夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第十四話 人魚の思い
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しばらくして人魚は起き上がった。
「お前、名前は? 悪いが友人帳はやれないぞ」
「そうそう。名前を教えてもらわなきゃ呼べないじゃない」
『ふん、人間ごときに名乗る名はない。そもそも私のように希少で美しい人魚は──って人の講釈は最後まで聞けこの無礼生物共』
人魚が怒る。
夏目と美結花は水道でタオルを濡らしていて話を聞いていなかったのだ。
「千津さんがあった「人魚」って君のことかい?」
夏目が濡らしたタオルで自分たちがパンチしたところを当ててやりながら訊いた。
「え、そうなの?」
まじまじと見つめる。
今朝夏目から聞いた話によると千津さんは幼いころに人魚にあったとのことだったが─。
『──さあ? お前たちに話してやる義理はないな』
人魚は答えなかった。
「そうだな……」
「そうね……」
話さないのも当然かとこれ以上は訊かなかったし、そこから去っていった。
「人魚は極度に人間嫌いなのさ。血肉目当てに多くが狩られたから生き残りが少ないんだ」
「希少というのもそこにつながっているわね」
駅で降りてからニャンコ先生と佐貝が教えてくれた。
「へえ」
「そうなんだ。幼いころに一度あった気がするけど……」
幼いころの記憶を思い出しながら言った。
「希少なのに運がいいのね。食べようとは思わなかったの?」
「そうは思わなかったな……」
美結花は答えた。
「惜しいことをしたな、夏目、美結花。せっかくの人魚を食うチャンスだったのに」
「そんなことしたら先生、一生友人帳を手に入れられなくなっちゃうぞ」
「ふふっ。それでもいいって言っているみたい」
思わず笑ってしまう。
「「……」」
無言で先生と佐貝が二人を見つめていると夏目が何かに気づいたかのようだった。
「…あ」
「どうしたの?」
美結花が不審に思って訊いてくるが、その言葉を無視して誰かに声をかけた。
「千津さん…?」
「きゃあ!」
その悲鳴に夏目と美結花は思わず肩をはねさせてしまった。
「ごめんなさいね。駅で似た人を見かけたと聞いたから…あの人かと……」
千津は謝ってきた。
「いえ……」
「こっちも驚いてすみません……」
美結花は謝った。
「─どんな人なんです?」
夏目は自分に雰囲気が似ていると評された人が気になったらしい。
「あんな突拍子もない話を信じてくれるの?」
「ええ。まあ」
「気になるので……」
二人が頷くと千津は話を始めた。
彼女の家は貧乏で一人でいることが多かったという。それを哀れんで隣の家の蛍一という今の夏目ぐらいの少年が家に呼んでくれるようになってくれたという。
千津は大好きだったが、彼は体がとても弱かったのだという。
ある嵐の夜に病状が悪化して駄目だろうという大人の話を聞いた千津は大池の人魚に会いに行った。そして血を分けてもらったのだという。
蛍一の小瓶の血を唇に垂らした彼女も高熱に倒れ、その後どうなったかは蛍一が病院を移ったことにより、知らないのだという。
その後、人魚のことも小瓶の血のことも忘れてしまった千津だったが、ご主人が亡くなったことにより、思い出したのだという。
「私の幼稚な好意があの人を苦しめていたらどうしよう──」
千津は顔を手で覆った。
(ああ……)
美結花は思った。
不老不死は多くの人があこがれるものだ。
だけどこうも思うのだ。
不老──。それは人の身にはなんて重い。
長く生きると言う事はそれだけ別れも経験しているのだ。自分だったら耐えられない。
(佐貝も色々経験しているんだろうな)
祖母だけじゃない。それ以外にもいっぱい──。
そしていつかは美結花も──。
そんなことを思いながら帰路についた。
「お前、名前は? 悪いが友人帳はやれないぞ」
「そうそう。名前を教えてもらわなきゃ呼べないじゃない」
『ふん、人間ごときに名乗る名はない。そもそも私のように希少で美しい人魚は──って人の講釈は最後まで聞けこの無礼生物共』
人魚が怒る。
夏目と美結花は水道でタオルを濡らしていて話を聞いていなかったのだ。
「千津さんがあった「人魚」って君のことかい?」
夏目が濡らしたタオルで自分たちがパンチしたところを当ててやりながら訊いた。
「え、そうなの?」
まじまじと見つめる。
今朝夏目から聞いた話によると千津さんは幼いころに人魚にあったとのことだったが─。
『──さあ? お前たちに話してやる義理はないな』
人魚は答えなかった。
「そうだな……」
「そうね……」
話さないのも当然かとこれ以上は訊かなかったし、そこから去っていった。
「人魚は極度に人間嫌いなのさ。血肉目当てに多くが狩られたから生き残りが少ないんだ」
「希少というのもそこにつながっているわね」
駅で降りてからニャンコ先生と佐貝が教えてくれた。
「へえ」
「そうなんだ。幼いころに一度あった気がするけど……」
幼いころの記憶を思い出しながら言った。
「希少なのに運がいいのね。食べようとは思わなかったの?」
「そうは思わなかったな……」
美結花は答えた。
「惜しいことをしたな、夏目、美結花。せっかくの人魚を食うチャンスだったのに」
「そんなことしたら先生、一生友人帳を手に入れられなくなっちゃうぞ」
「ふふっ。それでもいいって言っているみたい」
思わず笑ってしまう。
「「……」」
無言で先生と佐貝が二人を見つめていると夏目が何かに気づいたかのようだった。
「…あ」
「どうしたの?」
美結花が不審に思って訊いてくるが、その言葉を無視して誰かに声をかけた。
「千津さん…?」
「きゃあ!」
その悲鳴に夏目と美結花は思わず肩をはねさせてしまった。
「ごめんなさいね。駅で似た人を見かけたと聞いたから…あの人かと……」
千津は謝ってきた。
「いえ……」
「こっちも驚いてすみません……」
美結花は謝った。
「─どんな人なんです?」
夏目は自分に雰囲気が似ていると評された人が気になったらしい。
「あんな突拍子もない話を信じてくれるの?」
「ええ。まあ」
「気になるので……」
二人が頷くと千津は話を始めた。
彼女の家は貧乏で一人でいることが多かったという。それを哀れんで隣の家の蛍一という今の夏目ぐらいの少年が家に呼んでくれるようになってくれたという。
千津は大好きだったが、彼は体がとても弱かったのだという。
ある嵐の夜に病状が悪化して駄目だろうという大人の話を聞いた千津は大池の人魚に会いに行った。そして血を分けてもらったのだという。
蛍一の小瓶の血を唇に垂らした彼女も高熱に倒れ、その後どうなったかは蛍一が病院を移ったことにより、知らないのだという。
その後、人魚のことも小瓶の血のことも忘れてしまった千津だったが、ご主人が亡くなったことにより、思い出したのだという。
「私の幼稚な好意があの人を苦しめていたらどうしよう──」
千津は顔を手で覆った。
(ああ……)
美結花は思った。
不老不死は多くの人があこがれるものだ。
だけどこうも思うのだ。
不老──。それは人の身にはなんて重い。
長く生きると言う事はそれだけ別れも経験しているのだ。自分だったら耐えられない。
(佐貝も色々経験しているんだろうな)
祖母だけじゃない。それ以外にもいっぱい──。
そしていつかは美結花も──。
そんなことを思いながら帰路についた。
