夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第十五話 陣を描く少女
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「──ごめんなさい。可愛いものを見ると心が乱れてしまうの」
落ち着いた少女は頬を赤くしながら言った。
「聞いたか、夏目、美結花…。聞いたか!?」
「ねえ、聞いた!? 二人とも聞いた!?」
「ええい、うるさいぞ。ニャンコ先生、佐貝」
「佐貝もニャンコ先生もうるさい」
興奮する二匹を二人は叱りつけた。
「──私は五組の多軌 透」
落ち着いた彼女は自己紹介をした。
「──同じ学校…!? だから俺を知っていたのか」
夏目はちらりと美結花を見た。知っているか聞いていたのだ。
「名前は知らなかったけど同じ学校ってことは知っていた。あなた有名だもの……。でも私の名前を知っているのは誰かから聞いたの?」
「ええ。まあ、それもあるけど……。お願い! 力を貸して! 命にかかわることなの」
「え……」
「命に!?」
驚く二人。。
「貴方たちの!」
「「え───!」」
いきなり命にかかわることだと言われて思わず叫んでしまった。
「──ねえ、夏目君、夏目さん、あなたたち」
二人が落ち着くと多軌と名乗った少女が訊いてきた。
「「妖怪」が見えるでしょう」
その言葉に心臓がどくどくとなる。
誰にも言っていないことをなぜこの少女は知っているのだろう。
「──何……」
「──なんで……」
顔が真っ青になっている自覚はあった。心臓の音がうるさい。
「聞いたの」
「……誰に……」
「……誰に聞いたの……」
声が小さくなっているが、きちんと訊いた。はっきりさせないといけない。
「「妖怪」に」
思わず多軌を凝視してしまう。
「え、何、言って……」
「──私は妖を視ることはできない…。けれどこのサークル内に入った妖ならその間だけその姿を見ることができるの」
多軌は地面に描いた陣を示した。
「この陣は私が妖の姿を見るためのもの」
風が河原を吹き抜けた。
(それで陣を描いていたのか……。だけど何のために噂になるくらい陣を描いていたんだろうか)
疑問に思った。
その疑問を感じ取ったのか多軌は一枚の紙を取り出した。地面に描いてある人と同じものが描かれている。
「─このメモは亡くなった祖父が残したものなの。不思議な図形だから私はよく真似て庭に落書きしていたの。そしたらある時、その輪の中に小さな天狗が視えたの。目の錯覚かと思ったけど数回そんな妙なものを視て─…、ああ、これは「妖」なんだって気づいたの」
彼女の話は続く。
「──先祖が陰陽師のようなことをやっていたらしくて、亡くなった祖父はいつも妖を視てみたいって憧れていたから…。私は嬉しくて時々この陣を描いて遊んでいたの」
祖父とのつながりもあって陣を描いていたのだろう。だけど妖の中には人に姿を見られるのも嫌うものもいる。彼女はどうなったのだろう。
「──そんなある日、陣の中を大きくて恐ろしい妖が通っていく姿を見てしまった。禍々しいその妖は私に気づいてこういったの。『人間のくせに私を見たな。生意気なお前を祟ってやろう。しかし遊んでやってもいい。あと三百と六十日やろう。それまでに私を捕まえることができたらお前の勝ちだ見逃してやろう。出来なければお前の負けだ。喰ってやる。そうしてお前の記憶をたどり、お前が最後に名を呼んだ人間から十三番目までの十三人を喰うとしよう』」
「十三人…!?」
「とんでもない数ね……」
「容赦のない数だな」
「悪質だわ、そいつ」
美結花たちはそれぞれの感想を述べた。
「あの妖が本気か分からないけど私は極力喋らないようにしてきた…。けれど自分でも気づかず名を呼んでしまった人がいるかもしれない。だから私は勝たなければいけないの。名を呼んでしまってごめんなさい。でもどうか力を貸してほしいの」
多軌の顔は真剣だった。
(彼女が変わった子とかおとなしい子だと言われていたのは呪いのせいだったのね──…)
佐貝の言う通り悪質な妖だ。
そして美結花の文字は喰われる順番と言う事だ。
「あの「壱」っていうのは喰われる順ってことか…」
同じことに気づいたのか従兄が言った。
「そうみたい。私の「弐」は二番目に食われるってことよね…」
「…何」
「なんですって?」
ニャンコ先生と佐貝が聞きとがめる。
「それよりも気になる事がある。あなたは条件付きで妖が視えるってこと?」
「条件付きっていうのが分からないけれど、陣をつかれば視えると思う……」
美結花の問いに多軌は答えた。
「なるほど……」
事実か確認したいと思った。
「…多軌。ここにいるものが視えるかい?」
夏目は横にいるちょび髭を指した。
「──いいえ」
彼女の言葉に嘘はないと思った。
「──じゃあ。こうすると視えるってことかい?」
夏目はちょび髭の手を引いて陣の中に入った。
「!!? 顔のでっかいちょび髭が──っ!!」
ちょび髭が視えたのかそんなことを多軌が叫んだ。
