夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第十二話 もう一人の祓い人
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その夜、美結花は珍しく誰かの思いを覗いた夢を見た。
珍しく昼間のことを引きずっていたからだろうか。
『お母さん、肩身が狭そうなんだ。きっと僕が産まれたから。僕を産んでお母さんは体が弱くなっちゃった。しかも変なものを見るから災厄の子って言われてる。そんなものを見るのは僕と─と─だけなんだ。だから僕は産まれちゃいけなかったはずなんだ』
ダークブラウンの髪の男の子が妖を手当てしながらそんなことをこぼす。
『そんなことあるものか。人に災厄は起こせない。ただお前は妖が視える普通の優しい子だよ』
妖は手当てされながらそう言った。
『……でもお母さんは今にも死にそうなくらい弱っている。同じ視える─と─の時はそんなことなかったのに。だから父さんは僕をなじる……』
『それはただ偶然だよ。それにお前の母はお前を責めたのか?』
妖は男の子に訊く。
『ううん。お母さんは僕も─も─も大事にしてくれるよ。宝物だって抱きしめてくれる』
『ならそれでいいじゃないか。お前の母がお前を大事にしている。災厄の子っていうのは周りの勝手な言い分だよ。耳を貸す必要はない』
『そうなのかな……。ねえ、明日も来て良い?』
『ああ。いつでも待っているよ』
そう言って仮面の妖─楓はほほ笑んだように思えた。
「昔は可愛かったのにぐれちゃって……」
開口一番美結花は呟いた。
記憶の中の彼は可愛らしかったのに今は皮肉な物言いばかりだ。
「妖祓いっていうのはそう言うものよ。周りが敵だらけに視えるから高圧的な物言いしかできないのよ」
美結花の夢を覗いていたらしい佐貝が言った。
「周りが敵だらけか……。親戚からなじられて気味悪がられるのは一緒なのかもね……」
美結花は自分と重ねた。
「あんまり心を寄せないでよね。あなたはお人よしすぎるから」
佐貝が釘を刺す。
「…………」
美結花はそれには答えなかった。
自分のせいで母の身体が弱くなった。そう話している子供─水崎の思いがあまりにも悲痛すぎて。
(気は進まないけどもう一度水崎さんと話し合う必要はあるのかな……)
あんな別れ方しただけに行くのは気まずい。だけど行かないと彼の真意は分からないと思った。
顔を洗ってすっきりする。
「美結花。行くのか?」
タオルで顔をふいていると何かを察した夏目が声をかけてきた。
「行くよ。じゃないと分からないもの」
会わないからと遠ざけるだけじゃいけないと思ったのだ。
「そうか……」
夏目は何か考え込んでいるようだった。
「あの人─」
「え?」
美結花は夏目の顔を見た。
「名取さんに境遇が似ていると聞いていたから似たような人だと思っていたけどずいぶん違うんだなと思って。昨日の言い方はわざと人を遠ざけたいみたいだ……」
「…………」
その言葉に今朝の夢が思い浮かんだ。
自分のせいで母親が病気になったと思い悩んでいる少年─水崎の姿を。
傷つきたくないから人を遠ざける。
それはなんて悲しいことなんだろう。
今は穏やかな人たちに囲まれている美結花はそう思った。
珍しく昼間のことを引きずっていたからだろうか。
『お母さん、肩身が狭そうなんだ。きっと僕が産まれたから。僕を産んでお母さんは体が弱くなっちゃった。しかも変なものを見るから災厄の子って言われてる。そんなものを見るのは僕と─と─だけなんだ。だから僕は産まれちゃいけなかったはずなんだ』
ダークブラウンの髪の男の子が妖を手当てしながらそんなことをこぼす。
『そんなことあるものか。人に災厄は起こせない。ただお前は妖が視える普通の優しい子だよ』
妖は手当てされながらそう言った。
『……でもお母さんは今にも死にそうなくらい弱っている。同じ視える─と─の時はそんなことなかったのに。だから父さんは僕をなじる……』
『それはただ偶然だよ。それにお前の母はお前を責めたのか?』
妖は男の子に訊く。
『ううん。お母さんは僕も─も─も大事にしてくれるよ。宝物だって抱きしめてくれる』
『ならそれでいいじゃないか。お前の母がお前を大事にしている。災厄の子っていうのは周りの勝手な言い分だよ。耳を貸す必要はない』
『そうなのかな……。ねえ、明日も来て良い?』
『ああ。いつでも待っているよ』
そう言って仮面の妖─楓はほほ笑んだように思えた。
「昔は可愛かったのにぐれちゃって……」
開口一番美結花は呟いた。
記憶の中の彼は可愛らしかったのに今は皮肉な物言いばかりだ。
「妖祓いっていうのはそう言うものよ。周りが敵だらけに視えるから高圧的な物言いしかできないのよ」
美結花の夢を覗いていたらしい佐貝が言った。
「周りが敵だらけか……。親戚からなじられて気味悪がられるのは一緒なのかもね……」
美結花は自分と重ねた。
「あんまり心を寄せないでよね。あなたはお人よしすぎるから」
佐貝が釘を刺す。
「…………」
美結花はそれには答えなかった。
自分のせいで母の身体が弱くなった。そう話している子供─水崎の思いがあまりにも悲痛すぎて。
(気は進まないけどもう一度水崎さんと話し合う必要はあるのかな……)
あんな別れ方しただけに行くのは気まずい。だけど行かないと彼の真意は分からないと思った。
顔を洗ってすっきりする。
「美結花。行くのか?」
タオルで顔をふいていると何かを察した夏目が声をかけてきた。
「行くよ。じゃないと分からないもの」
会わないからと遠ざけるだけじゃいけないと思ったのだ。
「そうか……」
夏目は何か考え込んでいるようだった。
「あの人─」
「え?」
美結花は夏目の顔を見た。
「名取さんに境遇が似ていると聞いていたから似たような人だと思っていたけどずいぶん違うんだなと思って。昨日の言い方はわざと人を遠ざけたいみたいだ……」
「…………」
その言葉に今朝の夢が思い浮かんだ。
自分のせいで母親が病気になったと思い悩んでいる少年─水崎の姿を。
傷つきたくないから人を遠ざける。
それはなんて悲しいことなんだろう。
今は穏やかな人たちに囲まれている美結花はそう思った。
