夏目の従妹が主人公。原作設定。黒髪に翡翠の瞳の美少女です。
第十一話 桜並木とあなたの絵
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「あの妖今日も来るよね……」
「来るに決まっているでしょ。全く。夏目も美結花も絆されちゃって……」
佐貝が不機嫌そうに言った。
「いやいや。いつも私たちは巻き込まれている側だから……」
「ふん。どうだか……」
そんなことを言いあいながら夏目の部屋へと向かった。
そして当然のように妖─巳弥はやってきた。
そして礼だと言ってちょうちょを部屋にはなった。
「部屋で放すな~!」
「捕まえるの大変だよ~!」
夏目と美結花はちょうちょを慌てて捕まえた。
そして八坂さまとの話をしてくれた。
桜に隠れたまま木の下にいた人の子に話しかけたこと。そして彼は巳弥が妖だと気づかずに話していたこと。
『私は妖だと気づかれるのが怖くなった』
その言葉にドキリとする。
同じだ。妖が視えることを話せない自分たちと。
本当のことをお世話になっている藤原夫妻にさえ話せない現状と。
(怖くなって本当のことが話せない気持ちがよくわかる)
『だから身を隠す桜のない時期はあの並木へ行かなかった。私たちは桜の季節にだけ語らう友となったのだ』
そう巳弥は語る。
その先はどうなるのだろう。
『…そんな春が数度過ぎた頃、ある春ばたりと彼は来なくなった』
次の春も、その次の春も来なくなってしまったという。
そして探し回り、絵の中にいる八坂を見つけたのだという。
絵の中に逃げ込んだ彼を慰めるために共に旅をしていた。
『──いつの日か彼の心が癒えたらきっと絵から出てきてくれるだろう。そしてまた語らうのだ』
そう巳弥は言った。
「確かにこの絵から妖力を感じる。名のある妖が描いたものだな」
巳弥が去った後、ニャンコ先生が言った。
「妖力があるから美結花たちが見つけてしまったのでしょう」
佐貝はそう言った。
「しかしこれはただの絵だ。どんなに待っても出て来やしない。これはただ冬の並木道とそこに立っていた八坂という男の姿が描かれたものだ。その男はもう──」
ニャンコ先生は言葉を切った。
「巳弥はいつまで待ち続けるのだろう……」
「さあね。人と妖の時間は違う。だから──」
絵の中でしか会えないと言わなかったのは佐貝のやさしさなのだろうか。
(何も言えなかったこと後悔しているんだろうか、巳弥は……。私はいつか言えるんだろうか。本当のこと……)
ぼんやりと美結花はそう思った。
「来るに決まっているでしょ。全く。夏目も美結花も絆されちゃって……」
佐貝が不機嫌そうに言った。
「いやいや。いつも私たちは巻き込まれている側だから……」
「ふん。どうだか……」
そんなことを言いあいながら夏目の部屋へと向かった。
そして当然のように妖─巳弥はやってきた。
そして礼だと言ってちょうちょを部屋にはなった。
「部屋で放すな~!」
「捕まえるの大変だよ~!」
夏目と美結花はちょうちょを慌てて捕まえた。
そして八坂さまとの話をしてくれた。
桜に隠れたまま木の下にいた人の子に話しかけたこと。そして彼は巳弥が妖だと気づかずに話していたこと。
『私は妖だと気づかれるのが怖くなった』
その言葉にドキリとする。
同じだ。妖が視えることを話せない自分たちと。
本当のことをお世話になっている藤原夫妻にさえ話せない現状と。
(怖くなって本当のことが話せない気持ちがよくわかる)
『だから身を隠す桜のない時期はあの並木へ行かなかった。私たちは桜の季節にだけ語らう友となったのだ』
そう巳弥は語る。
その先はどうなるのだろう。
『…そんな春が数度過ぎた頃、ある春ばたりと彼は来なくなった』
次の春も、その次の春も来なくなってしまったという。
そして探し回り、絵の中にいる八坂を見つけたのだという。
絵の中に逃げ込んだ彼を慰めるために共に旅をしていた。
『──いつの日か彼の心が癒えたらきっと絵から出てきてくれるだろう。そしてまた語らうのだ』
そう巳弥は言った。
「確かにこの絵から妖力を感じる。名のある妖が描いたものだな」
巳弥が去った後、ニャンコ先生が言った。
「妖力があるから美結花たちが見つけてしまったのでしょう」
佐貝はそう言った。
「しかしこれはただの絵だ。どんなに待っても出て来やしない。これはただ冬の並木道とそこに立っていた八坂という男の姿が描かれたものだ。その男はもう──」
ニャンコ先生は言葉を切った。
「巳弥はいつまで待ち続けるのだろう……」
「さあね。人と妖の時間は違う。だから──」
絵の中でしか会えないと言わなかったのは佐貝のやさしさなのだろうか。
(何も言えなかったこと後悔しているんだろうか、巳弥は……。私はいつか言えるんだろうか。本当のこと……)
ぼんやりと美結花はそう思った。
