夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第二十九話 小さな妖
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「うわ──っ!」
眠っていると叫び声が聞こえた。
「佐貝。何か言った?」
眠い目をこすりながら美結花は訊いた。
「何も言ってないわよ。気のせいじゃない?」
「そうかなぁ?」
思わず首をかしげてしまう。
誰かが叫んだ気がしたように思えたのだが。
「もう寝なさい」
「う、うん」
再度眠りにつこうとしたときだった。
「うわ──っ! ケマリ──っ!?」
声が聞こえた。
「やっぱり気のせいじゃない!」
美結花は起き上がった。
『美結花様!』
「うわっ‼」
中級が部屋に入ってきて美結花は悲鳴を上げた。
「いったい何!?」
『夏目様がカルを追いかけて森の方へ!』
「なんですって⁉ いったい何が起こっているの!?」
靴を持って夏目の部屋へと向かった。
そこからしか藤原夫妻にばれずに家を出る方法がなかったのだ。
『それが……』
中級は指輪を持っているカルが家にいたこと、驚かせてしまって夏目が怪我をしたこと、それをみてカルは出て行ってしまい、夏目があとを追ったことを話してくれた。
「貴志は一体どこへ……」
森の中を走りながらあたりをきょろきょろする。
『あ、あちらに……』
中級のつるつるが指す方には確かに夏目がいた。
「貴志!」
「美結花!」
夏目が気付いた。
「よかった追いついた」
少しホッとした。
「それでケマリは!?」
「まだ見つからない。暗くてよく見えないんだ」
夏目は首を横に振った。
「くそう。札め。ひとっとびで追えたものを」
「こっちもよ。本当に邪魔な札ね」
ニャンコ先生と佐貝は悔しそうだった。
『そのケマリとやらは夏目様に懐いて戻ってきたのでしょう。驚いて部屋を飛び出しはしましたが、待っていれば戻ってくるのでは』
「──いや」
つるつるの言葉をニャンコ先生が否定する。
「夏目をしたって帰ってきたのならたぶんもう来ないだろう。詫びるために来たはずが、結局夏目に怪我をさせたからな。──おそらくもう夏目に寄って来ることはないだろう」
「…………」
繊細な妖なのだと美結花は思った。
怪我を治すために家に来たはずが怪我をさせることになってしまい、何を思ったのだろうか。
『──噂とは違い、ずいぶん繊細な妖なんですな』
同じことをつるつるも思ったのかそんなことを言った。
「そうだな。集団に襲われもしたけどあれもおそらく仲間の一匹を守ろうとしたことだと思う」
「捕まえようとしたと勘違いされちゃったのか……」
なら夏目が襲われていたことも理解できる。
『しかし夏目様、美結花様。ならばなおさら急がねばなりません』
「「え?」」
中級のつるつるの言葉に不穏なものを感じた。
『噂を聞きつけカルを恐れた低級共が八ツ原近くに集まりつつあるようです』
「え」
「なんで……」
なんでそのようなことをしているのだろうか。
『妖を喰うという噂を信じ、この地から追い出すつもりのようです。留まらず旅をするだけに実体を知る者も少ないですからな』
「……確かに噂なんて勝手に育ってしまうものだからな」
「そうね。元は大したことなくても想像で大変なことにしてしまうこともある」
美結花は頷いた。
「それで追い出すってどうする気だ?」
『カルの群れは七つ森近くの林に向かいつつあるようです。そこに急襲をかけるとか。襲われる前に襲うつもりだそうですぞ』
「まったく小物どもめ」
「ろくなことしないわね」
つるつるの説明にニャンコ先生と佐貝が文句を言う。
「急ごう!」
美結花は声をかけてカルが集合しているところへと急いで向かった。
眠っていると叫び声が聞こえた。
「佐貝。何か言った?」
眠い目をこすりながら美結花は訊いた。
「何も言ってないわよ。気のせいじゃない?」
「そうかなぁ?」
思わず首をかしげてしまう。
誰かが叫んだ気がしたように思えたのだが。
「もう寝なさい」
「う、うん」
再度眠りにつこうとしたときだった。
「うわ──っ! ケマリ──っ!?」
声が聞こえた。
「やっぱり気のせいじゃない!」
美結花は起き上がった。
『美結花様!』
「うわっ‼」
中級が部屋に入ってきて美結花は悲鳴を上げた。
「いったい何!?」
『夏目様がカルを追いかけて森の方へ!』
「なんですって⁉ いったい何が起こっているの!?」
靴を持って夏目の部屋へと向かった。
そこからしか藤原夫妻にばれずに家を出る方法がなかったのだ。
『それが……』
中級は指輪を持っているカルが家にいたこと、驚かせてしまって夏目が怪我をしたこと、それをみてカルは出て行ってしまい、夏目があとを追ったことを話してくれた。
「貴志は一体どこへ……」
森の中を走りながらあたりをきょろきょろする。
『あ、あちらに……』
中級のつるつるが指す方には確かに夏目がいた。
「貴志!」
「美結花!」
夏目が気付いた。
「よかった追いついた」
少しホッとした。
「それでケマリは!?」
「まだ見つからない。暗くてよく見えないんだ」
夏目は首を横に振った。
「くそう。札め。ひとっとびで追えたものを」
「こっちもよ。本当に邪魔な札ね」
ニャンコ先生と佐貝は悔しそうだった。
『そのケマリとやらは夏目様に懐いて戻ってきたのでしょう。驚いて部屋を飛び出しはしましたが、待っていれば戻ってくるのでは』
「──いや」
つるつるの言葉をニャンコ先生が否定する。
「夏目をしたって帰ってきたのならたぶんもう来ないだろう。詫びるために来たはずが、結局夏目に怪我をさせたからな。──おそらくもう夏目に寄って来ることはないだろう」
「…………」
繊細な妖なのだと美結花は思った。
怪我を治すために家に来たはずが怪我をさせることになってしまい、何を思ったのだろうか。
『──噂とは違い、ずいぶん繊細な妖なんですな』
同じことをつるつるも思ったのかそんなことを言った。
「そうだな。集団に襲われもしたけどあれもおそらく仲間の一匹を守ろうとしたことだと思う」
「捕まえようとしたと勘違いされちゃったのか……」
なら夏目が襲われていたことも理解できる。
『しかし夏目様、美結花様。ならばなおさら急がねばなりません』
「「え?」」
中級のつるつるの言葉に不穏なものを感じた。
『噂を聞きつけカルを恐れた低級共が八ツ原近くに集まりつつあるようです』
「え」
「なんで……」
なんでそのようなことをしているのだろうか。
『妖を喰うという噂を信じ、この地から追い出すつもりのようです。留まらず旅をするだけに実体を知る者も少ないですからな』
「……確かに噂なんて勝手に育ってしまうものだからな」
「そうね。元は大したことなくても想像で大変なことにしてしまうこともある」
美結花は頷いた。
「それで追い出すってどうする気だ?」
『カルの群れは七つ森近くの林に向かいつつあるようです。そこに急襲をかけるとか。襲われる前に襲うつもりだそうですぞ』
「まったく小物どもめ」
「ろくなことしないわね」
つるつるの説明にニャンコ先生と佐貝が文句を言う。
「急ごう!」
美結花は声をかけてカルが集合しているところへと急いで向かった。
