夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第二話 温かい人たち
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「なんかみんないい人たちね……」
学校が終わって夏目と一緒に返りながら美結花はぽつりと言った。
「ああ。みんないい奴らだよ」
夏目が頷く。
しばらく歩くと橋の向こうに一匹の妖怪がいた。
頭がでかくてつるつるだ。
『夏目様……。名前をお返しください……』
その妖怪が言った。
「分かった。ここじゃまずいから別のところで返そう」
夏目はそう言うと森の中に入っていった。
美結花は興味津々で彼らの後を追う。
「我を守りしものよ。その名を示せ……」
夏目は森の中に入ると帳面を取り出して呟く。
パラパラと帳面がめくられてあるところでピタリと止まる。
止まった紙を帳面から破いて夏目は咥えた。
「イトオリ。君に返そう」
柏手を打ちふっと息を吐く。
文字が紙からしゅるしゅるっと抜き出て妖怪の頭に吸い込まれる。
『ありがとうございました。夏目様』
妖怪は頭を下げると去って行った。
「ねえ、貴志。さっきのは何?」
「え、あ。いつもの通りにやっちゃった……。ここじゃ話しにくいから家に帰ってから」
夏目は家に帰り、ニャンコ先生と佐貝を交えて話してくれた。
祖母レイコは妖を見ることができた。
人々に気味悪がられた彼女は八つ当たりのように妖に勝負を挑み、負けた妖の名を紙に書かせて集め始めた。
名前を書かされたものは『友人帳』の持ち主に逆らえない。名を書いた紙を裂いたり、燃やしたりするとその妖も紙と同じ目に合うという。そんな契約書の束である『友人帳』を持つものは妖を支配できるといっても過言ではない。
それ故に『友人帳』を奪おうとする妖たちに襲われたり、名前を返してほしい妖たちが彼のもとを訪ねてくるという。
「貴志は妖たちに名前を返そうと思ったんだ?」
「ああ。祖母が世話になったし……。自分で決めたんだ」
「そう……。その名前を返すのって私でもできるの?」
「え……。どうだろう?」
夏目は佐貝とニャンコ先生を見た。
「返せるとは思うが……。お前はなんかしらんが、すごい加護があるからな……。変な風に作用しないといいが……」
先生は美結花をじっとみながら言った。何かを見極めようとしているようだった。
「加護?」
「守られているってことよ。とりあえずやめた方がいいわね。夏目の方に任せておきなさい」
「はあい……。あ、でも貴志のことはサポートするからね!」
名前を返すお手伝いができないのは残念だが、なんらかの手伝いはしたいと美結花は言い切った。
「頼もしいよ」
夏目は微笑んだ。
「むしろ面倒ごとが増えるような気がするのだが」
「斑もそう思う? 私もそんな感じするのよね……」
二匹のため息は張り切り美結花には届かなかった。
『友人帳』をめぐる物語に一人の少女が加わる。彼女がもたらすものは一体何なのか──。
学校が終わって夏目と一緒に返りながら美結花はぽつりと言った。
「ああ。みんないい奴らだよ」
夏目が頷く。
しばらく歩くと橋の向こうに一匹の妖怪がいた。
頭がでかくてつるつるだ。
『夏目様……。名前をお返しください……』
その妖怪が言った。
「分かった。ここじゃまずいから別のところで返そう」
夏目はそう言うと森の中に入っていった。
美結花は興味津々で彼らの後を追う。
「我を守りしものよ。その名を示せ……」
夏目は森の中に入ると帳面を取り出して呟く。
パラパラと帳面がめくられてあるところでピタリと止まる。
止まった紙を帳面から破いて夏目は咥えた。
「イトオリ。君に返そう」
柏手を打ちふっと息を吐く。
文字が紙からしゅるしゅるっと抜き出て妖怪の頭に吸い込まれる。
『ありがとうございました。夏目様』
妖怪は頭を下げると去って行った。
「ねえ、貴志。さっきのは何?」
「え、あ。いつもの通りにやっちゃった……。ここじゃ話しにくいから家に帰ってから」
夏目は家に帰り、ニャンコ先生と佐貝を交えて話してくれた。
祖母レイコは妖を見ることができた。
人々に気味悪がられた彼女は八つ当たりのように妖に勝負を挑み、負けた妖の名を紙に書かせて集め始めた。
名前を書かされたものは『友人帳』の持ち主に逆らえない。名を書いた紙を裂いたり、燃やしたりするとその妖も紙と同じ目に合うという。そんな契約書の束である『友人帳』を持つものは妖を支配できるといっても過言ではない。
それ故に『友人帳』を奪おうとする妖たちに襲われたり、名前を返してほしい妖たちが彼のもとを訪ねてくるという。
「貴志は妖たちに名前を返そうと思ったんだ?」
「ああ。祖母が世話になったし……。自分で決めたんだ」
「そう……。その名前を返すのって私でもできるの?」
「え……。どうだろう?」
夏目は佐貝とニャンコ先生を見た。
「返せるとは思うが……。お前はなんかしらんが、すごい加護があるからな……。変な風に作用しないといいが……」
先生は美結花をじっとみながら言った。何かを見極めようとしているようだった。
「加護?」
「守られているってことよ。とりあえずやめた方がいいわね。夏目の方に任せておきなさい」
「はあい……。あ、でも貴志のことはサポートするからね!」
名前を返すお手伝いができないのは残念だが、なんらかの手伝いはしたいと美結花は言い切った。
「頼もしいよ」
夏目は微笑んだ。
「むしろ面倒ごとが増えるような気がするのだが」
「斑もそう思う? 私もそんな感じするのよね……」
二匹のため息は張り切り美結花には届かなかった。
『友人帳』をめぐる物語に一人の少女が加わる。彼女がもたらすものは一体何なのか──。
