夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三十一話 的場一門再び
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「聞かせてほしいのです。夏目レイコとはどういう人だったのかを」
的場は再度問いかけた。
「──なぜ」
「──どうして」
「祓い屋ですからね。力の強いものには興味があるのです」
二人の疑問に的場はこともなげに答えた。
「興味?」
「ええ」
的場は頷いた。
「そうだ。君たちのお母様たちは? 双子だったんですよね? お二人のお母様方もさぞ力の強い方だったんでしょうね」
美結花はぞっとした。
確かに美結花の母は夏目の母の双子の妹だと聞いている。そんなことまで調べている調査能力に恐れを抱いた。
「違います。母は、──母は普通の物静かな優しい人だったと──…」
「私の母も違います。優しくて朗らかな人だったって聞いてます──…」
「そうですか。強力だと噂の夏目レイコの娘たちにさえ遺伝するとは限らない。視える人間は我々にとっては貴重です。ましてや強力であればあるほど。──どうです? 的場一門に入りませんか?」
的場はそう誘いをかけてきた。
「──何を言って……」
「──言っている意味がよく……」
美結花には的場が言っている意味がよく分からなかった。
(この人はいったい何を考えているんだろう──?)
人の触れられたくない過去を話してきたと思ったら一門に誘いをかける。意味が分からなかった。
「遠い昔、村人たちを襲い来る妖へと我が先祖が弓を引いたのが我が家業の始まり。今は金を出すやつと仲間のためにやっています。君たちも無理解な人たちといるのは面倒でしょう」
「──お断りします」
「──私もお断りします。人の触れられたくないことをついてくる人にはついていけない」
美結花はきっと的場を睨んだ。
「大体レイコさんのこともあなたに話す必要はないでしょう」
「そうですよ。その必要は感じません」
「──…おや。それは困った。…では話したくなるようにしましょうか」
的場の言葉に不穏なものを感じた。
「──そうですねえ。その壺。それに封じた妖は君たちのお友達だったのですか?」
「「‼」」
夏目の持っている壺に的場は注目した。
「何をする気です? 別にこの妖は友達でもなんでもないですが。ねえ、貴志」
「ああ。別に…ただ少し話をしただけです」
夏目は頷いた。
『そうだ! こんな下等生物と誰が!』
妖が同調する。
「話したくなったら言ってください……」
的場はぶつぶつと呪文を呟く。
それに乗じて妖が頭痛を訴える。
「や、やめてください。この妖は関係ないって言っているでしょう!」
「無関係な妖を巻き込まないでください!」
的場に二人は食って掛かった。
(なんて人! 妖なんてどうでもいいんだわ……)
美結花はそう思った。
「関係なら気にしなくていいですよ。捕まえてはみたものの、使えるかは分かりませんし、人間にもずいぶんな態度だ。代わりはいくらでもいる」
「──!」
この人は妖を道具としてみているのだ。その冷酷さにぞっとした。
「交渉の材料にならないならもう必要も……」
「やめて!」
美結花は叫んだ。
少し話をした程度の妖でも苦しんでいるところは見たくない。
「やめてください! 知らないんです!」
夏目も同じ気持ちで的場に言った。
「祖母のことは俺も…美結花も…話したくても話せることがないんです。祖母を知る人は…話を聞いてもあまり好意的ではなくて……」
「質問しても誰も答えないんです……」
美結花も言った。
それに加えて美結花の場合は父の話もできなかった。タブーのように父や祖母の話はしてくれなかった。
(レイコさんだけでなく、お父さんにも何かがあるの……?)