「…正解だ」
「…正解。陣があれば視えるっていうのは嘘じゃないみたい」
二人は呟く。
(あの子も私たちと同じ。視えるのだ。妖が……)
落ち着いた少女は頬を赤くしながら言った。
「聞いたか、夏目、美結花…。聞いたか!?」
「ねえ、聞いた!? 二人とも聞いた!?」
「ええい、うるさいぞ。ニャンコ先生、佐貝」
「佐貝もニャンコ先生もうるさい」
興奮する二匹を二人は叱りつけた。
「──私は五組の多軌 透」
落ち着いた彼女は自己紹介をした。
「──同じ学校…!? だから俺を知っていたのか」
夏目はちらりと美結花を見た。知っているか聞いていたのだ。
「名前は知らなかったけど同じ学校ってことは知っていた。あなた有名だもの……。でも私の名前を知っているのは誰かから聞いたの?」
「ええ。まあ、それもあるけど……。お願い! 力を貸して! 命にかかわることなの」
「え……」
「命に!?」
驚く二人。。
「貴方たちの!」
「「え───!」」
いきなり命にかかわることだと言われて思わず叫んでしまった。
「──ねえ、夏目君、夏目さん、あなたたち」
二人が落ち着くと多軌と名乗った少女が訊いてきた。
「「妖怪」が見えるでしょう」
その言葉に心臓がどくどくとなる。
誰にも言っていないことをなぜこの少女は知っているのだろう。
「──何……」
「──なんで……」
顔が真っ青になっている自覚はあった。心臓の音がうるさい。
「聞いたの」
「……誰に……」
「……誰に聞いたの……」
声が小さくなっているが、きちんと訊いた。はっきりさせないといけない。
「「妖怪」に」
思わず多軌を凝視してしまう。
「え、何、言って……」
「──私は妖を視ることはできない…。けれどこのサークル内に入った妖ならその間だけその姿を見ることができるの」
多軌は地面に描いた陣を示した。
「この陣は私が妖の姿を見るためのもの」
風が河原を吹き抜けた。
(それで陣を描いていたのか……。だけど何のために噂になるくらい陣を描いていたんだろうか)
疑問に思った。
その疑問を感じ取ったのか多軌は一枚の紙を取り出した。地面に描いてある人と同じものが描かれている。
「─このメモは亡くなった祖父が残したものなの。不思議な図形だから私はよく真似て庭に落書きしていたの。そしたらある時、その輪の中に小さな天狗が視えたの。目の錯覚かと思ったけど数回そんな妙なものを視て─…、ああ、これは「妖」なんだって気づいたの」
彼女の話は続く。
「──先祖が陰陽師のようなことをやっていたらしくて、亡くなった祖父はいつも妖を視てみたいって憧れていたから…。私は嬉しくて時々この陣を描いて遊んでいたの」
祖父とのつながりもあって陣を描いていたのだろう。だけど妖の中には人に姿を見られるのも嫌うものもいる。彼女はどうなったのだろう。
「──そんなある日、陣の中を大きくて恐ろしい妖が通っていく姿を見てしまった。禍々しいその妖は私に気づいてこういったの。『人間のくせに私を見たな。生意気なお前を祟ってやろう。しかし遊んでやってもいい。あと三百と六十日やろう。それまでに私を捕まえることができたらお前の勝ちだ見逃してやろう。出来なければお前の負けだ。喰ってやる。そうしてお前の記憶をたどり、お前が最後に名を呼んだ人間から十三番目までの十三人を喰うとしよう』」
「十三人…!?」
「とんでもない数ね……」
「容赦のない数だな」
「悪質だわ、そいつ」
美結花たちはそれぞれの感想を述べた。
「あの妖が本気か分からないけど私は極力喋らないようにしてきた…。けれど自分でも気づかず名を呼んでしまった人がいるかもしれない。だから私は勝たなければいけないの。名を呼んでしまってごめんなさい。でもどうか力を貸してほしいの」
多軌の顔は真剣だった。
(彼女が変わった子とかおとなしい子だと言われていたのは呪いのせいだったのね──…)
佐貝の言う通り悪質な妖だ。
そして美結花の文字は喰われる順番と言う事だ。
「あの「壱」っていうのは喰われる順ってことか…」
同じことに気づいたのか従兄が言った。
「そうみたい。私の「弐」は二番目に食われるってことよね…」
「…何」
「なんですって?」
ニャンコ先生と佐貝が聞きとがめる。
「それよりも気になる事がある。あなたは条件付きで妖が視えるってこと?」
「条件付きっていうのが分からないけれど、陣をつかれば視えると思う……」
美結花の問いに多軌は答えた。
「なるほど……」
事実か確認したいと思った。
「…多軌。ここにいるものが視えるかい?」
夏目は横にいるちょび髭を指した。
「──いいえ」
彼女の言葉に嘘はないと思った。
「──じゃあ。こうすると視えるってことかい?」
夏目はちょび髭の手を引いて陣の中に入った。
「!!? 顔のでっかいちょび髭が──っ!!」
ちょび髭が視えたのかそんなことを多軌が叫んだ。
「…正解だ」
「…正解。陣があれば視えるっていうのは嘘じゃないみたい」
二人は呟く。
(あの子も私たちと同じ。視えるのだ。妖が……)
