夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第十九話 人に交じって生きる妖
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「相変わらず冷たいね」
「目立つの嫌だと言っているでしょう」
「その胡散臭い登場辞めてくれません?」
冷たいと嘆く名取に対して二人は冷たくバッサリと言った。
三人は神社の階段に腰を掛けていた。
『我儘な奴だな。夏目、美結花』
「わあ!」
「! 柊……」
名取の使役する式の一匹、柊だった。
『相変わらずビビリだな。ガリガリだし……。美結花はさらに心配になるくらいだ……』
「ガリガリ……」
これでも食べているのでちょっと美結花は傷ついた。
「こら柊。夏目と美結花が傷つくだろう」
名取が叱るが、すでにちょっと傷ついた美結花は視線をそらした。
「…カイが妖って本当なんですか?」
「そう言えば……。そう言う感じはしなかったので驚きました……」
「それは君たちが一番分かっているだろう。特に夏目。私の仕掛けた妖用の罠から彼を逃したんだ」
夏目が見つけた箱。あれが仕掛けた罠だったのだろう。
罠にかかったと言う事は妖だというわけだ。
「…それはすみません。でもなぜ退治しなきゃならないんですか」
「…あの子はただ人に交じっているだけなのに……」
「あんな廃屋にあの子は何をしに行ったとおもう?」
「「……え?」」
二人は名取を見た。
「東中からあの廃屋あたりの藪に妖が引き寄せられるらしいんだ」
名取が急に説明をし始める。
おそらく多軌が言っていた
「そこには昔この辺りを荒らしていた小さな鬼たちを封じた井戸があるらしい。以来、井戸も隠されたが、蓋を開けさせようと悪鬼たちが妖を呼ぶようになったって話だ。まあ小物の妖ばかりで今のところ井戸を見つけた妖もいないようだ。「今のところ」はね」
名取の口ぶりでは今後はどうなるか分からないというわけだ。
「でもアレだったら井戸を見つけて開けてしまうかもしれないね」
「!可能性があるから退治するって言うんですか? …そんなやり方は……」
「今は何もしていないのに! 手を出すことで刺激するって思わないんですか?」
二人は噛みついた。
「何にしろ気味が悪いだろ。人でないものが人に混ざりこんでいるなんて」
「…!」
名取の妖への嫌悪に美結花は口もごった。
(水崎さんと同じ……)
彼の妖への嫌悪があったのだ。それと同じものを感じて黙るしかなかった。
「何かが起きてからでは遅いんだよ。夏目、美結花。君たちがのんびり考えているのはカイが遠くにいるからだ。偽善的だよ。君たちの大事な藤原さんたちの近くにアレが、正体不明のものがもしいることを知っていてもそんなでいられるか?」
「……」
美結花は黙り込んだ。確かに気味が悪いと思ってしまうかもしれないからだ。
「手伝えとは言わないよ。君たちには向かない。でも邪魔はしないでくれ」
名取は立ち上がった。
「…カイが悪いものなら確かに放っては……でも……名取さんも見てたなら知っているでしょう? カイは俺たちの友人です。退治されるのを黙ってみていられません!」
「ええ。私たちの友人ですし、今は何もしていないです! 退治されるのを見過ごせないです!」
それでもと二人は思うのだ。カイは今のところ何もしていない。そして友人だ。
彼が退治されるのは見過ごせない。
「そろそろ君たちにとって大事なものは人なのか妖なのか決めたらどうだ。もう妖なんかに構ってもらわなくても君たちを見てくれる人が見つかったんだろう」
「「…………」」
沈黙がその場をよぎる。
名取の言葉にどう返事すればいいのか分からなかったからだ。
「…髪に葉っぱが……」
沈黙を破るように名取が夏目の髪についた葉っぱをとろうとした。
「!」
夏目は名取の手をよけた。
そして気まずくなったのか走り出した。
後を美結花も追った。
これ以上ここにいたくなかったからだ。
「君たちも用心棒っていうのならいちいち首を突っ込ませるんじゃないよ」
名取が夏目と佐貝を見て吐き捨てた。
「ガキが」
「子供ね」
そう吐き捨てて佐貝とニャンコ先生も後を追った。
その後ろ姿を名取は後悔の目で見送った。
美結花は走り続ける。
『人とか妖かどちらか選んだらどうだ』
