夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三十一話 的場一門再び
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空を白い狼のような妖と黒い山猫が空を飛んでいた。
「ありがとう、先生」
「佐貝、ありがとう」
無事に逃げられてお礼を言った。
『まったく用心棒を庇うやつがあるか』
『美結花もよ。庇われてびっくりしたんだから』
先生と佐貝が文句を言う。
「用心棒なのに伸びているのが悪いんだろう」
「佐貝も伸びているから庇ったのよ」
『何!?』
『なんですって!?』
先生たちはムッとした。
「それに先生は友人帳のついでで」
「ふふっ」
その言い方がおかしくて美結花は笑った。
『なんだと!?』
『美結花! 笑ったわね!?』
かみつく先生たち。
『友人帳には子分共の名前が書いてあるのだろう。人にとって妖など霞だろう。それを守って何になる』
壺に封じられた猿面が夏目に訊く。
「──仕方ないだろう。勝手に体が動いてしまうんだ。本当に大事なものなんだ」
「そうそう。身体が勝手に動いてしまうから。大事なものだから──。だから守ってしまうの」
美結花は頷いた。
人と妖。どちらかなど選べない。
『あ、その壺いつの間に!』
佐貝が叫ぶ。
『どさくさに紛れて拾ってきたな。捨ててしまえ』
「「あはははは」」
先生の言い方がおかしくて笑ってしまう。
「そうだな。じゃああの辺りに捨てていこうか」
「そうね。その方がいいかも」
『ぎゃ──! 鬼、人でなし──!』
壺に封じられた猿面の悲鳴を聞きながら東方の森へと降り立っていった。
「ここなら仲間が見つけるだろう。簡易な封印だ。仲間に壺くらい割ってもらうんだな」
「お前たちぐらいなら楽勝でしょう」
『う……』
先生たちの指摘に壺に封じられた猿面はうめいた。
「じゃあな」
「じゃあね」
二人は去っていこうとした。
『夏目、美結花。お前たちの言う通りかもしれん』
「ん?」
「何?」
猿面の言葉に振り向いた。
『──…確かにお頭様は多くの妖を操るなど…友人帳を持ちかえれば悲しい顔をなさるかもしれん』
猿面たちの言葉からして立派な妖のようだった。
『いたぞ』
「「!!」」
猿面たちが美結花達を見つけた。
『いたぞ。夏目だ。友人帳をよこせ』
『美結花もいるぞ』
『…ああ、あの壺は……。おのれやはり忌々しき的場の仲間か』
「違う!」
美結花はすかさず否定した。
的場と同じと思われるのは心外だった。
「そうだ。違う!」
夏目も否定する。
『そうだぞ。不本意ながらこいつらが私を奴の元から……』
壺に封じられた猿面が弁解しようとするも聞いていない。
『おのれ人間め』
ぐいと強引に引っ張られる。
「やめて! 乱暴にしないで!」
「やめろ、それを乱暴に扱うな!」
二人で抵抗するも聞き入れない。
『我らに命令するか』
『生意気な』
『やめろ、やめろ。夏目と美結花は私を助けてくれたのだ』
仲間の懇願も耳に入っていない。
怒りで暴走しているのだ。
『おのれ人間め、消えろ』
『災厄の元め』
『いったいどれほどの災いをもたらせば気が済むのだ』
『お前たちなど消えろ』
『消えてしまえ』
その言葉が耳に痛かった。
(私なんか──)
人の好意を受け止めきれず災いをもたらす自分は──。
『黙りなさい!』
そこへ佐貝が本来の姿に戻って一喝する。
美結花を口にくわえている。
先生も夏目を口に本来の姿に戻ってくわえた。
『ああ。きえてやるさ。こいつも友人帳も。あるべきところに帰るのだ』
先生はそう言って猿面たちを睨みつけた。
