主人公の設定です。人類側とミュウ側のW主人公。
第3章 7.逃げる者、目覚める者
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カリナたちが落ち着く数十分前──。
「ほお……。なかなか素晴らしい格納庫だ」
「本当ね。なかなかない格納庫よ」
「そうだね。地球のものに劣らない」
イレーヌ達は感心した。
「これだけの技術を有し、特殊能力を持ちながらその力に頼りすぎて危機管理能力に欠けている」
「身体が弱いのもあるわ。しかしこの程度で我々と対等に戦おうだなんて笑止」
イレーヌはせせ笑った。
「そうか。それは期待に沿えなくてすまなかったな」
「悪かったわね。期待はずれで」
声が二つ聞こえてキースとイレーヌは立ち止った。
「誰……!?」
ケイトだけはぎょっとしたようにあたりを見回す。
「ソルジャー。ソルジャー・ブルー……。プロテクター。プロテクター・セレーネ……」
フィシスが名前を呟く。
格納庫のすぐそばに銀髪に赤い瞳の美青年と銀髪をショートカットにし、同じく赤い瞳の美女が座り込んでいた。
「フィシス、待たせた」
「お待たせ、フィシス」
「ブルー……、セレーネ……。本当にブルーとセレーネなの?」
フィシスはまだ自分の目が信じられなかった。
十年間眠ったままだった二人は起きて動いているのだから無理もない。
「そこをどいてもらおう」
「じゃないとこいつがどうなってもいいの?」
キースがフィシスを羽交い絞めし、イレーヌがナイフを突きつける。
「嫌だと言ったら?」
「どかなかったらどうなる?」
「この女の命と引き換えに無理やりにでもどいてもらう」
「やれやれ、年寄りと女子供は丁重に扱えと教えられていないか。野蛮な男と女だ」
「野蛮な奴らだ……。そこらへんは教育を受けていないのか」
やれやれと首を横に振って立ち上がり、こちらに向かってくるブルーとセレーネ。
「そのあたりで止まってもらおう」
「止まれ」
イレーヌはフィシスに突きつけるナイフを固く握りしめた。
(フィシス…助ける……)
「駄目! やめて!」
「「‼」」
ブルーとセレーネは驚く。
キースとセレーネに向かって攻撃したのにフィシスによって跳ね返されたのだ。
「何!?」
「フィシス!?」
「今、何をした!? この女を殺したいか!?」
「何をしたの!? どうなってもいいの!?」
キースは首を絞めはじめ、イレーヌはナイフの切っ先を首のあたりに突きつけた。首から少し血が流れる。
(明らかにフィシスが庇った……)
(ああ。あの男と女をフィシスが庇った……)
視線をブルーとセレーネがかわす。
((なぜだ!?))
そこが疑問だった。
《降伏したまえ、地球 の女……》
セレーネがイレーヌの心の中に侵入する。
すると水のイメージが浮かび上がってくる。
(このイメージは……!)
セレーネは驚いた。フィシスが持つイメージと同じだったからだ。
(私の心の中に侵入した……!?)
イレーヌは驚きを隠せない。
あのリリナですら心の中に中々侵入できなかったのだから。
確かに力はリリナの方が強いが、300年の熟練の技には勝てないということだったのだ。
「ふっ。伝説のタイプ・ブルー。貴様がオリジンか……」
「そしてあなたがセカンド・タイプ・ブルー……。オリジンに近いミュウね……」
イレーヌはキースとともにふっと笑った。
「オリジン……? セカンド……?」
ケイトは戸惑いを隠せない。
「あなたはリリナの友人だった子か……」
「リリナを知っているの!?」
ケイトがセレーネにかみつく。
「ええ、だってあの子は私が見出した子。私の後継者だもの」
セレーネは静かに言った。
「あなたがリリナをあんなふうにしたのね!?」
ケイトはセレーネがいなかったら普通に暮らしていたのではと思ってしまい、睨みつける。
「あんなふうとは失礼な。あの子はいずれ目覚めていたわ。ミュウとなったあの子にはここで生きるしか道はない」
「だとしても……!」
ケイトは納得がいかなかった。
「静かにケイト。キース、時間がない。手段を選んでいる暇はない」
ケイトからアリアを受け取ってイレーヌは言った。
「ああ。そうだな。人質を二人返そう。受け取れ!」
そう言ってトオニィとアリアが投げられる。
ブルーとセレーネがキャッチしようと動く。
「ブルー! セレーネ!」
フィシスは悲鳴を上げながら船の中へと連れ去られた。そのあとをケイトとイレーヌが乗り込んでいった。
