夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第十四話 人魚の思い
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「あああああ!」
駅に着くと千津が叫び声をあげていた。
「どうしたんですか!?」
「何かあったんですか!?」
心配になって聞くと蛍一があの頃の姿のままそこにいたという。
自分は何という事をしてしまったのだろうと後悔した。
そして蛍一を追いかけるために駅を出ていった。
「千津さん!」
「待ってください!」
慌てて二人も後を追いかける。
(早くしないと人魚が──!)
美結花は人魚を止めるために人ごみをかき分けた。
「いた!」
駅を出るとベンチに千津がいた。
そこに人魚が手を伸ばしていた。
二人は止めるために人魚にとびかかる。
夏目の鞄が地面に投げ出され、友人帳もそこから飛び出す。
「…待ってくれ。待ってくれ、人魚。千津さんは子供だったんだ。お前の孤独や傷を知らない、ただの子供だったんだ」
「そうよ。あなたのことを何も知らない子供だったの! 池で一緒に遊んでいた鮒だと言う事も知らず、あなたの傷を知らない子供だったの……」
二人は必死で説得する。
「お前のこと優しい目をした人魚だったって……」
夏目の言葉に人魚ははっとした顔をした。
「貴志、あれ……」
動きが止まった隙に陸の方を見ると友人帳が反応していた。
「…反応してる…。…お前、友人帳に名があるのか…? だから友人帳を欲しがったのか?」
夏目が訊く。
「きゃあああ!」
それを聞いた人魚はまず美結花をぶん投げた。
空中に投げ出された美結花は悲鳴を上げる。
『美結花!』
佐貝が本性である黒い化け猫に戻って彼女を受け止める。
「ありがとう」
美結花は地面にたたきつけられずに済んで佐貝にお礼を言った。
『どうってことないわ。それより人魚に集中しなさい』
人魚の方を見ると夏目に襲い掛かっていた。
人魚に言わせると友人帳を狙ったのも、レイコと勝負したのも、千津に血をやったのもすべて暇つぶしだという。
(暇つぶし──? 本当かしら)
どことなく悲しそうに見えて美結花の心に疑念が芽生えた。
『──レイコの孫か。うまそうだ。お前を食った後はあの小娘も喰ってやろう』
そう言って人魚は口を大きく開ける。
「先生!」
そうはさせまいとニャンコ先生が人魚に襲いかける。人魚はたまらず夏目から離れる。
その隙を狙ってニャンコ先生は本性の白い狼のような妖になり、夏目は友人帳を手にしていた。
「──見つけた。「笹船」。君の名だ。君へ返そう。受けてくれ」
夏目が息を吐くと人魚──笹船へと名が返された。
「うっ…!」
「貴志!」
それと同時に夏目がふらついたので美結花は駆け寄った。
「大丈夫? …!」
心配そうに顔を覗いているの目の前に人魚の笹船がいた。
警戒する美結花に無視して夏目に笹船は語り掛ける。
『──私の心を覗いたね、夏目。──そうさ。私は彼女に失望して意地悪してやろうと小瓶にはぶどうの汁を入れてやったのさ』
ぶどうの汁なら不老不死にはなれるはずもない。
『そしたらあの子は泣きそうな顔で笑って「ありがとう」って──。私はその時自分自身にも失望してしまったんだ』
笹船のあの態度は傷ついた心を隠そうとしていたのかもしれない。
『人間に関わるとろくなことがない。─でもそれでよかったんだね』
人を傷つけることもなく、それでよかったのだと笹船は言った。
『──伝えてやってくれ、夏目、美結花。意地悪してごめんって』
笹船はそこから去ろうとしていた。
「──待ちなさい! 自分で伝えなさいよ!」
「そうだ。自分で伝えろ。千津さんだってきっと…。──きっと…」
「夏目君──? 美結花ちゃん──?」
千津がこちらに来る声が聞こえる。
そして笹船と目が合った。
「人魚さん──…」
千津はそう言った。
『元気で』
その声を最後に人魚は去っていった。
「──聞こえましたか? 千津さん」
「ええ。あの時と同じ優しい声が……」
千津は夏目の言葉にしっかりと頷いたのだった。
駅に着くと千津が叫び声をあげていた。
「どうしたんですか!?」
「何かあったんですか!?」
心配になって聞くと蛍一があの頃の姿のままそこにいたという。
自分は何という事をしてしまったのだろうと後悔した。
そして蛍一を追いかけるために駅を出ていった。
「千津さん!」
「待ってください!」
慌てて二人も後を追いかける。
(早くしないと人魚が──!)