的場はまだそのことを知らないだろう。けどいつか知られると思うとその日が怖かった。
「とにかくこの妖にひどいことをしないでください。本当に知らないんです!」
夏目が懇願する。
「成程。人はおばあ様や君たちに冷たかったのですね。だから妖たちにそそのかされて情をうつすように」
「いいえ。違います。妖達とかかわっているのは私の意志です。そのことは関係ありません」
きっぱりと美結花は否定した。
人が冷たいから情を映したわけではないのだ。それは夏目も同じはずだ。
「いいえ。きついときもあったけれど心優しい人達にもたくさん出会えました。──今の俺たちにとって妖もそうなんです」
夏目の言葉を聞いて的場は黙りこむと壺を取り上げた。
「何をするんです!?」
美結花は取り返そうと的場を掴むが、びくともしない。
「危険ですね。君たちはすっかり妖に心を奪われている。目を覚ましなさい。夏目貴志、夏目美結花。彼らは人を惑わし、裏切りますよ。…これは破棄しろ」
的場はそばにいた黒い式に命令した。
「破棄って! どうするんです! 返してください!」
「そんな妖を物みたいに! 返してください!」
的場から二人掛かりで取り返そうとする。
「君たちは一度妖で痛い目に合わないと分からないのでしょうか」
的場は冷静にそういった。
「「返せ‼」」
必死だった。
『主様に無礼だと言っているだろう!』
『その無礼な口をやめろ!』
鬼たちに殴られて床に倒れる。
倒れたすぐそばに佐貝がいることに気づいて荷物とともに襲い来る鬼から庇った。
(佐貝──!)
せめて佐貝が傷つかないようにとぎゅっと目を閉じる。
「やれやれ」
「まったくもう」
『『ぎゃっ』』
鬼たちが悲鳴を上げる。
庇っていた佐貝と先生が美結花と夏目の腕の中から飛び出したのだ。
「そろそろ本気で奴を黙らせてやってもいいんだぞ。夏目」
「そうね。こういうやつを黙らせるのはそう難しくないわ。美結花」
ニャンコ先生と佐貝の顔は大妖の顔だった。
「こういう半端に力のあるやつに加減するのが一番面倒なのだ」
「自分の力を過信しているしね」
「先生」
「佐貝」
的場に向かおうとしていることを察知して二人は焦った。
的場は逃がすまいと札を投げつける。
「「何度も食らうか!」」
光を発して的場の目をくらませる。
「──ちっ。また逃げられましたね」
的場は逃げたことを察して舌打ちした。
的場は再度問いかけた。
「──なぜ」
「──どうして」
「祓い屋ですからね。力の強いものには興味があるのです」
二人の疑問に的場はこともなげに答えた。
「興味?」
「ええ」
的場は頷いた。
「そうだ。君たちのお母様たちは? 双子だったんですよね? お二人のお母様方もさぞ力の強い方だったんでしょうね」
美結花はぞっとした。
確かに美結花の母は夏目の母の双子の妹だと聞いている。そんなことまで調べている調査能力に恐れを抱いた。
「違います。母は、──母は普通の物静かな優しい人だったと──…」
「私の母も違います。優しくて朗らかな人だったって聞いてます──…」
「そうですか。強力だと噂の夏目レイコの娘たちにさえ遺伝するとは限らない。視える人間は我々にとっては貴重です。ましてや強力であればあるほど。──どうです? 的場一門に入りませんか?」
的場はそう誘いをかけてきた。
「──何を言って……」
「──言っている意味がよく……」
美結花には的場が言っている意味がよく分からなかった。
(この人はいったい何を考えているんだろう──?)
