夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第十一話 桜並木とあなたの絵
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巳弥はあれからも毎日毎日夏目の部屋にやってきた。
花を持ってきたり、蛙を持ってきたりと様々だ。
「げほっ。ごほっ」
夏目が変な咳をしていた。
「貴志、風邪? 大丈夫?」
美結花は心配そうに夏目を見た。
「大丈夫だ。ちょっと先生と散歩に行ってくるよ」
そう言って家を出ていった。
「あれ、大丈夫なの?」
「う~ん。大丈夫じゃないかもしれないわね。妙な咳だわ……」
佐貝はちょっと心配そうだ。
「あの絵を飾ってからよね……。私は大丈夫なんだけど……。最近やな感じがするのよね……」
「その勘大事にした方が良いかも。あなたは守られているから大丈夫でしょう。親か先祖か知らないけど願われた結果ね……」
佐貝が忠告する。
「願われた……」
誰だろう。美結花のことを案じて祈ってくれたのは……。従兄や藤原夫妻以外親戚では誰もいないはずなのに。
(レイコさん…は若くして亡くなっているから除外。私を産んだ時に亡くなったお母さん? それとも……産まれる前に亡くなったというお父さんかしら……)
父親のことは写真でしか知らない。美結花が産まれるちょっと前に事故でなくなっているからだ。
従兄みたいに父親の思い出すらないのだ。
「はあ……。余計なことまで考えそう…」
ちょっと眠ろうと美結花は部屋へと戻った。
そしてうとうとしてしばらくして美結花は目を覚ました。
嫌な予感がしたからだ。
(なんだろう……。貴志の部屋……?)
「ただいま……」
そっと向かおうとするとそこへ従兄と塔子が帰ってきた。
「お帰り~」
美結花は従兄にほほ笑んだが、彼は浮かない顔をしていた。
「何かあった?」
訊いてみる。
「春地蔵にさ……」
春地蔵という妖に死を予言されたのだという。
「ええ? 大丈夫なの?」
「ああ。いったい何だったんだろうな。あの春地蔵の言葉は……」
そう言って夏目は自分の部屋に入った。
「待て、夏目。妙な気配が……」
先生が言う。
「…確かも私もさっきから貴志の部屋で変な気配がして……」
美結花も部屋に入る。
二人は壁に掛けてあるはずの絵を見た。
(何これ?)
美結花は驚いた。
絵の外に根が張るように木の枝を伸ばしていたのだ。
「絵の中の木が枝を伸ばしている…?」
「こんなのってあり……?」
二人はぞっとした。
「斑! この絵やばいわよ!」
「…むっ。そうか、この絵。夏目の力を吸い取っていたんだな。枝を伸ばしてさらに力を奪う気だな。たかが絵の分際で私の獲物を奪おうとは許さんぞ」
そこで先生は本性に戻った。
『春地蔵の言った影とはこの絵のことだ。今すぐ食い破ってやる!』
そう言って絵に襲うかかろうとした。
「先生! やめ──」
夏目は絵を先生からかばった。
「貴志!」
「ぎゃー! あほ夏目! 何やっとる!」
美結花と先生が悲鳴を上げる。
『夏目、昨日はありがとう。今日は早咲きの桜を持ってきた…。ぎゃっ。夏目!』
そこへやってきた巳弥も倒れる夏目を見て悲鳴を上げる。
「貴志、貴志ってば!」
「揺さぶると良くない! すぐに目を覚ます」
夏目を揺さぶる美結花に佐貝が一喝する。
「この馬鹿夏目……」
『大丈夫か? いったいどうした─』
巳弥の言葉が途切れる。
絵を見て持ってきた桜が手から零れ落ちる。
『そうか八坂さまの絵が……』
彼女はすべてを悟ってしまった。