『仮にも私はこれの用心棒』
『私も美結花の用心棒。昔の約束によってそう決めた。だから──』
『次にこれらに手を出すならばお前らの敵は祓い人ではなく、この私たち。いつでもかかってくるがいい』
『手を出す勇気があるならかかってきなさい』
猿面たちは怯んだ。
『そこまで』
そこへ鈴の音とともに三篠にのった仮面の妖がやってきた。
「「──三篠」」
思わず驚く。
『あ……』
猿面たちは三篠の上の妖を見てうろたえる。
『お頭様……』
なんと猿面たちの頭だった。
『──やれやれ。何をしているお前たち。勝手なことを……』
そう言って仮面を脱ぐ。
『お、お頭様……』
うろたえる猿面たちを無視してその頭は夏目と美結花の前にやってきた。
『──どうやらうちのものが助けてもらったようだ。こやつらの無礼をお許しいただきたい。夏目殿、美結花殿』
猿面たちの頭は謝った。
『私の力不足がこ奴らを不安にさせたのでしょう』
『ち、違います。お頭様』
猿面たちは違うと弁解する。
『我々はただ、なんとかお頭様の力になりたくて──』
『夏目様──! 美結花様──!』
そこへ何者かが凄い勢いでやってきた。
『夏目様! 美結花様! ご無事ですか!?』
中級たちとヒノエだった。
『おのれ東方の猿どもめ! 夏目様をこの八ツ原の恩人で美結花様はその従妹と知っての狼藉か!?』
「ヒ、ヒノエ、中級……」
「なんか討ち入りみたい……」
二人は戸惑った。
なんか喧嘩上等の旗が見えるような気がする。
『しばしお待ちを夏目様、美結花様。今、命の水を飲みまして貴人となってお助けしますぞ』
中級は酒を飲んでそう言った。
『もやしども相手に集団とは‼』
ヒノエがかみつく。
『いざ尋常に勝負!』
『わ──! よせ。ありがたいが丸くおさまりかけているんだ』
『余計火種になるからやめて!』
真っ青になって止める。
おさまりかけていたところに火種なんて冗談じゃない。
『クスクス。夏目殿と美結花殿には友人帳を使わずとも動いてくれる妖がいるのですね』
猿面の頭はそう言って笑った。
「──はい。友人なんです」
「とても大事な友人なんです」
二人はきっぱりと言った。
その様子を見ている人たちがいた。
「──何を話しているか聞こえませんが、ありゃ凄いですね」
一門のものが的場に話しかけた。
彼らの目の前には大妖たちが集っていた。
『騒ぐなお前らさっさと戻るぞ』
『こんなところさっさと行きましょう』
狼の大妖と山猫の大妖。先生と佐貝だ。
「ありがとう、三篠がお頭様に知らせてくれたのか」
「おかげで助かったわ」
『ふふ、我が主はなかなか我が名を呼ばぬゆえ。友人帳などいい加減くれてやればよいのに』
馬の顔をした大妖。
「──ああ。俺に代わって名を返してくれる相手にだったらね」
「ふふふ。私だと危機は変わらないものね……」
「そうだな」
夏目は頷いた。
美結花を危ない目に合わせたくないから渡そうとはしないのだった。
『阿呆。私がもらう約束だぞ』
先生が突っ込む。
「あ、そうだった」
夏目が言った。
『ほら、帰るぞ』
『帰るわよ』
先生と佐貝に促されて空へと飛び立っていった。
その様子は的場一門の目にも入った。
大妖四匹と中級二匹。
格が違う妖たちの集まりは百鬼夜行のようだった。
「──ありゃあ格が違いますね。うちの式を集めてかかっても手が出ないかもしれませんよ。的場」
「──そうですね。でもやり方はいろいろある」
的場は頷くとそう言った。
そこで彼はあることを思いだした。
「彼はバッグを妙に気にしていましたね。中身は何だったんです?」
夏目の方がバッグを気にしていたことを。