人の触れられたくない過去を話してきたと思ったら一門に誘いをかける。意味が分からなかった。
「遠い昔、村人たちを襲い来る妖へと我が先祖が弓を引いたのが我が家業の始まり。今は金を出すやつと仲間のためにやっています。君たちも無理解な人たちといるのは面倒でしょう」
「──お断りします」
「──私もお断りします。人の触れられたくないことをついてくる人にはついていけない」
美結花はきっと的場を睨んだ。
「大体レイコさんのこともあなたに話す必要はないでしょう」
「そうですよ。その必要は感じません」
「──…おや。それは困った。…では話したくなるようにしましょうか」
的場の言葉に不穏なものを感じた。
「──そうですねえ。その壺。それに封じた妖は君たちのお友達だったのですか?」
「「‼」」
夏目の持っている壺に的場は注目した。
「何をする気です? 別にこの妖は友達でもなんでもないですが。ねえ、貴志」
「ああ。別に…ただ少し話をしただけです」
夏目は頷いた。
『そうだ! こんな下等生物と誰が!』
妖が同調する。
「話したくなったら言ってください……」
的場はぶつぶつと呪文を呟く。
それに乗じて妖が頭痛を訴える。
「や、やめてください。この妖は関係ないって言っているでしょう!」
「無関係な妖を巻き込まないでください!」
的場に二人は食って掛かった。
(なんて人! 妖なんてどうでもいいんだわ……)
美結花はそう思った。
「関係なら気にしなくていいですよ。捕まえてはみたものの、使えるかは分かりませんし、人間にもずいぶんな態度だ。代わりはいくらでもいる」
「──!」
この人は妖を道具としてみているのだ。その冷酷さにぞっとした。
「交渉の材料にならないならもう必要も……」
「やめて!」
美結花は叫んだ。
少し話をした程度の妖でも苦しんでいるところは見たくない。
「やめてください! 知らないんです!」
夏目も同じ気持ちで的場に言った。
「祖母のことは俺も…美結花も…話したくても話せることがないんです。祖母を知る人は…話を聞いてもあまり好意的ではなくて……」
「質問しても誰も答えないんです……」
美結花も言った。
それに加えて美結花の場合は父の話もできなかった。タブーのように父や祖母の話はしてくれなかった。
(レイコさんだけでなく、お父さんにも何かがあるの……?)
的場はまだそのことを知らないだろう。けどいつか知られると思うとその日が怖かった。
「とにかくこの妖にひどいことをしないでください。本当に知らないんです!」
夏目が懇願する。
「成程。人はおばあ様や君たちに冷たかったのですね。だから妖たちにそそのかされて情をうつすように」
「いいえ。違います。妖達とかかわっているのは私の意志です。そのことは関係ありません」
きっぱりと美結花は否定した。
人が冷たいから情を映したわけではないのだ。それは夏目も同じはずだ。
「いいえ。きついときもあったけれど心優しい人達にもたくさん出会えました。──今の俺たちにとって妖もそうなんです」
夏目の言葉を聞いて的場は黙りこむと壺を取り上げた。
「何をするんです!?」
美結花は取り返そうと的場を掴むが、びくともしない。
「危険ですね。君たちはすっかり妖に心を奪われている。目を覚ましなさい。夏目貴志、夏目美結花。彼らは人を惑わし、裏切りますよ。…これは破棄しろ」
的場はそばにいた黒い式に命令した。
「破棄って! どうするんです! 返してください!」
「そんな妖を物みたいに! 返してください!」
的場から二人掛かりで取り返そうとする。
「君たちは一度妖で痛い目に合わないと分からないのでしょうか」
的場は冷静にそういった。
「「返せ‼」」
必死だった。
『主様に無礼だと言っているだろう!』
『その無礼な口をやめろ!』
鬼たちに殴られて床に倒れる。
倒れたすぐそばに佐貝がいることに気づいて荷物とともに襲い来る鬼から庇った。
(佐貝──!)
せめて佐貝が傷つかないようにとぎゅっと目を閉じる。
「やれやれ」
「まったくもう」
『『ぎゃっ』』
鬼たちが悲鳴を上げる。
庇っていた佐貝と先生が美結花と夏目の腕の中から飛び出したのだ。
「そろそろ本気で奴を黙らせてやってもいいんだぞ。夏目」
「そうね。こういうやつを黙らせるのはそう難しくないわ。美結花」
ニャンコ先生と佐貝の顔は大妖の顔だった。
「こういう半端に力のあるやつに加減するのが一番面倒なのだ」
「自分の力を過信しているしね」
「先生」
「佐貝」
的場に向かおうとしていることを察知して二人は焦った。
的場は逃がすまいと札を投げつける。
「「何度も食らうか!」」
光を発して的場の目をくらませる。
「──ちっ。また逃げられましたね」
的場は逃げたことを察して舌打ちした。
