夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第二十一話 子狐と白い帽子
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
母親の墓石に傘をかぶせることができた子狐は白い帽子が気になった。
一人であの帽子も濡れているのではないかと思ったのだ。
その近くまで来ると帽子は誰にも拾ってもらえずにぽつんと雨に濡れていた。
『誰も拾ってくれないの? だったらうちくる?』
子狐は帽子に語り掛ける。
そしてそーっと慎重に拾うと嬉しくなってくるくると回りだす。
やっぱり帽子がきれいだったからだ。
『夏目と美結花にも見せたいな……』
優しくしてくれた二人の人間にも見せたいと思わず呟く。
『夏目? ##NAME2##? 人間のくせに妖を従えているという生意気な人間の小僧と小娘のことか。お前、妖のくせに人間が好きなのか?』
『え!? きゃ──! バケモノ──!』
すぐそばに大きな顔があり、子狐は驚いて小声で悲鳴を上げる。
『ふん…お前楠に住んでいるみなしご狐だな』
大きな犬のような姿をした妖は子狐を見てそう言った。
『…そうだチビ狐。私は人間になれる薬を持っているぞ。それを飲めば夏目と美結花とやらに会えるかもしれんなぁ』
『え!?』
子狐は驚く。
二人に会えるというのは魅力的だったのだ。
『私は腹が減っている。魚を桶三杯食べさせてくれたら特別に分けてやってもいいぞ』
妖は条件を提示した。
(夏目と美結花に会える──!?)
子狐の顔が輝く。
そのため彼は魚をたくさん捕って桶いっぱいにした。
『よしよし。これで三杯目だな』
満足げに妖は頷いた。
子狐は疲れてそのそばでぐったりとしていた。
『ほら。約束の丸薬だ』
妖は約束通り丸薬をくれた。
『ありがとう!』
子狐はお礼を言った。
『そうだ。私も薬草をとってきた』
『薬草?』
『後ろ足に怪我をしている。この薬はよく効くよ』
『……』
子狐は薬草を見せると妖の後ろ脚に近づき、ペタペタと塗った。
そして丸薬を飲み込んだ。
『特に変わりは……』
子狐は自分の姿を不思議そうに見た。
変わりないように見えたからだ。
『わはは。馬鹿な狐だ。だまされおった』
『え……』
子狐があっけに取られているうちにその妖は長い体をくねらせて空に上がった。
『そんな馬鹿だからお前はいつも一人なんだ。夏目と美結花とやらもお前のことなんか忘れているだろうさ。じゃあな』
子狐は傷ついた顔をした。
それに良心が咎めたのか妖はアドバイスを残した。
『…人間にはなれないが飲めば一日だけ人間にもその姿が視えるようになる薬だ。……会いたければ会いに行けばいいだけの話だろう』
『──うん』
子狐は頷いた。
そして彼は夏目と美結花に会うために準備をした。場所は匂いをたどればわかるし、電車の乗り方も母親に教わったからだ。
『行ってきます! 母さま』
子狐は二人に会うために出発したのだった。
一人であの帽子も濡れているのではないかと思ったのだ。
その近くまで来ると帽子は誰にも拾ってもらえずにぽつんと雨に濡れていた。
『誰も拾ってくれないの? だったらうちくる?』
子狐は帽子に語り掛ける。
そしてそーっと慎重に拾うと嬉しくなってくるくると回りだす。
やっぱり帽子がきれいだったからだ。
『夏目と美結花にも見せたいな……』
優しくしてくれた二人の人間にも見せたいと思わず呟く。
『夏目? ##NAME2##? 人間のくせに妖を従えているという生意気な人間の小僧と小娘のことか。お前、妖のくせに人間が好きなのか?』
『え!? きゃ──! バケモノ──!』
すぐそばに大きな顔があり、子狐は驚いて小声で悲鳴を上げる。
『ふん…お前楠に住んでいるみなしご狐だな』
大きな犬のような姿をした妖は子狐を見てそう言った。
『…そうだチビ狐。私は人間になれる薬を持っているぞ。それを飲めば夏目と美結花とやらに会えるかもしれんなぁ』
『え!?』
子狐は驚く。
二人に会えるというのは魅力的だったのだ。
『私は腹が減っている。魚を桶三杯食べさせてくれたら特別に分けてやってもいいぞ』
妖は条件を提示した。
(夏目と美結花に会える──!?)
子狐の顔が輝く。
そのため彼は魚をたくさん捕って桶いっぱいにした。
『よしよし。これで三杯目だな』
満足げに妖は頷いた。
子狐は疲れてそのそばでぐったりとしていた。
『ほら。約束の丸薬だ』
妖は約束通り丸薬をくれた。
『ありがとう!』
子狐はお礼を言った。
『そうだ。私も薬草をとってきた』
『薬草?』
『後ろ足に怪我をしている。この薬はよく効くよ』
『……』
子狐は薬草を見せると妖の後ろ脚に近づき、ペタペタと塗った。
そして丸薬を飲み込んだ。
『特に変わりは……』
子狐は自分の姿を不思議そうに見た。
変わりないように見えたからだ。
『わはは。馬鹿な狐だ。だまされおった』
『え……』
子狐があっけに取られているうちにその妖は長い体をくねらせて空に上がった。
『そんな馬鹿だからお前はいつも一人なんだ。夏目と美結花とやらもお前のことなんか忘れているだろうさ。じゃあな』
子狐は傷ついた顔をした。
それに良心が咎めたのか妖はアドバイスを残した。
『…人間にはなれないが飲めば一日だけ人間にもその姿が視えるようになる薬だ。……会いたければ会いに行けばいいだけの話だろう』
『──うん』
子狐は頷いた。
そして彼は夏目と美結花に会うために準備をした。場所は匂いをたどればわかるし、電車の乗り方も母親に教わったからだ。
『行ってきます! 母さま』
子狐は二人に会うために出発したのだった。