「覗いた奴の話だと…帳面のようなものだったとか」
「──帳面?」
的場は不思議そうに訊いた。
「ええ確か…なんとか帳ってかいてあったとか」
そう一門のものは報告した。
「ありがとう、先生」
「佐貝、ありがとう」
無事に逃げられてお礼を言った。
『まったく用心棒を庇うやつがあるか』
『美結花もよ。庇われてびっくりしたんだから』
先生と佐貝が文句を言う。
「用心棒なのに伸びているのが悪いんだろう」
「佐貝も伸びているから庇ったのよ」
『何!?』
『なんですって!?』
先生たちはムッとした。
「それに先生は友人帳のついでで」
「ふふっ」
その言い方がおかしくて美結花は笑った。
『なんだと!?』
『美結花! 笑ったわね!?』
かみつく先生たち。
『友人帳には子分共の名前が書いてあるのだろう。人にとって妖など霞だろう。それを守って何になる』
壺に封じられた猿面が夏目に訊く。
「──仕方ないだろう。勝手に体が動いてしまうんだ。本当に大事なものなんだ」
「そうそう。身体が勝手に動いてしまうから。大事なものだから──。だから守ってしまうの」
美結花は頷いた。
人と妖。どちらかなど選べない。
『あ、その壺いつの間に!』
佐貝が叫ぶ。
『どさくさに紛れて拾ってきたな。捨ててしまえ』
「「あはははは」」
先生の言い方がおかしくて笑ってしまう。
「そうだな。じゃああの辺りに捨てていこうか」
「そうね。その方がいいかも」
『ぎゃ──! 鬼、人でなし──!』
壺に封じられた猿面の悲鳴を聞きながら東方の森へと降り立っていった。
「ここなら仲間が見つけるだろう。簡易な封印だ。仲間に壺くらい割ってもらうんだな」
「お前たちぐらいなら楽勝でしょう」
『う……』
先生たちの指摘に壺に封じられた猿面はうめいた。
「じゃあな」
「じゃあね」
二人は去っていこうとした。
『夏目、美結花。お前たちの言う通りかもしれん』
「ん?」
「何?」
猿面の言葉に振り向いた。
『──…確かにお頭様は多くの妖を操るなど…友人帳を持ちかえれば悲しい顔をなさるかもしれん』
猿面たちの言葉からして立派な妖のようだった。
『いたぞ』
「「!!」」
猿面たちが美結花達を見つけた。
『いたぞ。夏目だ。友人帳をよこせ』
『美結花もいるぞ』
『…ああ、あの壺は……。おのれやはり忌々しき的場の仲間か』
「違う!」
美結花はすかさず否定した。
的場と同じと思われるのは心外だった。
「そうだ。違う!」
夏目も否定する。
『そうだぞ。不本意ながらこいつらが私を奴の元から……』
壺に封じられた猿面が弁解しようとするも聞いていない。
『おのれ人間め』
ぐいと強引に引っ張られる。
「やめて! 乱暴にしないで!」
「やめろ、それを乱暴に扱うな!」
二人で抵抗するも聞き入れない。
『我らに命令するか』
『生意気な』
『やめろ、やめろ。夏目と美結花は私を助けてくれたのだ』
仲間の懇願も耳に入っていない。
怒りで暴走しているのだ。
『おのれ人間め、消えろ』
『災厄の元め』
『いったいどれほどの災いをもたらせば気が済むのだ』
『お前たちなど消えろ』
『消えてしまえ』
その言葉が耳に痛かった。
(私なんか──)
人の好意を受け止めきれず災いをもたらす自分は──。
『黙りなさい!』
そこへ佐貝が本来の姿に戻って一喝する。
美結花を口にくわえている。
先生も夏目を口に本来の姿に戻ってくわえた。
『ああ。きえてやるさ。こいつも友人帳も。あるべきところに帰るのだ』
先生はそう言って猿面たちを睨みつけた。
『仮にも私はこれの用心棒』
『私も美結花の用心棒。昔の約束によってそう決めた。だから──』
