夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第二十八話 はじめの話
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「おまえの拳、痛かったわ。とても強力な妖力をもっているのね。まるでレイコみたい」
招き猫の姿に戻った妖が言った。
「え、レイコさん? 夏目レイコのこと? 知っているの?」
「え、何? レイコのこと知っているの? 目元が何か似ているし……。血縁関係ある?」
妖は考え込みながら美結花を見つめた。
「ええ。夏目レイコは私の祖母よ」
「そ、祖母!? 孫娘なの⁉」
妖が驚く。
「どうりで目が似ているのね……。その妖力もそっくり。人の世界では生きづらいでしょうね」
「…………」
妖の言葉に数日前のことを思い出した。
『ただいま……』
いつものように家に帰ると誰かが話している声がした。
『こっちだって困っているのよ。だから今度はあなたの番。そういう約束でしょう?』
珍しく家の人がいて、電話をしていた。
『あの子、何もないところで騒いだり、部屋をぐしゃぐしゃにするのよ。気味が悪くって……。もう限界なの。だからお願い』
どうやら自分のことを話しているということに気づいた美結花はその場に立ち尽くした。
またどこかに行かされるのかと思った。
(どうして私はうまくいかないんだろう……)
妖を無視しようとしても上手くいかない。
だって視えているから。人との区別がつかないから。
それだけで人は美結花を気味悪がった。
(人に視えないものを視える私を人が気味悪がるのは当然だよね)
そっと気づかれないように美結花は家を出た。
「人の世界で生きづらいのなら私が食べてあげようか?」
にんまりと妖は目を三日月型に細める。
「それとも妖の世に行く?」
もう一つの選択肢を提示された。
「私は……」
自分の思いを伝えようとした時だった。
嫌な気配がした。
「……!」
美結花は拳を構えた。
『うまそうだな、おまえを喰ってやる~!』
髪の長い妖が美結花に襲い掛かってきた。
『これは私の獲物よ! 邪魔すんな!』
妖が大きな山猫になって光を放つ。
『ふう……。これで邪魔者はいなくなった。それでどうするの? 人の世は嫌になった?』
「ううん。私は人も妖も嫌いになれない。確かに妖は私を見たら襲い掛かってくるけど、いいやつもいたと思うし、人もそう。私が優しさを受け止められなかっただけ……」
美結花にとって自分に向けられるやさしさを受け止める余裕がなかったという認識だった。
『ふうん。あなたはそう考えるんだ……。レイコとは違うのね』
「私は私、レイコさんはレイコさんだし……。ねえ、あなた名前は?」
今更のように美結花は訊いた。
『佐貝よ。高貴な名前を覚えておきなさい』
「高貴な名前ねえ……。ねえ、あなた強いのね。さっきの妖を軽く追い払えるくらい」
『当たり前! 私は強いもの』
佐貝と名乗った妖は胸をはった。
「なら……。私の用心棒になって。人の世で暮らしていけるのかちゃんと見守って」
『はあ? それは契約ということ?』
「違う」
美結花は否定をした。
「これは契約じゃなくて約束! 私は私のすべてをかけてあなたと約束する! だからあなたも私を守って!」
美結花は叫んだ。
『すべてと言ったわね。それがどんな意味を持つのか分かっているの?』
「うん。私が事故や寿命とか病気で亡くなったり、人の世が嫌になったら私を食べていい。それまで私を守ってほしいの」
『なるほど……。寿命、事故、病気以外で死なないようにほかの妖から守ってほしいのね? 報酬はあなたを食べること』
「うん……」
とんでもないことを頼んでいるのはわかっている。だけどそれ以外この妖と約束する方法が分からなかったのだ。
『よかろう。それまで私があなたを守ってあげる』
佐貝は頷いた。
「ありがとう……」
美結花は佐貝のふわふわの毛に顔をうずめた。
こうして美結花と佐貝の間に約束が結ばれたのだった。
招き猫の姿に戻った妖が言った。
「え、レイコさん? 夏目レイコのこと? 知っているの?」
「え、何? レイコのこと知っているの? 目元が何か似ているし……。血縁関係ある?」
妖は考え込みながら美結花を見つめた。
「ええ。夏目レイコは私の祖母よ」
「そ、祖母!? 孫娘なの⁉」
妖が驚く。
「どうりで目が似ているのね……。その妖力もそっくり。人の世界では生きづらいでしょうね」
「…………」
妖の言葉に数日前のことを思い出した。
『ただいま……』
いつものように家に帰ると誰かが話している声がした。
『こっちだって困っているのよ。だから今度はあなたの番。そういう約束でしょう?』
珍しく家の人がいて、電話をしていた。
『あの子、何もないところで騒いだり、部屋をぐしゃぐしゃにするのよ。気味が悪くって……。もう限界なの。だからお願い』
どうやら自分のことを話しているということに気づいた美結花はその場に立ち尽くした。
またどこかに行かされるのかと思った。
(どうして私はうまくいかないんだろう……)
妖を無視しようとしても上手くいかない。
だって視えているから。人との区別がつかないから。
それだけで人は美結花を気味悪がった。
(人に視えないものを視える私を人が気味悪がるのは当然だよね)
そっと気づかれないように美結花は家を出た。
「人の世界で生きづらいのなら私が食べてあげようか?」
にんまりと妖は目を三日月型に細める。
「それとも妖の世に行く?」
もう一つの選択肢を提示された。
「私は……」
自分の思いを伝えようとした時だった。
嫌な気配がした。
「……!」
美結花は拳を構えた。
『うまそうだな、おまえを喰ってやる~!』
髪の長い妖が美結花に襲い掛かってきた。
『これは私の獲物よ! 邪魔すんな!』
妖が大きな山猫になって光を放つ。
『ふう……。これで邪魔者はいなくなった。それでどうするの? 人の世は嫌になった?』
「ううん。私は人も妖も嫌いになれない。確かに妖は私を見たら襲い掛かってくるけど、いいやつもいたと思うし、人もそう。私が優しさを受け止められなかっただけ……」
美結花にとって自分に向けられるやさしさを受け止める余裕がなかったという認識だった。
『ふうん。あなたはそう考えるんだ……。レイコとは違うのね』
「私は私、レイコさんはレイコさんだし……。ねえ、あなた名前は?」
今更のように美結花は訊いた。
『佐貝よ。高貴な名前を覚えておきなさい』
「高貴な名前ねえ……。ねえ、あなた強いのね。さっきの妖を軽く追い払えるくらい」
『当たり前! 私は強いもの』
佐貝と名乗った妖は胸をはった。
「なら……。私の用心棒になって。人の世で暮らしていけるのかちゃんと見守って」
『はあ? それは契約ということ?』
「違う」
美結花は否定をした。
「これは契約じゃなくて約束! 私は私のすべてをかけてあなたと約束する! だからあなたも私を守って!」
美結花は叫んだ。
『すべてと言ったわね。それがどんな意味を持つのか分かっているの?』
「うん。私が事故や寿命とか病気で亡くなったり、人の世が嫌になったら私を食べていい。それまで私を守ってほしいの」
『なるほど……。寿命、事故、病気以外で死なないようにほかの妖から守ってほしいのね? 報酬はあなたを食べること』
「うん……」
とんでもないことを頼んでいるのはわかっている。だけどそれ以外この妖と約束する方法が分からなかったのだ。
『よかろう。それまで私があなたを守ってあげる』
佐貝は頷いた。
「ありがとう……」
美結花は佐貝のふわふわの毛に顔をうずめた。
こうして美結花と佐貝の間に約束が結ばれたのだった。
