夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第三話 アサギとアカガネ
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『くそーっ。見つからないな』
「見つからないわね」
メリーさんと美結花はあちらこちらと探す。
彼の思いを聞いてから探すのにも身が入るようになった。
「貴志──。あった?」
『おい。夏目──』
2人が夏目の方に行くと目的の切株が見つかった。ちゃんと切株を竹の子が貫いていた。
「あった──!!」
『でかした──!!』
「わ──っ!!」
2人で胴上げすると夏目は悲鳴を上げた。
『早速削り出すぞ──』
そう言ってメリーさんは琴を作っていく。
その横で夏目はぐったりとしていた。
「大丈夫? 貴志?」
「気分が悪いだけだから……」
『夏目様。大丈夫ですか? 申し訳ありません。私のせいで……』
アサギが申し訳なさそうに言った。
彼の体調不良はどうやらアサギの辛さが伝わってきているためらしい。
(こんなに弱ってたら演奏なんて──)
はたから見ているだけでもつらそうなのだ。本人はもっと辛いだろう。
「そういえば確認していなかったけれど、アサギも琴を弾きたいのか?」
「そういえば……。弾きたいの?」
『──はい。もしもう一度もう一度でもその機会があるのであれば、私は──……』
「俺は器用ではないし指も固くてうまく弾けないかもしれないよ。それでもいいかい?」
『はい──。はい、夏目様』
「アサギ……」
どうしてもアサギはもう一度だけ琴を弾きたいのだと分かった。不器用な手でもいいから。弾きたいと──。
『出来た!! 夏目。美結花。起きろ。行くぞ──』
夏目と美結花はメリーさんの声で目を覚ました。いつの間にか眠ってしまったらしい。
「! アカガネ」
『良かった。まだ間に合うぞ』
『アカガネ? どうしたのです。一体何の…』
アサギが戸惑う。
『アサギ。行っておいで。壬生様の所へ。今ならまだ磯月の森への道が開いている。──…行っておいで。アサギ。そして壬生様にもう一度──…』
そのときガサガサと茂みから音がした。
『見つけたぞ! 約束だ約束だ。腸をもらいに来たぞ人の子』
黒い妖が夏目に襲い掛かる。
それをメリーさんが防ぐ。
「「アカガネ……」」
2人はメリーさんを見た。
『この!』
『ぎゃっ』
黒い妖をメリーさんが攻撃する。
その時崖から琴が落ちるのを2人ともみた。動きは夏目の方が早かった。彼は琴を追って崖の下へと落ちていく。
「貴志──!!」
美結花は叫んだ。
『!! 夏目……』
メリーさんも気づいた。
『捕まってろ。下へ降りるぞ!』
「うん!」
メリーさんにつかまって美結花も下に下りる。
がけ下に傷だらけの夏目がいた。
「貴志……」
名前を呼ぶと目を覚ました。
『大丈夫か?』
「大丈夫?」
「…ああ。…楽器は?」
『無事だ。お前が守ってくれた』
「……そうか。よかった──……」
「無茶して……」
「うん───……」
美結花はほっとした。
『──夏目、立てそうか? 急げばまだ道に間に合う。無理なら俺が抱えていく。行こう夏目』
そこで夏目は目を閉じた。
『行こう──』
その声と共に彼はもう一度目を開けた。そして微笑んだ。
「アサギ……」
そこには夏目ではなくアサギがいた。
『──叶うなら、もう一度だけでも弾きたいと思った。ずっとずっとあの方のためにだけ弾いてきた。だから、もしもう一度だけ弾くことが叶うなら優しくて大切な友人のため。あなたのために弾きたいと思っていた。アカガネ、聴いてくれますか?』
そう言ってアサギは弾き始めた。
(きれいな音──)
その音は聴いたことないような美しい音──。
