夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第二十四話 矢を射るもの
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『…さない。許さない……。喰われてしまえ……!』
夢の中で誰かが暗い憎悪を込めた言葉を吐いていた。
『よくも…。よくも!!』
そこで美結花の目が覚めた。
(今のは……)
あたりをきょろきょろと見回すと丁度目が覚めたらしき夏目と視線が合った。
彼は何か考えているかのようにぼーっとしていた。
「目は覚めましたか?」
急に声をかけられて身体をびくりと震わせる。
声の方を見るとそこに的場がいた。
手を動かそうとしても動かない。
そこで美結花は初めて手首に紙のようなものが貼ってあることに気づいた。
「その紙、普通の人には視えないんですよ。面白いでしょう」
気づくのを待っていたかのように的場が説明してくれる。
「な……」
「なんで……」
思わず手首の紙を見つめてしまう。
「ああ、紙については名取家の方が詳しいから訊くといい。水なら水崎家。そちらも訊くと面白いかもしれない。君たちは彼らのお友達なんですよね?」
「一体なんのつもりです。こんなことして」
「気絶させて連れてくるなんて、なんのつもりがあってするんです?」
的場の説明より、なぜここに連れてきたの方が気になった。
「──私は 、何もしていませんよ。捕まえろと口に出しただけです」
その言葉に美結花の思考が止まった。
(この人は何を言っているんだ──? それより妖のせいにして……)
「なんて言い訳は視える君たちには通用しませんね。乱暴してすみません。何分まだ教育中なもので」
的場が謝る。
「──けれど、話が聞きたいと言ったのに逃げるから捕まえないと」
にこやかに言う的場に心がざわざわする。
「──俺の血はもういらないんですか? さっき妖をよこしたでしょう」
「そうです。──的場のために血がといっていました。私の血もいらないんですか? ──いったい何に使うんです?」
「妖の血は大きな妖の封印を解いたり、呼び出しに使えたりするんですよ」
的場は佐貝が教えてくれたことを説明する。
「エサ、みたいなものです」
その言葉にまた心がざわざわする。
(ああ、この人とは根本的に合わない──…)
思わず顔が険しくなってしまう。
「ほら、あそこに森が見えるでしょう? あの奥に中々の大物が眠っているんです。そいつが目的で来た。──美味しい血なら、目覚めも早まるかもしれませんね」
そんなことをしれっという。
「──自分の血を使いもせず、無関係の妖たちからとるなんて……」
「自分を傷つけることもせずに周りを巻き込むなんて……」
拳をぎゅっと握り締める。
「──これ以上この辺りの妖や先生や名取さん、佐貝に水崎さんにもし危害を加える気なら決して許せません」
「私も許せません。それに従兄を傷つけることも許しません」
きっぱりと言い切った。
「──視えるだけの君たちに何ができると?」
くすくす笑いながらコップを手に取ろうとする。
ガシャン!
コップを手に取ることができずに地面に落ちて割れる。
「チッ。またやった…。すみませんね」
的場は謝る。
「右目は……」
「どうしたんです……?」
眼帯をしているのはなぜか訊いた。
「一応見えてはいますよ。これは少し透けているので。ただ気を抜くと距離感が取りづらいんです」
手を握り締めながらそう言った。
「見えているのならなぜそれを……」
「不便じゃないですか……?」
「食べられてしまうからです」
疑問に思っている二人に答えるように的場が答える。
二人はぎょっとしたように的場を見る。
「昔的場の血の者で右目を喰わせてやるからと妖に手伝わせた人がいて、けれど結局与えずじまいだったらしいんです。以来代々的場頭首はその妖に右目を狙われているんですよ」
あっさり言う的場に美結花は固まる。
「まだここに眼球は残っていますが、顔にはひどい傷があるんです。せっかくだ。見てみますか?」
眼帯を外そうとこちらに向かってくる。
美結花はただそれを固まったまま見ているしかなかった。
「的場」
しかしそれを見る前に一門のものが彼を呼んだ。
「ちょっとよろしいですか?」
「今行く。では続きは後で。次は君たちが話す番です」
ここまでべらべらと話したのは美結花たちに話すためらしい。
「──俺は話すことはありません」
「──私も話すことはないです」
この人に自分のことを話してなるものかと睨みつける。
「──事情はどうあれ血を得るために妖を襲うことは止めてください。止めないなら止めます」
「私も従兄と同じ気持ちです。止めて見せます」
その言葉に的場はじっとこちらを見た。
「──使えるものは使わないと。人を守るために強い妖が欲しいと思っているだけですよ。そのためには恨まれたり、代償を払う事を気にしていたらこの稼業はやっていけませんね」
