夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三十二話 果たせなかった約束
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ルリコが学校に戻ったのはそこから一か月たった後だった。
最初の二週間は治療、一週間は経過、そこから一週間は親が心配して学校へ行くことができなかったのだ。
「おはよう~」
「ルリコ! 大丈夫だった!?」
教室へ登校するとクラスメイトたちが駆け寄ってきた。
ルリコが入院したという噂は広まっていたらしく登校したとたん駆け寄ってきたのだ。
「うん、親が心配性なだけだよ。この通り元気」
血を吐いたので親が心配するのも当然だったのだがルリコに自分が重症だった自覚はなかった。
入院していたころはもっと苦しかったのでいつものことだと流してしまったのだ。
「そう? 体調悪かったら言ってね」
「無理しないでね」
「ありがとう、そうする」
ルリコにとって気づかいはありがたかった。
そのまま友達と話をしているとあることに気づいた。美結花がいないのだ。
いつもならそのまま教室で黙々と本を読んでいるのにどこにもいなかった。
「あれ? 夏目さんは……?」
ルリコは恐る恐る訊いた。
夏祭りの約束を破ったので気まずかったのだ。
どのように言い訳すれば良いのか分からなかった。
その疑問に友人たちは顔を見合わせた。
どのように伝えればいいのか分からなかったのだ。
「夏目さんは……」
言葉を切った友人たちに嫌な予感がする。
「夏目さんは転校していったの……」
「え……」
ルリコはすぐには転校していったという事実を飲み込めなかった。
「本当に急だったの。ルリコが入院して一週間後にはもう転校が決まってたわ」
「次の親戚に引き取られるんだって。お別れを言う暇もなかったわ」
「あんまり話したこともなかったし、奇行をする変な子だったけど、急なことでちょっと寂しかったかな……」
友人たちは状況を説明してくれる。
「そんな……。私、何も聞いていない……」
入院していたから遠慮したのかもしれなかったが、お別れくらいは言いたかった。
(約束破ったから怒っているの……?)
そんな暗いことまで考えてしまう。
「ルリコ……。これ……」
友人の一人が手紙を渡してくる。
「夏目さんからルリコにって……」
それを聞いてルリコは手紙を読んだ。
そこにはたった一言だけ。
『ありがとう』
それを読んだルリコはぼたぼたと涙を流した。
周りがぎょっとするが、それどころではなかった。
ルリコは分かったのだ。彼女は遠くへと去って行ってしまったこと。
入院したまま心配や迷惑、人にものを頼みたくて何も連絡しなかったこと。そしてそのことを謝れなかったこと。
自分が意気地がなかったこと。
(いつか、いつか、会えたら謝りたい……。夏祭り行けなくてごめんって。連絡しなくってごめんって……)
ルリコの脳裏にたった一人で待ち続ける美結花の姿がよぎった。
(そして……。幸せになってほしいな……)
そう願ったルリコが美結花が遠くの町で優しい人に引き取られて幸せに暮らしているという話を聞くのはここから一年後のことだった。
最初の二週間は治療、一週間は経過、そこから一週間は親が心配して学校へ行くことができなかったのだ。
「おはよう~」
「ルリコ! 大丈夫だった!?」
教室へ登校するとクラスメイトたちが駆け寄ってきた。
ルリコが入院したという噂は広まっていたらしく登校したとたん駆け寄ってきたのだ。
「うん、親が心配性なだけだよ。この通り元気」
血を吐いたので親が心配するのも当然だったのだがルリコに自分が重症だった自覚はなかった。
入院していたころはもっと苦しかったのでいつものことだと流してしまったのだ。
「そう? 体調悪かったら言ってね」
「無理しないでね」
「ありがとう、そうする」
ルリコにとって気づかいはありがたかった。
そのまま友達と話をしているとあることに気づいた。美結花がいないのだ。
いつもならそのまま教室で黙々と本を読んでいるのにどこにもいなかった。
「あれ? 夏目さんは……?」
ルリコは恐る恐る訊いた。
夏祭りの約束を破ったので気まずかったのだ。
どのように言い訳すれば良いのか分からなかった。
その疑問に友人たちは顔を見合わせた。
どのように伝えればいいのか分からなかったのだ。
「夏目さんは……」
言葉を切った友人たちに嫌な予感がする。
「夏目さんは転校していったの……」
「え……」
ルリコはすぐには転校していったという事実を飲み込めなかった。
「本当に急だったの。ルリコが入院して一週間後にはもう転校が決まってたわ」
「次の親戚に引き取られるんだって。お別れを言う暇もなかったわ」
「あんまり話したこともなかったし、奇行をする変な子だったけど、急なことでちょっと寂しかったかな……」
友人たちは状況を説明してくれる。
「そんな……。私、何も聞いていない……」
入院していたから遠慮したのかもしれなかったが、お別れくらいは言いたかった。
(約束破ったから怒っているの……?)
そんな暗いことまで考えてしまう。
「ルリコ……。これ……」
友人の一人が手紙を渡してくる。
「夏目さんからルリコにって……」
それを聞いてルリコは手紙を読んだ。
そこにはたった一言だけ。
『ありがとう』
それを読んだルリコはぼたぼたと涙を流した。
周りがぎょっとするが、それどころではなかった。
ルリコは分かったのだ。彼女は遠くへと去って行ってしまったこと。
入院したまま心配や迷惑、人にものを頼みたくて何も連絡しなかったこと。そしてそのことを謝れなかったこと。
自分が意気地がなかったこと。
(いつか、いつか、会えたら謝りたい……。夏祭り行けなくてごめんって。連絡しなくってごめんって……)
ルリコの脳裏にたった一人で待ち続ける美結花の姿がよぎった。
(そして……。幸せになってほしいな……)
そう願ったルリコが美結花が遠くの町で優しい人に引き取られて幸せに暮らしているという話を聞くのはここから一年後のことだった。