美結花は人魚を止めるために人ごみをかき分けた。
「いた!」
駅を出るとベンチに千津がいた。
そこに人魚が手を伸ばしていた。
二人は止めるために人魚にとびかかる。
夏目の鞄が地面に投げ出され、友人帳もそこから飛び出す。
「…待ってくれ。待ってくれ、人魚。千津さんは子供だったんだ。お前の孤独や傷を知らない、ただの子供だったんだ」
「そうよ。あなたのことを何も知らない子供だったの! 池で一緒に遊んでいた鮒だと言う事も知らず、あなたの傷を知らない子供だったの……」
二人は必死で説得する。
「お前のこと優しい目をした人魚だったって……」
夏目の言葉に人魚ははっとした顔をした。
「貴志、あれ……」
動きが止まった隙に陸の方を見ると友人帳が反応していた。
「…反応してる…。…お前、友人帳に名があるのか…? だから友人帳を欲しがったのか?」
夏目が訊く。
「きゃあああ!」
それを聞いた人魚はまず美結花をぶん投げた。
空中に投げ出された美結花は悲鳴を上げる。
『美結花!』
佐貝が本性である黒い化け猫に戻って彼女を受け止める。
「ありがとう」
美結花は地面にたたきつけられずに済んで佐貝にお礼を言った。
『どうってことないわ。それより人魚に集中しなさい』
人魚の方を見ると夏目に襲い掛かっていた。
人魚に言わせると友人帳を狙ったのも、レイコと勝負したのも、千津に血をやったのもすべて暇つぶしだという。
(暇つぶし──? 本当かしら)
どことなく悲しそうに見えて美結花の心に疑念が芽生えた。
『──レイコの孫か。うまそうだ。お前を食った後はあの小娘も喰ってやろう』
そう言って人魚は口を大きく開ける。
「先生!」
そうはさせまいとニャンコ先生が人魚に襲いかける。人魚はたまらず夏目から離れる。
その隙を狙ってニャンコ先生は本性の白い狼のような妖になり、夏目は友人帳を手にしていた。
「──見つけた。「笹船」。君の名だ。君へ返そう。受けてくれ」
夏目が息を吐くと人魚──笹船へと名が返された。
「うっ…!」
「貴志!」
それと同時に夏目がふらついたので美結花は駆け寄った。
「大丈夫? …!」
心配そうに顔を覗いているの目の前に人魚の笹船がいた。
警戒する美結花に無視して夏目に笹船は語り掛ける。
『──私の心を覗いたね、夏目。──そうさ。私は彼女に失望して意地悪してやろうと小瓶にはぶどうの汁を入れてやったのさ』
ぶどうの汁なら不老不死にはなれるはずもない。
『そしたらあの子は泣きそうな顔で笑って「ありがとう」って──。私はその時自分自身にも失望してしまったんだ』
笹船のあの態度は傷ついた心を隠そうとしていたのかもしれない。
『人間に関わるとろくなことがない。─でもそれでよかったんだね』
人を傷つけることもなく、それでよかったのだと笹船は言った。
『──伝えてやってくれ、夏目、美結花。意地悪してごめんって』
笹船はそこから去ろうとしていた。
「──待ちなさい! 自分で伝えなさいよ!」
「そうだ。自分で伝えろ。千津さんだってきっと…。──きっと…」
「夏目君──? 美結花ちゃん──?」
千津がこちらに来る声が聞こえる。
そして笹船と目が合った。
「人魚さん──…」
千津はそう言った。
『元気で』
その声を最後に人魚は去っていった。
「──聞こえましたか? 千津さん」
「ええ。あの時と同じ優しい声が……」
千津は夏目の言葉にしっかりと頷いたのだった。
