夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三十五話 祭りの終わり
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祭り会場へと向かうと名取と夏目、先生が不月神と対峙していた。
周りの妖たちが怒っている。夏目が偽物だとばれたのだ。
「うわ。まずい状況……」
美結花は近づきながら呟く。
名取が豊月神が封印された石を手渡す。
夏目がそれを握りしめ、祈る。
「きゃっ!」
まぶしい光があたりを包み込み、美結花は目を閉じた。
目を開けると昔の祭りの風景が見えた。
(なんか楽しそう……)
そう美結花は思った。
『世話をかけたな。人の子よ。そして神の加護を受けたものよ』
「え?」
いつの間にか豊月神がいて、その隣には夏目がいた。
「あなたは……」
本物の豊月神。
「…………」
美結花は俯いた。
『なぜそんな顔をする』
「いえ──……」
「何でもないです……」
見つけた時にはもう悟っていたことだった。
『二人とも聡いことだ。そうだよ。私にはもう何の力もない。あんな封印も解けぬほどだ。祭りに勝ったところで山や森を守る力などもうとっくに無くなっていたのだ。そなたに加護を与えた神のような力があれば違ったのだろうが……』
「神の、加護……?」
美結花は呆然とした。
『気づいていなかったのか……。もしかしたら親の縁かもしれんな。それだけ力が強い神なのだ。だがもう私には……』
豊月神が黙り込む。
力を無くした神、なんて悲しいことだろう。
俯いていると目の前に誰かが立っているのが見えた。
(不月神──…)
不月神が立っていた。
『ならばもう祭りは終いか』
『……ああ。もう終いだ』
豊月神が頷く。
『ならばもう我はこの山を訪れる理由はない』
不月神はきっぱりと言った。
『──ここで朽ちるも勝手だがともにゆかぬか』
そして豊月神に誘いをかける。
『まいりましょう。豊月様』
『我らがきっとお守りします』
白笠達がやってきてそっと背中を押す。
『夏目様、美結花様。ありがとうございました』
美結花の耳にお礼の言葉が聞こえた。
『豊月が世話になった。強い神の加護を受けし娘よ』
そして不月神の声らしきものも。
「……!」
美結花は目を覚ました。
「目を覚ましたのね」
佐貝が美結花をのぞき込んでいた。どうやら倒れたらしい。
「これで最後の祭りですって。豊月神と不月神はともに旅立っていくわ」
佐貝が空を示す。
「豊月神と不月神一行よ」
「きれい……」
思わず呟く。
対立していた二つの一行が光の筋となって旅立っていく。それはまるで祭りの終わりを現しているようだった。
「これで終わりなのね……」
「ええ。終わりはあるものなのよ。夏目はあっちにいるわ。迎えに行ってやりなさい」
「うん。貴志……!」
美結花は夏目の方へと駆け寄った。
「美結花……!」
夏目がほっとした顔をした。
「きれいだね」
「ああ。きれいだ」
夏目が頷く。
二人の瞳には旅立つ二柱の神の一行が映っていたのだった。
周りの妖たちが怒っている。夏目が偽物だとばれたのだ。
「うわ。まずい状況……」
美結花は近づきながら呟く。
名取が豊月神が封印された石を手渡す。
夏目がそれを握りしめ、祈る。
「きゃっ!」
まぶしい光があたりを包み込み、美結花は目を閉じた。
目を開けると昔の祭りの風景が見えた。
(なんか楽しそう……)
そう美結花は思った。
『世話をかけたな。人の子よ。そして神の加護を受けたものよ』
「え?」
いつの間にか豊月神がいて、その隣には夏目がいた。
「あなたは……」
本物の豊月神。
「…………」
美結花は俯いた。
『なぜそんな顔をする』
「いえ──……」
「何でもないです……」
見つけた時にはもう悟っていたことだった。
『二人とも聡いことだ。そうだよ。私にはもう何の力もない。あんな封印も解けぬほどだ。祭りに勝ったところで山や森を守る力などもうとっくに無くなっていたのだ。そなたに加護を与えた神のような力があれば違ったのだろうが……』
「神の、加護……?」
美結花は呆然とした。
『気づいていなかったのか……。もしかしたら親の縁かもしれんな。それだけ力が強い神なのだ。だがもう私には……』
豊月神が黙り込む。
力を無くした神、なんて悲しいことだろう。
俯いていると目の前に誰かが立っているのが見えた。
(不月神──…)
不月神が立っていた。
『ならばもう祭りは終いか』
『……ああ。もう終いだ』
豊月神が頷く。
『ならばもう我はこの山を訪れる理由はない』
不月神はきっぱりと言った。
『──ここで朽ちるも勝手だがともにゆかぬか』
そして豊月神に誘いをかける。
『まいりましょう。豊月様』
『我らがきっとお守りします』
白笠達がやってきてそっと背中を押す。
『夏目様、美結花様。ありがとうございました』
美結花の耳にお礼の言葉が聞こえた。
『豊月が世話になった。強い神の加護を受けし娘よ』
そして不月神の声らしきものも。
「……!」
美結花は目を覚ました。
「目を覚ましたのね」
佐貝が美結花をのぞき込んでいた。どうやら倒れたらしい。
「これで最後の祭りですって。豊月神と不月神はともに旅立っていくわ」
佐貝が空を示す。
「豊月神と不月神一行よ」
「きれい……」
思わず呟く。
対立していた二つの一行が光の筋となって旅立っていく。それはまるで祭りの終わりを現しているようだった。
「これで終わりなのね……」
「ええ。終わりはあるものなのよ。夏目はあっちにいるわ。迎えに行ってやりなさい」
「うん。貴志……!」
美結花は夏目の方へと駆け寄った。
「美結花……!」
夏目がほっとした顔をした。
「きれいだね」
「ああ。きれいだ」
夏目が頷く。
二人の瞳には旅立つ二柱の神の一行が映っていたのだった。