『夏目が起きたらやることをやろう』
巳弥は決意を固めてしまった。
害をなすくらいなら自分の手で絵を─。
ただそれはなんて悲しい決断なのだろうか。
花を持ってきたり、蛙を持ってきたりと様々だ。
「げほっ。ごほっ」
夏目が変な咳をしていた。
「貴志、風邪? 大丈夫?」
美結花は心配そうに夏目を見た。
「大丈夫だ。ちょっと先生と散歩に行ってくるよ」
そう言って家を出ていった。
「あれ、大丈夫なの?」
「う~ん。大丈夫じゃないかもしれないわね。妙な咳だわ……」
佐貝はちょっと心配そうだ。
「あの絵を飾ってからよね……。私は大丈夫なんだけど……。最近やな感じがするのよね……」
「その勘大事にした方が良いかも。あなたは守られているから大丈夫でしょう。親か先祖か知らないけど願われた結果ね……」
佐貝が忠告する。
「願われた……」
誰だろう。美結花のことを案じて祈ってくれたのは……。従兄や藤原夫妻以外親戚では誰もいないはずなのに。
(レイコさん…は若くして亡くなっているから除外。私を産んだ時に亡くなったお母さん? それとも……産まれる前に亡くなったというお父さんかしら……)
父親のことは写真でしか知らない。美結花が産まれるちょっと前に事故でなくなっているからだ。
従兄みたいに父親の思い出すらないのだ。
「はあ……。余計なことまで考えそう…」
ちょっと眠ろうと美結花は部屋へと戻った。
そしてうとうとしてしばらくして美結花は目を覚ました。
嫌な予感がしたからだ。
(なんだろう……。貴志の部屋……?)
「ただいま……」
そっと向かおうとするとそこへ従兄と塔子が帰ってきた。
「お帰り~」
美結花は従兄にほほ笑んだが、彼は浮かない顔をしていた。
「何かあった?」
訊いてみる。
「春地蔵にさ……」
春地蔵という妖に死を予言されたのだという。
「ええ? 大丈夫なの?」
「ああ。いったい何だったんだろうな。あの春地蔵の言葉は……」
そう言って夏目は自分の部屋に入った。
「待て、夏目。妙な気配が……」
先生が言う。
「…確かも私もさっきから貴志の部屋で変な気配がして……」
美結花も部屋に入る。
二人は壁に掛けてあるはずの絵を見た。
(何これ?)
美結花は驚いた。
絵の外に根が張るように木の枝を伸ばしていたのだ。
「絵の中の木が枝を伸ばしている…?」
「こんなのってあり……?」
二人はぞっとした。
「斑! この絵やばいわよ!」
「…むっ。そうか、この絵。夏目の力を吸い取っていたんだな。枝を伸ばしてさらに力を奪う気だな。たかが絵の分際で私の獲物を奪おうとは許さんぞ」
そこで先生は本性に戻った。
『春地蔵の言った影とはこの絵のことだ。今すぐ食い破ってやる!』
そう言って絵に襲うかかろうとした。
「先生! やめ──」
夏目は絵を先生からかばった。
「貴志!」
「ぎゃー! あほ夏目! 何やっとる!」
美結花と先生が悲鳴を上げる。
『夏目、昨日はありがとう。今日は早咲きの桜を持ってきた…。ぎゃっ。夏目!』
そこへやってきた巳弥も倒れる夏目を見て悲鳴を上げる。
「貴志、貴志ってば!」
「揺さぶると良くない! すぐに目を覚ます」
夏目を揺さぶる美結花に佐貝が一喝する。
「この馬鹿夏目……」
『大丈夫か? いったいどうした─』
巳弥の言葉が途切れる。
絵を見て持ってきた桜が手から零れ落ちる。
『そうか八坂さまの絵が……』
彼女はすべてを悟ってしまった。
『夏目が起きたらやることをやろう』
巳弥は決意を固めてしまった。
害をなすくらいなら自分の手で絵を─。
ただそれはなんて悲しい決断なのだろうか。
