失うって……。そりゃ急に封印されて怒っているでしょうけど。鎮めることはできないんですか?」
「急には無理だね。私には祓うことしか……」
水崎が紙を手にする。
「楓!」
『はい!』
楓は水崎に襲い掛かってきた春風の攻撃を薙刀で防ぐ。
『春風様! 私です! 燐火です! お願いです! 落ち着いてください!』
燐火が叫ぶ。
『ぐううう……。り、りん……』
春風の動きが一瞬だけ止まる。
『しかし私は……わたしは……』
春風が纏っている黒い霧が強くなる。
『ええい! こうなったら去りなさい!』
『我を忘れたか! いったん去れ!』
佐貝と先生が本性に戻って光を放つ。
『ぎゃあああ!』
春風はたまらなくなってどこかへと逃げていった。
『あら。あなた方は先ほどの……』
珍しいといった感情も隠さず燐火が言った。
「君に話したいことあってきたんだ」
夏目が話しかける。
『話したいこと?』
燐火が首を傾げる。
「あなたの主が見つかったの」
『! 本当ですか!』
美結花の言葉に嬉しそうに燐火は立ち上がった。
「ええ。川岸近くの水の中に落ちていたのよ。ほらこれよ」
青い石を見せる。
暗いところで見るとぼんやりと光っているように見えた。
『ああ、ああ……』
それを聞いて燐火は顔を手で覆った。
『流されて冷たい水の中にいたのですね……。お可哀そうな春風様……』
彼女はそっと封印された石に触れた。
『早くお出ししてあげないと……。この封印は解けるのですか?』
美結花はこくりと頷いた。
とけると佐貝は言った。なら美結花には解けるのだろう。
「解くからちょっと待ってて」
優しく微笑むと石を握って願う。
(お願い……。春風様……! 封印から目覚めて……!)
願っていると石が割れて中から黒い靄のようなものが出てきた。
『ぐおおおおお!』
その靄は人型をとると唸った。
『春風様! 目覚めたのですね! 私です。燐火です!』
燐火が声を上げる。
しかしそれには反応せず逆に襲い掛かってきた。
『きゃっ! ……春風様……?』
燐火には戸惑いを隠せない。
「封印された怒りで我を失っているんだ……!」
水崎が叫ぶ。
「そんな……! うわっ!」
美結花は悲鳴を上げる。
春風がこちらに来たのだ。
「我を失うって……。そりゃ急に封印されて怒っているでしょうけど。鎮めることはできないんですか?」
「急には無理だね。私には祓うことしか……」
水崎が紙を手にする。
「楓!」
『はい!』
楓は水崎に襲い掛かってきた春風の攻撃を薙刀で防ぐ。
『春風様! 私です! 燐火です! お願いです! 落ち着いてください!』
燐火が叫ぶ。
『ぐううう……。り、りん……』
春風の動きが一瞬だけ止まる。
『しかし私は……わたしは……』
春風が纏っている黒い霧が強くなる。
『ええい! こうなったら去りなさい!』
『我を忘れたか! いったん去れ!』
佐貝と先生が本性に戻って光を放つ。
『ぎゃあああ!』
春風はたまらなくなってどこかへと逃げていった。