『次にこれらに手を出すならばお前らの敵は祓い人ではなく、この私たち。いつでもかかってくるがいい』
『手を出す勇気があるならかかってきなさい』
猿面たちは怯んだ。
『そこまで』
そこへ鈴の音とともに三篠にのった仮面の妖がやってきた。
「「──三篠」」
思わず驚く。
『あ……』
猿面たちは三篠の上の妖を見てうろたえる。
『お頭様……』
なんと猿面たちの頭だった。
『──やれやれ。何をしているお前たち。勝手なことを……』
そう言って仮面を脱ぐ。
『お、お頭様……』
うろたえる猿面たちを無視してその頭は夏目と美結花の前にやってきた。
『──どうやらうちのものが助けてもらったようだ。こやつらの無礼をお許しいただきたい。夏目殿、美結花殿』
猿面たちの頭は謝った。
『私の力不足がこ奴らを不安にさせたのでしょう』
『ち、違います。お頭様』
猿面たちは違うと弁解する。
『我々はただ、なんとかお頭様の力になりたくて──』
『夏目様──! 美結花様──!』
そこへ何者かが凄い勢いでやってきた。
『夏目様! 美結花様! ご無事ですか!?』
中級たちとヒノエだった。
『おのれ東方の猿どもめ! 夏目様をこの八ツ原の恩人で美結花様はその従妹と知っての狼藉か!?』
「ヒ、ヒノエ、中級……」
「なんか討ち入りみたい……」
二人は戸惑った。
なんか喧嘩上等の旗が見えるような気がする。
『しばしお待ちを夏目様、美結花様。今、命の水を飲みまして貴人となってお助けしますぞ』
中級は酒を飲んでそう言った。
『もやしども相手に集団とは‼』
ヒノエがかみつく。
『いざ尋常に勝負!』
『わ──! よせ。ありがたいが丸くおさまりかけているんだ』
『余計火種になるからやめて!』
真っ青になって止める。
おさまりかけていたところに火種なんて冗談じゃない。
『クスクス。夏目殿と美結花殿には友人帳を使わずとも動いてくれる妖がいるのですね』
猿面の頭はそう言って笑った。
「──はい。友人なんです」
「とても大事な友人なんです」
二人はきっぱりと言った。
その様子を見ている人たちがいた。
「──何を話しているか聞こえませんが、ありゃ凄いですね」
一門のものが的場に話しかけた。
彼らの目の前には大妖たちが集っていた。
『騒ぐなお前らさっさと戻るぞ』
『こんなところさっさと行きましょう』
狼の大妖と山猫の大妖。先生と佐貝だ。
「ありがとう、三篠がお頭様に知らせてくれたのか」
「おかげで助かったわ」
『ふふ、我が主はなかなか我が名を呼ばぬゆえ。友人帳などいい加減くれてやればよいのに』
馬の顔をした大妖。
「──ああ。俺に代わって名を返してくれる相手にだったらね」
「ふふふ。私だと危機は変わらないものね……」
「そうだな」
夏目は頷いた。
美結花を危ない目に合わせたくないから渡そうとはしないのだった。
『阿呆。私がもらう約束だぞ』
先生が突っ込む。
「あ、そうだった」
夏目が言った。
『ほら、帰るぞ』
『帰るわよ』
先生と佐貝に促されて空へと飛び立っていった。
その様子は的場一門の目にも入った。
大妖四匹と中級二匹。
格が違う妖たちの集まりは百鬼夜行のようだった。
「──ありゃあ格が違いますね。うちの式を集めてかかっても手が出ないかもしれませんよ。的場」
「──そうですね。でもやり方はいろいろある」
的場は頷くとそう言った。
そこで彼はあることを思いだした。
「彼はバッグを妙に気にしていましたね。中身は何だったんです?」
夏目の方がバッグを気にしていたことを。
「覗いた奴の話だと…帳面のようなものだったとか」
「──帳面?」
的場は不思議そうに訊いた。
「ええ確か…なんとか帳ってかいてあったとか」
そう一門のものは報告した。
