夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三十六話 鈴の音の願い
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夏目と美結花は二塚山というところにやってきていた。
そこに塔子の友人が住んでいるのだ。
周りを山で囲まれているのどかなところだ。
「しかしここ、なんか妖の気配がするわね……」
「ああ。大物だな」
佐貝とニャンコ先生が頷きあう。
「「え⁉」」
その言葉に夏目と美結花は驚く。
「大丈夫なの?」
「何かしてこないよな」
塔子の友人の前で変なことを口走ったり、動きをするわけにはいかない。二人は不安になった。
「大丈夫だろ。土地に染み込んでいるだけだからな」
「それに気配が薄くなっている。その妖がここに来たのは少し前のことね」
「そう……」
少し前っていったいどのくらい前だろう。妖の時間間隔は人間と違うのでいまいちつかめなかった。
「あ、あそこだ」
夏目がある家を指す。
赤いひもがついた鈴が入り口にぶら下がっている家だった。
「塔子さんの地図によるとここであっているみたいね」
赤いひもがついた鈴が目印の「金澤 」さんとのことだった。
表札も「金澤」となっているので間違いなさそうだった。
「どうやって声をかければいいと思う? 美結花」
「え、普通に声をかければいいんじゃないの?」
「知らない人が声をかけて迷惑って思われないかな?」
「え、ええ……。そう、よね……」
おどおどと戸惑ってしまう二人。
「まったくもう。ぐじぐじしないの」
佐貝がとんとんとドアをたたく。
「は~い!」
女の人の声がする。
「す、すみません。ふ、藤原塔子さんから言われてきました……!」
少しどもりながら美結花が要件を伝える。
「あ、塔子のところの。今行くわ」
黒髪の塔子と同じくらいの年齢の女性が姿を現した。
「あなたたちが塔子が言っていた子たちね。二人ともありがとう。私は金澤 ゆきこです。塔子とは中学からのつきあいなの」
ゆきこはにこりと微笑んだ。
「は、初めまして……! 夏目美結花です。塔子さんに今お世話になっています……!」
「夏目貴志です。同じく塔子さんにお世話になっています」
緊張しながら挨拶を伝える。
「ふふふ。かわいい子たちね。お疲れ様。二人とも上がって」
ゆきこが中に入るよう促す。
二人は促さるまま中に入る。
その際に玄関の鈴がちりんと音を立てた。
中に入るとお茶と大福を出された。
ニャンコ先生と佐貝の分も出してくれて二人は恐縮する。
「さ、召し上がれ。それと塔子が作ってくれた料理はあとでおいしくいただくわね」
にこやかにゆきこはそう言った。
大福は甘くておいしかった。
「美味しいです……!」
「甘くておいしいです」
「よかった。塔子のところの子に悪く思われたら嫌だもの。ゆっくりしていってね」
ゆきこはほっとしたようだった。
「ごめんくださ~い」
そこへ玄関から声がかかった。
「あ、誰か来たみたい。ちょっと待っててね」
ばたばたとゆきこは玄関へと向かう。
その間、夏目と美結花は今いるところから見える縁側を見た。
そこには玄関と同じく鈴が等間隔でぶら下がっていた。
あんなにたくさんの鈴がぶら下がっていることはないのでまじまじと美結花は見てしまった。
(あんなにたくさん……。ん?)