聴いているのが自分とメリーさんの2人だけなのがもったいないような美しい音。そして涙が出そうなほど感動的な音だった。
やがてアサギは空へと抜け落ちるように夏目からはがれた。
「見つからないわね」
メリーさんと美結花はあちらこちらと探す。
彼の思いを聞いてから探すのにも身が入るようになった。
「貴志──。あった?」
『おい。夏目──』
2人が夏目の方に行くと目的の切株が見つかった。ちゃんと切株を竹の子が貫いていた。
「あった──!!」
『でかした──!!』
「わ──っ!!」
2人で胴上げすると夏目は悲鳴を上げた。
『早速削り出すぞ──』
そう言ってメリーさんは琴を作っていく。
その横で夏目はぐったりとしていた。
「大丈夫? 貴志?」
「気分が悪いだけだから……」
『夏目様。大丈夫ですか? 申し訳ありません。私のせいで……』
アサギが申し訳なさそうに言った。
彼の体調不良はどうやらアサギの辛さが伝わってきているためらしい。
(こんなに弱ってたら演奏なんて──)
はたから見ているだけでもつらそうなのだ。本人はもっと辛いだろう。
「そういえば確認していなかったけれど、アサギも琴を弾きたいのか?」
「そういえば……。弾きたいの?」
『──はい。もしもう一度もう一度でもその機会があるのであれば、私は──……』
「俺は器用ではないし指も固くてうまく弾けないかもしれないよ。それでもいいかい?」
『はい──。はい、夏目様』
「アサギ……」
どうしてもアサギはもう一度だけ琴を弾きたいのだと分かった。不器用な手でもいいから。弾きたいと──。
『出来た!! 夏目。美結花。起きろ。行くぞ──』
夏目と美結花はメリーさんの声で目を覚ました。いつの間にか眠ってしまったらしい。
「! アカガネ」
『良かった。まだ間に合うぞ』
『アカガネ? どうしたのです。一体何の…』
アサギが戸惑う。
『アサギ。行っておいで。壬生様の所へ。今ならまだ磯月の森への道が開いている。──…行っておいで。アサギ。そして壬生様にもう一度──…』
そのときガサガサと茂みから音がした。
『見つけたぞ! 約束だ約束だ。腸をもらいに来たぞ人の子』
黒い妖が夏目に襲い掛かる。
それをメリーさんが防ぐ。
「「アカガネ……」」
2人はメリーさんを見た。
『この!』
『ぎゃっ』
黒い妖をメリーさんが攻撃する。
その時崖から琴が落ちるのを2人ともみた。動きは夏目の方が早かった。彼は琴を追って崖の下へと落ちていく。
「貴志──!!」
美結花は叫んだ。
『!! 夏目……』
メリーさんも気づいた。
『捕まってろ。下へ降りるぞ!』
「うん!」
メリーさんにつかまって美結花も下に下りる。
がけ下に傷だらけの夏目がいた。
「貴志……」
名前を呼ぶと目を覚ました。
『大丈夫か?』
「大丈夫?」
「…ああ。…楽器は?」
『無事だ。お前が守ってくれた』
「……そうか。よかった──……」
「無茶して……」
「うん───……」
美結花はほっとした。
『──夏目、立てそうか? 急げばまだ道に間に合う。無理なら俺が抱えていく。行こう夏目』
そこで夏目は目を閉じた。
『行こう──』
その声と共に彼はもう一度目を開けた。そして微笑んだ。
「アサギ……」
そこには夏目ではなくアサギがいた。
『──叶うなら、もう一度だけでも弾きたいと思った。ずっとずっとあの方のためにだけ弾いてきた。だから、もしもう一度だけ弾くことが叶うなら優しくて大切な友人のため。あなたのために弾きたいと思っていた。アカガネ、聴いてくれますか?』
そう言ってアサギは弾き始めた。
(きれいな音──)
その音は聴いたことないような美しい音──。
聴いているのが自分とメリーさんの2人だけなのがもったいないような美しい音。そして涙が出そうなほど感動的な音だった。
やがてアサギは空へと抜け落ちるように夏目からはがれた。
