エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 甘い罠に気を付けて
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「なんとか二人が助かる方法はないのかしら……」
エドガーとリディアが呑み込まれていった霧を見ながらキャロラインは呟いた。
「大丈夫よ」
誰かが声をかけてくれた。
「え……?」
振り返るとそこには深緑の瞳を持つ金髪の女性と青色の瞳を持つ金髪の女性がいた。二人はそっくりだった。
「あなたは……?」
「今は名のれないの」
「でも今度会うときに名のるわ」
女性たちは交互に言った。
「さっき大丈夫って言ったわね。それってどういう意味?」
「それは二人は無事だってこと。そしてそこから必ず脱出してくれるってこと」
深緑の瞳の女性が言った。
「二人が?」
「ええ。たった一人の兄なんでしょ。信じなきゃ」
青い瞳の女性が言った。
「信じる……」
「信じることが助けになるわ。それにあなたはグラン・フォルスの力の持ち主でもある」
「力を持つ者の祈りは助けになる」
そう言って女性たちは踵を返した。
「ま、待って!」
キャロラインは引き止めようとした。
なぜ、グラン・フォルスの力の持ち主だってことを知っているのか。いろいろ聞きたいことがあった。
しかし、次の瞬間女性は空間の裂け目を作ってそこに飛び込んでいった。
「また会いましょう。キャロライン」
「必ず会えるわ。キャロライン」
飛び込む瞬間その言葉を残して。
「彼女たちは何なの……?」
キャロラインは呆然としていたがこうしている場合ではないと思ったのか霧に注意を向けた。
(お兄さま……!リディア……!無事に帰ってきて……!)
キャロラインは気づかなかったが願っているキャロラインの身体は光っていたのだった。
やがて銃声が聞こえた。
それと共に突風が吹いた。
エドガーとリディアを包んでいた黒い霧も吹き飛んだ。
黒い霧も抵抗しようとするが吹き飛ばされていく。
「そうか……!風は霧に強いんだ……!」
キャロラインは感心した。
風に触れれば霧は散じてしまうしかないからだ。
グレアムたちの悲鳴が聞こえる。霧はグレアムたちを飲み込んでしまったらしい。
キャロラインは霧からロザリーとドーリスを遠ざけようとニコの誘導する方へ二人を連れて行った。
空を見上げると倉庫の天井はすでに突き破られていた。
風は霧を巻き上げながらさらに上空へと駆け上る。
ふとキャロラインは笑い声を聞いた。
空気みたいに透き通っていて、空色の羽を持つ妖精らしきものが見えた。
「シルフ……」
リディアが呟いた。
あれはシルフというらしい。
だが、不思議だ。キャロラインは妖精など一度も見えたことないのになぜ今は見えるのだろう。
だがそれは置いておくことにする。兄とリディアが無事に戻ってきてくれただけでうれしいからだ。
キャロラインは兄がリディアの額にキスをするのを見ながらそう思ったのだった。
エドガーとリディアが呑み込まれていった霧を見ながらキャロラインは呟いた。
「大丈夫よ」
誰かが声をかけてくれた。
「え……?」
振り返るとそこには深緑の瞳を持つ金髪の女性と青色の瞳を持つ金髪の女性がいた。二人はそっくりだった。
「あなたは……?」
「今は名のれないの」
「でも今度会うときに名のるわ」
女性たちは交互に言った。
「さっき大丈夫って言ったわね。それってどういう意味?」
「それは二人は無事だってこと。そしてそこから必ず脱出してくれるってこと」
深緑の瞳の女性が言った。
「二人が?」
「ええ。たった一人の兄なんでしょ。信じなきゃ」
青い瞳の女性が言った。
「信じる……」
「信じることが助けになるわ。それにあなたはグラン・フォルスの力の持ち主でもある」
「力を持つ者の祈りは助けになる」
そう言って女性たちは踵を返した。
「ま、待って!」
キャロラインは引き止めようとした。
なぜ、グラン・フォルスの力の持ち主だってことを知っているのか。いろいろ聞きたいことがあった。
しかし、次の瞬間女性は空間の裂け目を作ってそこに飛び込んでいった。
「また会いましょう。キャロライン」
「必ず会えるわ。キャロライン」
飛び込む瞬間その言葉を残して。
「彼女たちは何なの……?」
キャロラインは呆然としていたがこうしている場合ではないと思ったのか霧に注意を向けた。
(お兄さま……!リディア……!無事に帰ってきて……!)
キャロラインは気づかなかったが願っているキャロラインの身体は光っていたのだった。
やがて銃声が聞こえた。
それと共に突風が吹いた。
エドガーとリディアを包んでいた黒い霧も吹き飛んだ。
黒い霧も抵抗しようとするが吹き飛ばされていく。
「そうか……!風は霧に強いんだ……!」
キャロラインは感心した。
風に触れれば霧は散じてしまうしかないからだ。
グレアムたちの悲鳴が聞こえる。霧はグレアムたちを飲み込んでしまったらしい。
キャロラインは霧からロザリーとドーリスを遠ざけようとニコの誘導する方へ二人を連れて行った。
空を見上げると倉庫の天井はすでに突き破られていた。
風は霧を巻き上げながらさらに上空へと駆け上る。
ふとキャロラインは笑い声を聞いた。
空気みたいに透き通っていて、空色の羽を持つ妖精らしきものが見えた。
「シルフ……」
リディアが呟いた。
あれはシルフというらしい。
だが、不思議だ。キャロラインは妖精など一度も見えたことないのになぜ今は見えるのだろう。
だがそれは置いておくことにする。兄とリディアが無事に戻ってきてくれただけでうれしいからだ。
キャロラインは兄がリディアの額にキスをするのを見ながらそう思ったのだった。