しばらく見ていると小さなふわふわとした雲のような妖が現れ鈴を鳴らし始める。
「「うわあ!?」」
二人は思わず悲鳴を上げた。
「貴志君? 美結花ちゃん? どうしたの?」
いつの間にか戻ってきたのかゆきこが訊いた。
「な、何でもないです……! 鈴を見ていて驚いただけです……!」
「そ、そうそう。ただ鈴がいきなり鳴り出すから驚いてしまって……!」
慌てて夏目と美結花がごまかす。
「ああ。なるほど……。あんなにたくさんの鈴がぶら下がっていることってないものね。もうすぐ鈴音祭りなの」
「「鈴音祭り?」」
二人は顔を見合わせた。
聞いたこともなかった。
「ええ。二塚山に神社があるの。その参道に短冊に鈴をつけて吊るすのよ。三日間吊るすんだけどその最終日に願いを神社に納めて土地の豊饒を願うのよ。今日がその最終日。興味があったら案内するけどどう?」
「でも悪いんじゃ……」
美結花は戸惑った。
「いいのよ。私も神社に用があるし。どうかしら」
二人は悩んだ後、お願いしますと頷いた。
「よし。張り切って案内するわね。ちょうど榊市にある大学の学生さんも来ているみたいよ」
ゆきこは何げなくそう言った。
(榊市にある大学の学生か……。悪い人じゃないといいんだけど)
美結花はそんなことを思った。
まさかそこである再会をするとは思わなかった。
そこに塔子の友人が住んでいるのだ。
周りを山で囲まれているのどかなところだ。
「しかしここ、なんか妖の気配がするわね……」
「ああ。大物だな」
佐貝とニャンコ先生が頷きあう。
「「え⁉」」
その言葉に夏目と美結花は驚く。
「大丈夫なの?」
「何かしてこないよな」
塔子の友人の前で変なことを口走ったり、動きをするわけにはいかない。二人は不安になった。
「大丈夫だろ。土地に染み込んでいるだけだからな」
「それに気配が薄くなっている。その妖がここに来たのは少し前のことね」
「そう……」
少し前っていったいどのくらい前だろう。妖の時間間隔は人間と違うのでいまいちつかめなかった。
「あ、あそこだ」
夏目がある家を指す。
赤いひもがついた鈴が入り口にぶら下がっている家だった。
「塔子さんの地図によるとここであっているみたいね」
赤いひもがついた鈴が目印の「
表札も「金澤」となっているので間違いなさそうだった。
「どうやって声をかければいいと思う? 美結花」
「え、普通に声をかければいいんじゃないの?」
「知らない人が声をかけて迷惑って思われないかな?」
「え、ええ……。そう、よね……」
おどおどと戸惑ってしまう二人。
「まったくもう。ぐじぐじしないの」
佐貝がとんとんとドアをたたく。
「は~い!」
女の人の声がする。
「す、すみません。ふ、藤原塔子さんから言われてきました……!」
少しどもりながら美結花が要件を伝える。
「あ、塔子のところの。今行くわ」
黒髪の塔子と同じくらいの年齢の女性が姿を現した。
「あなたたちが塔子が言っていた子たちね。二人ともありがとう。私は
ゆきこはにこりと微笑んだ。
「は、初めまして……! 夏目美結花です。塔子さんに今お世話になっています……!」
「夏目貴志です。同じく塔子さんにお世話になっています」
緊張しながら挨拶を伝える。
「ふふふ。かわいい子たちね。お疲れ様。二人とも上がって」
ゆきこが中に入るよう促す。
二人は促さるまま中に入る。
その際に玄関の鈴がちりんと音を立てた。
中に入るとお茶と大福を出された。
ニャンコ先生と佐貝の分も出してくれて二人は恐縮する。
「さ、召し上がれ。それと塔子が作ってくれた料理はあとでおいしくいただくわね」
にこやかにゆきこはそう言った。
大福は甘くておいしかった。
「美味しいです……!」
「甘くておいしいです」
「よかった。塔子のところの子に悪く思われたら嫌だもの。ゆっくりしていってね」
ゆきこはほっとしたようだった。
「ごめんくださ~い」
そこへ玄関から声がかかった。
「あ、誰か来たみたい。ちょっと待っててね」
ばたばたとゆきこは玄関へと向かう。
その間、夏目と美結花は今いるところから見える縁側を見た。
そこには玄関と同じく鈴が等間隔でぶら下がっていた。
あんなにたくさんの鈴がぶら下がっていることはないのでまじまじと美結花は見てしまった。
(あんなにたくさん……。ん?)
しばらく見ていると小さなふわふわとした雲のような妖が現れ鈴を鳴らし始める。
「「うわあ!?」」
二人は思わず悲鳴を上げた。
「貴志君? 美結花ちゃん? どうしたの?」
いつの間にか戻ってきたのかゆきこが訊いた。
「な、何でもないです……! 鈴を見ていて驚いただけです……!」
「そ、そうそう。ただ鈴がいきなり鳴り出すから驚いてしまって……!」
慌てて夏目と美結花がごまかす。
「ああ。なるほど……。あんなにたくさんの鈴がぶら下がっていることってないものね。もうすぐ鈴音祭りなの」
「「鈴音祭り?」」
二人は顔を見合わせた。
聞いたこともなかった。
「ええ。二塚山に神社があるの。その参道に短冊に鈴をつけて吊るすのよ。三日間吊るすんだけどその最終日に願いを神社に納めて土地の豊饒を願うのよ。今日がその最終日。興味があったら案内するけどどう?」
「でも悪いんじゃ……」
美結花は戸惑った。
「いいのよ。私も神社に用があるし。どうかしら」
二人は悩んだ後、お願いしますと頷いた。
「よし。張り切って案内するわね。ちょうど榊市にある大学の学生さんも来ているみたいよ」
ゆきこは何げなくそう言った。
(榊市にある大学の学生か……。悪い人じゃないといいんだけど)
美結花はそんなことを思った。
まさかそこである再会をするとは思わなかった。
