エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 目覚めへの始まり
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五日後の満月の日─。
「エドガーさま。間違いないようです。夜になると光る輪が現れるようです」
「消しても消しても現れるのは間違いありません」
レイヴンとクロウが報告する。
「ご苦労だった。話は本当だとわかっただけだけど……。今日は満月。行ってみるかい?」
「ええ、行くわよ」
キャロラインは頷く。
「ところでリディアも行くの? 彼女のお父さまには許可は?」
「もちろんとったよ。責任をもって彼女を家に帰しますと言ったら許可をもらえたよ。だけどなんだか兄上の方が慌てていたような気がするね」
エドガーは自信満々に言うが、キャロラインは慌てていたという言葉に内心納得した。
(未婚の令嬢が男性と夜に出かける。普通は慌てるわよね。それでも送り出したっていうのは信頼されているんだかお兄さまが丸め込んだのか……)
そう考えていると同じく呆れたような視線をエドガーに向けているミスティアとクリスティナを見てしまう。
同じことを考えているのを悟ったキャロラインは仲間を見つけたような気がした。
(やっぱりお兄さまにはあきれるわよね……)
ため息をついてしまうキャロラインだった。
兄にあきれた一幕はあったもののキャロラインは兄やリディア、ミスティアとクリスティナと共にテムズ川の近くのローデン家酒蔵にやってきていた。
「ここです」
クロウが灯りをもって指し示す。
「何もないじゃないか」
エドガーが言った。
扉にはまだ何も輪がなかったのだ。
「月の光が差し込むと同時に輪が描かれるようです」
レイヴンが説明する。
「と言う事はこれからってこと? 兄さん」
黙っていたシエルが訊く。
クロウは黙ってうなずいた。
「月の光ねえ……」
空を見上げるとあいにく曇りだった。
「もうすぐ光が差し込むんじゃないかしら」
ミスティアはそう言って同じく空を見上げる。
その言葉通りしばらくすると月の光が差し込み、輪が扉に現れる。
「これがフェアリーリング……」
リディアがつぶやく。
「どうやって中に入るのかしら?」
キャロラインはリディアを見た。
「輪の中に手を入れればいいんじゃないかしら」
「なるほど…」
ミスティアは頷くと扉に手を入れた。
すると足元が光りだし、輪が現れる。
「うわっ!」
思わずレディらしくない声を上げてしまう。なぜならどこかに引っ張られる感覚がしたからだ。
目の前が真っ白になって何も見えなくなった。
次の瞬間、道路にいたキャロラインたちはその場から消えてしまったのだった。
「エドガーさま。間違いないようです。夜になると光る輪が現れるようです」
「消しても消しても現れるのは間違いありません」
レイヴンとクロウが報告する。
「ご苦労だった。話は本当だとわかっただけだけど……。今日は満月。行ってみるかい?」
「ええ、行くわよ」
キャロラインは頷く。
「ところでリディアも行くの? 彼女のお父さまには許可は?」
「もちろんとったよ。責任をもって彼女を家に帰しますと言ったら許可をもらえたよ。だけどなんだか兄上の方が慌てていたような気がするね」
エドガーは自信満々に言うが、キャロラインは慌てていたという言葉に内心納得した。
(未婚の令嬢が男性と夜に出かける。普通は慌てるわよね。それでも送り出したっていうのは信頼されているんだかお兄さまが丸め込んだのか……)
そう考えていると同じく呆れたような視線をエドガーに向けているミスティアとクリスティナを見てしまう。
同じことを考えているのを悟ったキャロラインは仲間を見つけたような気がした。
(やっぱりお兄さまにはあきれるわよね……)
ため息をついてしまうキャロラインだった。
兄にあきれた一幕はあったもののキャロラインは兄やリディア、ミスティアとクリスティナと共にテムズ川の近くのローデン家酒蔵にやってきていた。
「ここです」
クロウが灯りをもって指し示す。
「何もないじゃないか」
エドガーが言った。
扉にはまだ何も輪がなかったのだ。
「月の光が差し込むと同時に輪が描かれるようです」
レイヴンが説明する。
「と言う事はこれからってこと? 兄さん」
黙っていたシエルが訊く。
クロウは黙ってうなずいた。
「月の光ねえ……」
空を見上げるとあいにく曇りだった。
「もうすぐ光が差し込むんじゃないかしら」
ミスティアはそう言って同じく空を見上げる。
その言葉通りしばらくすると月の光が差し込み、輪が扉に現れる。
「これがフェアリーリング……」
リディアがつぶやく。
「どうやって中に入るのかしら?」
キャロラインはリディアを見た。
「輪の中に手を入れればいいんじゃないかしら」
「なるほど…」
ミスティアは頷くと扉に手を入れた。
すると足元が光りだし、輪が現れる。
「うわっ!」
思わずレディらしくない声を上げてしまう。なぜならどこかに引っ張られる感覚がしたからだ。
目の前が真っ白になって何も見えなくなった。
次の瞬間、道路にいたキャロラインたちはその場から消えてしまったのだった。