夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三十三話 謝りたかったこと
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ルリコが案内してくれたのは大きな藤の木だった。
ただ腐って倒れていた。
「腐って倒れているのね……。生気がない……」
「何か月か前に倒れてそのままの木よ」
ルリコが説明してくれる。
「そうなの……」
しげしげと藤の木を見つめる。
(しかし何かいそうな木ね……)
そんなことを思っていると木の根元に手が見えた気がした。
「うわあ!」
思わず悲鳴を上げる。
(手!?)
白い手が見えたので驚いたのだ。
「どうしたの?」
不思議そうにルリコが訊いてくる。
「て、手が……」
「手? やっぱり何かいるの?」
再びルリコは木の根元をじっと見た。
そこから伸びる手に美結花はぞっとし、急いでルリコを連れて逃げた。
「美結花ちゃん! 美結花ちゃん!」
ルリコの声ではっとする。
「あ、ごめん……」
美結花は謝った。
「やっぱり何かいたの……?」
「…………」
美結花は迷った。
真実を伝えるべきかどうか。
ただ真実を伝えるにしても過去に信じてもらえなかったことが頭をよぎる。
「私、信じるよ。美結花ちゃんならきっと視えるんでしょ?」
ぎゅっと手を握ってくる。
「ね?」
「…手が…」
「手?」
「白い手が視えた……。多分女の手……。あれは人の手じゃなかった……」
「人じゃない……。柴田君と一緒にいた女の子の手?」
「その女の子を知らないから分からない……。実際に会ってみなきゃ……」
「そう……。あ、じゃあ。明日その人に会ってみない?」
「え? でも……」
美結花は戸惑った。
「多分会えると思うの……。それに気になるもの。ね?」
「う、うん……」
美結花は押されて頷いた。
「よし。じゃあ明日学校帰りにね」
またねと言ってルリコは去っていった。
「行っちゃった……」
呆然と美結花は見送った。
「佐貝、どう思う?」
そばにいた佐貝に思わず訊く。
「勘のいい子ね……。少しは妖力があるから消えかけの妖を変だと思える」
「消えかけの妖? あの手のこと?」
「なんだ。気づいていなかったのか。あの手は藤の木の妖。すぐに消えそうな妖。だからこそ放っておいたのよ」
確かに佐貝が何も言わなかったのは気になっていた。
「じゃあ……ルリコちゃんが気にしている柴田君とともにいる子は……」
「それは知らない。ただお前の友達が違和感を持っているのならそうなんでしょう」
田沼程ではないがそれでもうっすらと違和感を覚える程度の妖力をルリコは持っているらしい。これは後天的な要素で何か死にかける出来事があったからこそ開花したものではないかとのことだった。
「成程ね……。これはルリコちゃんに伝えるべきなのかな」
「さあ。それは自分で考えな」
「冷たいな~」
ぶうぶう文句を言いつつ美結花は歩いた。
ただ腐って倒れていた。
「腐って倒れているのね……。生気がない……」
「何か月か前に倒れてそのままの木よ」
ルリコが説明してくれる。
「そうなの……」
しげしげと藤の木を見つめる。
(しかし何かいそうな木ね……)
そんなことを思っていると木の根元に手が見えた気がした。
「うわあ!」
思わず悲鳴を上げる。
(手!?)
白い手が見えたので驚いたのだ。
「どうしたの?」
不思議そうにルリコが訊いてくる。
「て、手が……」
「手? やっぱり何かいるの?」
再びルリコは木の根元をじっと見た。
そこから伸びる手に美結花はぞっとし、急いでルリコを連れて逃げた。
「美結花ちゃん! 美結花ちゃん!」
ルリコの声ではっとする。
「あ、ごめん……」
美結花は謝った。
「やっぱり何かいたの……?」
「…………」
美結花は迷った。
真実を伝えるべきかどうか。
ただ真実を伝えるにしても過去に信じてもらえなかったことが頭をよぎる。
「私、信じるよ。美結花ちゃんならきっと視えるんでしょ?」
ぎゅっと手を握ってくる。
「ね?」
「…手が…」
「手?」
「白い手が視えた……。多分女の手……。あれは人の手じゃなかった……」
「人じゃない……。柴田君と一緒にいた女の子の手?」
「その女の子を知らないから分からない……。実際に会ってみなきゃ……」
「そう……。あ、じゃあ。明日その人に会ってみない?」
「え? でも……」
美結花は戸惑った。
「多分会えると思うの……。それに気になるもの。ね?」
「う、うん……」
美結花は押されて頷いた。
「よし。じゃあ明日学校帰りにね」
またねと言ってルリコは去っていった。
「行っちゃった……」
呆然と美結花は見送った。
「佐貝、どう思う?」
そばにいた佐貝に思わず訊く。
「勘のいい子ね……。少しは妖力があるから消えかけの妖を変だと思える」
「消えかけの妖? あの手のこと?」
「なんだ。気づいていなかったのか。あの手は藤の木の妖。すぐに消えそうな妖。だからこそ放っておいたのよ」
確かに佐貝が何も言わなかったのは気になっていた。
「じゃあ……ルリコちゃんが気にしている柴田君とともにいる子は……」
「それは知らない。ただお前の友達が違和感を持っているのならそうなんでしょう」
田沼程ではないがそれでもうっすらと違和感を覚える程度の妖力をルリコは持っているらしい。これは後天的な要素で何か死にかける出来事があったからこそ開花したものではないかとのことだった。
「成程ね……。これはルリコちゃんに伝えるべきなのかな」
「さあ。それは自分で考えな」
「冷たいな~」
ぶうぶう文句を言いつつ美結花は歩いた。
