「トオニィ！　トオニィ！　トオニィ！」
「アリア！　アリア！　アリア！」
現場は半狂乱だった。
《カリナ！　うわあ！》
「カリナ、落ち着いてくれ！」
「ミリア！　お願いだ！」
三人で説得しようとするも子供が死んだと思ったカリナとミリアは訊こうとはしない。
「落ち着いて！　カリナ！　ミリア！」
前に回って落ち着かせようとする。
「いやあああ！」
「いやあ！」
風圧で吹き飛ばされそうになる。
「トオニィとアリアは生きているの！　仮死状態だけど生きているの！　親なら感じるでしょ!?」
叫ぶ。
「トオニィが生きている……？」
「アリアが生きている……？」
血涙を流した顔をこちらに向けてくる。
「うん、生きているの！　でもこのままだと危険なの！　だから落ち着いて！」
《そうだ！　落ち着け！　トオニィやアリアと再会したいんだろ！　暴走を収めてくれ！》
二人で説得する。
「生きている……」
「生きてる……」
徐々にサイオンが落ち着いている。
「トオニィ……」
「アリア……」
そして完全に収まると気絶した。
「カリナ！」
「ミリア！」
慌ててユウイとユアルが支える。
「ふう……」
《落ち着いたか……》
ジョミーもほっとした。
「あ！　そうだ。兄さん」
ユウイとユアルにいそうで医療セクション経向かうように言うとリリナはジョミーに話しかけた。
《なんだ？》
「フィシスがあの男と女に連れていかれたの！　急いで追いかけないと！」
《なんだって!?》
ジョミーが驚く。
「セレーネから連絡があったのよ。急いで！」
《分かった！　先に行っていてくれ！　後で追いつく！》
「了解！」
思念体が消えるのを見届けるとリリナは息を吐いた。
「次から次へと……。でも頑張らなきゃね……！」
頬を叩いて気合を入れる。
「よし！」
船外へテレポートし、宇宙船へと向かって高速で飛んでいった。