頭の中に名取の言葉が響く。
(人と妖。どちらも選びたいと思う私はわがままなのかな……)
そんなことを思いながら走り続けた。
「目立つの嫌だと言っているでしょう」
「その胡散臭い登場辞めてくれません?」
冷たいと嘆く名取に対して二人は冷たくバッサリと言った。
三人は神社の階段に腰を掛けていた。
『我儘な奴だな。夏目、美結花』
「わあ!」
「! 柊……」
名取の使役する式の一匹、柊だった。
『相変わらずビビリだな。ガリガリだし……。美結花はさらに心配になるくらいだ……』
「ガリガリ……」
これでも食べているのでちょっと美結花は傷ついた。
「こら柊。夏目と美結花が傷つくだろう」
名取が叱るが、すでにちょっと傷ついた美結花は視線をそらした。
「…カイが妖って本当なんですか?」
「そう言えば……。そう言う感じはしなかったので驚きました……」
「それは君たちが一番分かっているだろう。特に夏目。私の仕掛けた妖用の罠から彼を逃したんだ」
夏目が見つけた箱。あれが仕掛けた罠だったのだろう。
罠にかかったと言う事は妖だというわけだ。
「…それはすみません。でもなぜ退治しなきゃならないんですか」
「…あの子はただ人に交じっているだけなのに……」
「あんな廃屋にあの子は何をしに行ったとおもう?」
「「……え?」」
二人は名取を見た。
「東中からあの廃屋あたりの藪に妖が引き寄せられるらしいんだ」
名取が急に説明をし始める。
おそらく多軌が言っていた
「そこには昔この辺りを荒らしていた小さな鬼たちを封じた井戸があるらしい。以来、井戸も隠されたが、蓋を開けさせようと悪鬼たちが妖を呼ぶようになったって話だ。まあ小物の妖ばかりで今のところ井戸を見つけた妖もいないようだ。「今のところ」はね」
名取の口ぶりでは今後はどうなるか分からないというわけだ。
「でもアレだったら井戸を見つけて開けてしまうかもしれないね」
「!可能性があるから退治するって言うんですか? …そんなやり方は……」
「今は何もしていないのに! 手を出すことで刺激するって思わないんですか?」
二人は噛みついた。
「何にしろ気味が悪いだろ。人でないものが人に混ざりこんでいるなんて」
「…!」
名取の妖への嫌悪に美結花は口もごった。
(水崎さんと同じ……)
彼の妖への嫌悪があったのだ。それと同じものを感じて黙るしかなかった。
「何かが起きてからでは遅いんだよ。夏目、美結花。君たちがのんびり考えているのはカイが遠くにいるからだ。偽善的だよ。君たちの大事な藤原さんたちの近くにアレが、正体不明のものがもしいることを知っていてもそんなでいられるか?」
「……」
美結花は黙り込んだ。確かに気味が悪いと思ってしまうかもしれないからだ。
「手伝えとは言わないよ。君たちには向かない。でも邪魔はしないでくれ」
名取は立ち上がった。
「…カイが悪いものなら確かに放っては……でも……名取さんも見てたなら知っているでしょう? カイは俺たちの友人です。退治されるのを黙ってみていられません!」
「ええ。私たちの友人ですし、今は何もしていないです! 退治されるのを見過ごせないです!」
それでもと二人は思うのだ。カイは今のところ何もしていない。そして友人だ。
彼が退治されるのは見過ごせない。
「そろそろ君たちにとって大事なものは人なのか妖なのか決めたらどうだ。もう妖なんかに構ってもらわなくても君たちを見てくれる人が見つかったんだろう」
「「…………」」
沈黙がその場をよぎる。
名取の言葉にどう返事すればいいのか分からなかったからだ。
「…髪に葉っぱが……」
沈黙を破るように名取が夏目の髪についた葉っぱをとろうとした。
「!」
夏目は名取の手をよけた。
そして気まずくなったのか走り出した。
後を美結花も追った。
これ以上ここにいたくなかったからだ。
「君たちも用心棒っていうのならいちいち首を突っ込ませるんじゃないよ」
名取が夏目と佐貝を見て吐き捨てた。
「ガキが」
「子供ね」
そう吐き捨てて佐貝とニャンコ先生も後を追った。
その後ろ姿を名取は後悔の目で見送った。
美結花は走り続ける。
『人とか妖かどちらか選んだらどうだ』
頭の中に名取の言葉が響く。
(人と妖。どちらも選びたいと思う私はわがままなのかな……)
そんなことを思いながら走り続けた。
