夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第十五話 陣を描く少女
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「こっちだ」
先生の案内で洞窟の方へと向かった。
「その洞窟がおそらく奴の寝所だろう。この辺に住む妖の噂は聞いた事があるぞ」
てくてくと歩きながら先生が話す。
「捨てられた割れ鏡が禍々しい気を集めて妖となったと聞いている。この手の妖は万物を苦しめては喜びを感じるタイプらしいぞ」
「タキに猶予をやったのも遊びのつもりなのよ」
その言葉にごくりと息をのんだ。
そんな奴にどうやって勝てばいいのだろうか。
「そこでこの私が超特別に飲み仲間から魔封じの鏡を貰ってきてやったぞ」
先生が鏡を見せる。
「私も対の鏡を貰ってきてやったわよ」
「すごい!」
「どうしたんだ、おれ。先生が頼もしく見える」
「あれ? なんか私も佐貝が頼もしく見える」
美結花は目をこすった。
「人の手でこの2つの鏡に奴の目を映し、封じの呪文を言えばすむんだが……」
問題は美結花以外は現在妖が視えなくなっているという事だった。
「相手の姿が視えないと厳しそうだな」
夏目も同じことを考えていたらしい。
「私の陣に誘い込めれば可能になるってことね……」
多軌が提案する。
「そうね。……それよりもどうやって誘い込むかよね……」
美結花は思案した。
「──何とか私を餌にできる方法はないかしら」
多軌がそんなことを言った。
「それは……」
危険だと言いたかったが、多軌の覚悟を思うと何も言えなかった。
巻き込んだことを後悔していて、こんな重いものを一人で抱え込んでいた彼女のことを思うと何も言えない。
それに彼女はどこか一人ぼっちだった祖母に似ている気がした。
「タキは分からんが、夏目と美結花は餌にできるぞ。力が強いから上手そうなにおいがするし」
(私はまずそうってこと……?)
(美味そうなにおい……?)
(私はおいしそうってことなの……?)
先生の言葉にそれぞれショックを受ける。
「触れて奴も「友人帳」持ちの「夏目」だと気づいただろうしな」
その言葉にひゅっと息をのんだ。
「退屈している妖に友人帳は魅力的だ。お前がこの辺りをうろつけば釣られて奴もきっと出てくる。お前は特別だからな」
「……」
ちらりと夏目を見た。
従兄が持つ友人帳。それに妖たちは惹かれる。今回は特に友人帳を取られないようにしなければと思った。
「──特別? 友人帳って──?」
多軌の言葉にびくりと二人の方が揺れる。
このことを知ったら離れてしまうのではないかと考えてしまう。
「悪い。…詳しくは話せないんだ。ちょっと厄介なもので……。でも…祖母のたった一つの遺品なんだ」
詳しく話せずとも夏目は話せる部分だけ話した。
「──そう……。じゃあ夏目君の宝物なのね」
多軌はほほ笑んだ。
「──!」
祖母の思い出を肯定的に言ってくれる人は初めてだった。
「──うん。そうなんだ」
夏目はほほ笑んだ。
とても嬉しかったからだ。
多軌は思わず見とれる。
その時だった。ひゅっと音がしてニャンコ先生と佐貝が弾き飛ばされる。
「佐貝!?」
「わ!? 先生!?」
二人は驚く。
『わざわざ戻ってきたのか……? まずは小娘、お前は視えるから邪魔だ』
耳元で言葉がしたので振り向くと額に傷がある妖がいた。
「貴方は……!」
臨戦態勢をとろうとするも手で捕まえられて体が浮く。
「美結花!?」
視えない夏目にとって美結花が何もない宙に浮いているように見えた。
「美結花を離せ!」
妖に夏目が喰ってかかる。
『離してやるとも……!』
その言葉と共に美結花は放り出されたのだった。
先生の案内で洞窟の方へと向かった。
「その洞窟がおそらく奴の寝所だろう。この辺に住む妖の噂は聞いた事があるぞ」
てくてくと歩きながら先生が話す。
「捨てられた割れ鏡が禍々しい気を集めて妖となったと聞いている。この手の妖は万物を苦しめては喜びを感じるタイプらしいぞ」
「タキに猶予をやったのも遊びのつもりなのよ」
その言葉にごくりと息をのんだ。
そんな奴にどうやって勝てばいいのだろうか。
「そこでこの私が超特別に飲み仲間から魔封じの鏡を貰ってきてやったぞ」
先生が鏡を見せる。
「私も対の鏡を貰ってきてやったわよ」
「すごい!」
「どうしたんだ、おれ。先生が頼もしく見える」
「あれ? なんか私も佐貝が頼もしく見える」
美結花は目をこすった。
「人の手でこの2つの鏡に奴の目を映し、封じの呪文を言えばすむんだが……」
問題は美結花以外は現在妖が視えなくなっているという事だった。
「相手の姿が視えないと厳しそうだな」
夏目も同じことを考えていたらしい。
「私の陣に誘い込めれば可能になるってことね……」
多軌が提案する。
「そうね。……それよりもどうやって誘い込むかよね……」
美結花は思案した。
「──何とか私を餌にできる方法はないかしら」
多軌がそんなことを言った。
「それは……」
危険だと言いたかったが、多軌の覚悟を思うと何も言えなかった。
巻き込んだことを後悔していて、こんな重いものを一人で抱え込んでいた彼女のことを思うと何も言えない。
それに彼女はどこか一人ぼっちだった祖母に似ている気がした。
「タキは分からんが、夏目と美結花は餌にできるぞ。力が強いから上手そうなにおいがするし」
(私はまずそうってこと……?)
(美味そうなにおい……?)
(私はおいしそうってことなの……?)
先生の言葉にそれぞれショックを受ける。
「触れて奴も「友人帳」持ちの「夏目」だと気づいただろうしな」
その言葉にひゅっと息をのんだ。
「退屈している妖に友人帳は魅力的だ。お前がこの辺りをうろつけば釣られて奴もきっと出てくる。お前は特別だからな」
「……」
ちらりと夏目を見た。
従兄が持つ友人帳。それに妖たちは惹かれる。今回は特に友人帳を取られないようにしなければと思った。
「──特別? 友人帳って──?」
多軌の言葉にびくりと二人の方が揺れる。
このことを知ったら離れてしまうのではないかと考えてしまう。
「悪い。…詳しくは話せないんだ。ちょっと厄介なもので……。でも…祖母のたった一つの遺品なんだ」
詳しく話せずとも夏目は話せる部分だけ話した。
「──そう……。じゃあ夏目君の宝物なのね」
多軌はほほ笑んだ。
「──!」
祖母の思い出を肯定的に言ってくれる人は初めてだった。
「──うん。そうなんだ」
夏目はほほ笑んだ。
とても嬉しかったからだ。
多軌は思わず見とれる。
その時だった。ひゅっと音がしてニャンコ先生と佐貝が弾き飛ばされる。
「佐貝!?」
「わ!? 先生!?」
二人は驚く。
『わざわざ戻ってきたのか……? まずは小娘、お前は視えるから邪魔だ』
耳元で言葉がしたので振り向くと額に傷がある妖がいた。
「貴方は……!」
臨戦態勢をとろうとするも手で捕まえられて体が浮く。
「美結花!?」
視えない夏目にとって美結花が何もない宙に浮いているように見えた。
「美結花を離せ!」
妖に夏目が喰ってかかる。
『離してやるとも……!』
その言葉と共に美結花は放り出されたのだった。