その言葉にまた心がざわざわした。
「すぐ戻ります。騒ぐなら騒げなくしますし、逃げるなら逃げられなくしますよ。大人しく待っていてください」
そう言い残して的場は部屋を後にした。
夢の中で誰かが暗い憎悪を込めた言葉を吐いていた。
『よくも…。よくも!!』
そこで美結花の目が覚めた。
(今のは……)
あたりをきょろきょろと見回すと丁度目が覚めたらしき夏目と視線が合った。
彼は何か考えているかのようにぼーっとしていた。
「目は覚めましたか?」
急に声をかけられて身体をびくりと震わせる。
声の方を見るとそこに的場がいた。
手を動かそうとしても動かない。
そこで美結花は初めて手首に紙のようなものが貼ってあることに気づいた。
「その紙、普通の人には視えないんですよ。面白いでしょう」
気づくのを待っていたかのように的場が説明してくれる。
「な……」
「なんで……」
思わず手首の紙を見つめてしまう。
「ああ、紙については名取家の方が詳しいから訊くといい。水なら水崎家。そちらも訊くと面白いかもしれない。君たちは彼らのお友達なんですよね?」
「一体なんのつもりです。こんなことして」
「気絶させて連れてくるなんて、なんのつもりがあってするんです?」
的場の説明より、なぜここに連れてきたの方が気になった。
「──
その言葉に美結花の思考が止まった。
(この人は何を言っているんだ──? それより妖のせいにして……)
「なんて言い訳は視える君たちには通用しませんね。乱暴してすみません。何分まだ教育中なもので」
的場が謝る。
「──けれど、話が聞きたいと言ったのに逃げるから捕まえないと」
にこやかに言う的場に心がざわざわする。
「──俺の血はもういらないんですか? さっき妖をよこしたでしょう」
「そうです。──的場のために血がといっていました。私の血もいらないんですか? ──いったい何に使うんです?」
「妖の血は大きな妖の封印を解いたり、呼び出しに使えたりするんですよ」
的場は佐貝が教えてくれたことを説明する。
「エサ、みたいなものです」
その言葉にまた心がざわざわする。
(ああ、この人とは根本的に合わない──…)
思わず顔が険しくなってしまう。
「ほら、あそこに森が見えるでしょう? あの奥に中々の大物が眠っているんです。そいつが目的で来た。──美味しい血なら、目覚めも早まるかもしれませんね」
そんなことをしれっという。
「──自分の血を使いもせず、無関係の妖たちからとるなんて……」
「自分を傷つけることもせずに周りを巻き込むなんて……」
拳をぎゅっと握り締める。
「──これ以上この辺りの妖や先生や名取さん、佐貝に水崎さんにもし危害を加える気なら決して許せません」
「私も許せません。それに従兄を傷つけることも許しません」
きっぱりと言い切った。
「──視えるだけの君たちに何ができると?」
くすくす笑いながらコップを手に取ろうとする。
ガシャン!
コップを手に取ることができずに地面に落ちて割れる。
「チッ。またやった…。すみませんね」
的場は謝る。
「右目は……」
「どうしたんです……?」
眼帯をしているのはなぜか訊いた。
「一応見えてはいますよ。これは少し透けているので。ただ気を抜くと距離感が取りづらいんです」
手を握り締めながらそう言った。
「見えているのならなぜそれを……」
「不便じゃないですか……?」
「食べられてしまうからです」
疑問に思っている二人に答えるように的場が答える。
二人はぎょっとしたように的場を見る。
「昔的場の血の者で右目を喰わせてやるからと妖に手伝わせた人がいて、けれど結局与えずじまいだったらしいんです。以来代々的場頭首はその妖に右目を狙われているんですよ」
あっさり言う的場に美結花は固まる。
「まだここに眼球は残っていますが、顔にはひどい傷があるんです。せっかくだ。見てみますか?」
眼帯を外そうとこちらに向かってくる。
美結花はただそれを固まったまま見ているしかなかった。
「的場」
しかしそれを見る前に一門のものが彼を呼んだ。
「ちょっとよろしいですか?」
「今行く。では続きは後で。次は君たちが話す番です」
ここまでべらべらと話したのは美結花たちに話すためらしい。
「──俺は話すことはありません」
「──私も話すことはないです」
この人に自分のことを話してなるものかと睨みつける。
「──事情はどうあれ血を得るために妖を襲うことは止めてください。止めないなら止めます」
「私も従兄と同じ気持ちです。止めて見せます」
その言葉に的場はじっとこちらを見た。
「──使えるものは使わないと。人を守るために強い妖が欲しいと思っているだけですよ。そのためには恨まれたり、代償を払う事を気にしていたらこの稼業はやっていけませんね」
その言葉にまた心がざわざわした。
「すぐ戻ります。騒ぐなら騒げなくしますし、逃げるなら逃げられなくしますよ。大人しく待っていてください」
そう言い残して的場は部屋を後にした。