「「フィシス!」」
二人は船が発進するのをただ見つめるしかできなかった。
「ほお……。なかなか素晴らしい格納庫だ」
「本当ね。なかなかない格納庫よ」
「そうだね。地球のものに劣らない」
イレーヌ達は感心した。
「これだけの技術を有し、特殊能力を持ちながらその力に頼りすぎて危機管理能力に欠けている」
「身体が弱いのもあるわ。しかしこの程度で我々と対等に戦おうだなんて笑止」
イレーヌはせせ笑った。
「そうか。それは期待に沿えなくてすまなかったな」
「悪かったわね。期待はずれで」
声が二つ聞こえてキースとイレーヌは立ち止った。
「誰……!?」
ケイトだけはぎょっとしたようにあたりを見回す。
「ソルジャー。ソルジャー・ブルー……。プロテクター。プロテクター・セレーネ……」
フィシスが名前を呟く。
格納庫のすぐそばに銀髪に赤い瞳の美青年と銀髪をショートカットにし、同じく赤い瞳の美女が座り込んでいた。
「フィシス、待たせた」
「お待たせ、フィシス」
「ブルー……、セレーネ……。本当にブルーとセレーネなの?」
フィシスはまだ自分の目が信じられなかった。
十年間眠ったままだった二人は起きて動いているのだから無理もない。
「そこをどいてもらおう」
「じゃないとこいつがどうなってもいいの?」
キースがフィシスを羽交い絞めし、イレーヌがナイフを突きつける。
「嫌だと言ったら?」
「どかなかったらどうなる?」
「この女の命と引き換えに無理やりにでもどいてもらう」
「やれやれ、年寄りと女子供は丁重に扱えと教えられていないか。野蛮な男と女だ」
「野蛮な奴らだ……。そこらへんは教育を受けていないのか」
やれやれと首を横に振って立ち上がり、こちらに向かってくるブルーとセレーネ。
「そのあたりで止まってもらおう」
「止まれ」
イレーヌはフィシスに突きつけるナイフを固く握りしめた。
(フィシス…助ける……)
「駄目! やめて!」
「「‼」」
ブルーとセレーネは驚く。
キースとセレーネに向かって攻撃したのにフィシスによって跳ね返されたのだ。
「何!?」
「フィシス!?」
「今、何をした!? この女を殺したいか!?」
「何をしたの!? どうなってもいいの!?」
キースは首を絞めはじめ、イレーヌはナイフの切っ先を首のあたりに突きつけた。首から少し血が流れる。
(明らかにフィシスが庇った……)
(ああ。あの男と女をフィシスが庇った……)
視線をブルーとセレーネがかわす。
((なぜだ!?))
そこが疑問だった。
《降伏したまえ、
セレーネがイレーヌの心の中に侵入する。
すると水のイメージが浮かび上がってくる。
(このイメージは……!)
セレーネは驚いた。フィシスが持つイメージと同じだったからだ。
(私の心の中に侵入した……!?)
イレーヌは驚きを隠せない。
あのリリナですら心の中に中々侵入できなかったのだから。
確かに力はリリナの方が強いが、300年の熟練の技には勝てないということだったのだ。
「ふっ。伝説のタイプ・ブルー。貴様がオリジンか……」
「そしてあなたがセカンド・タイプ・ブルー……。オリジンに近いミュウね……」
イレーヌはキースとともにふっと笑った。
「オリジン……? セカンド……?」
ケイトは戸惑いを隠せない。
「あなたはリリナの友人だった子か……」
「リリナを知っているの!?」
ケイトがセレーネにかみつく。
「ええ、だってあの子は私が見出した子。私の後継者だもの」
セレーネは静かに言った。
「あなたがリリナをあんなふうにしたのね!?」
ケイトはセレーネがいなかったら普通に暮らしていたのではと思ってしまい、睨みつける。
「あんなふうとは失礼な。あの子はいずれ目覚めていたわ。ミュウとなったあの子にはここで生きるしか道はない」
「だとしても……!」
ケイトは納得がいかなかった。
「静かにケイト。キース、時間がない。手段を選んでいる暇はない」
ケイトからアリアを受け取ってイレーヌは言った。
「ああ。そうだな。人質を二人返そう。受け取れ!」
そう言ってトオニィとアリアが投げられる。
ブルーとセレーネがキャッチしようと動く。
「ブルー! セレーネ!」
フィシスは悲鳴を上げながら船の中へと連れ去られた。そのあとをケイトとイレーヌが乗り込んでいった。
「「フィシス!」」
二人は船が発進するのをただ見つめるしかできなかった。
