エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 甘い罠に気を付けて
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突き当りの荷の奥にはレイヴンが言っていたとおりドアがあった。
「ここか。鍵がかかってるね」
エドガーはピンを取り出して鍵を開けた。それで話を打ち切ったようだ。
中はクローゼットのような狭い場所だった。
「ドーリスさん、しっかりして」
リディアが押し込められていたドーリスを起こそうとしていた。
「薬で眠らせられているんだわ」
キャロラインは言った。起きていると都合が悪かったのだろう。
「そのようだね。僕が運ぼう」
「おい、リディア、大変だ!」
そこへニコが慌てた様子でやって来た。
「ニコ!どこへ行ってたのよ」
「いいから早く逃げろ。厄介なことになるぞ」
リディアの足もとでニコがまくしたてる。
「分かってるわ。グレアムの仲間たちが近づいてきているんでしょ」
「はあ?そんな連中よりもっと厄介なものだよ!ボギービーストが戻ってきやがった。でもって奴のご主人様と一緒にロザリーを操って、伯爵を殺そうとしているぞ!」
殺そうとしている?話が穏やかでない。
「エドガー、忘れてたわ!霧男(フォグマン)があなたを狙ってるの!」
「フォグマン?」
ドーリスの側に屈みこんだエドガーが怪訝そうな顔で訊いた。
「そんなものに恨まれる覚えはないけど」
「そうよ。どうしてお兄さまがフォグマンに狙われるの?」
兄は妖精に対して何もしていないはずだ。
「おいリディア、あれは霧男なのかよ!」
ニコが慌てふためく。
「ボギービーストが言ってたもの。ねえニコ、霧男の弱点知らない?」
「あんな魔物みたいなのに弱点なんか、あったとしてもおれたちにどうにかできるもんじゃないだろう?そういや、あれにも敵がいるみたいだったけど、葉っぱと閉じこめたとかなんとか、ボギーの奴が言ってたっけな」
「敵って何?葉っぱって?」
「知らねえよ。いや待てよ、似たような話をどっかで……」
「だからリディア、どうして僕が狙われるんだ?」
「何か理由でもあるの?」
キャロラインとエドガーは混乱した。
「ええと、つまり、霧男は青騎士伯爵を怨んでるのよ。伯爵家の先祖に、“妖精の卵”の中に封じ込められたのよ。あなたが青騎士伯爵の名を継いだから、あなたを喰らってよみがえろうとしてるの」
「ちょっと待って、“妖精の卵”の中に霧男が?」
「あなた、古い家系の貴族でしょ?だからあなたの家にあったときは、その血筋のおかげで、瑪瑙の中の霧男はわずかにも外と接触できなかったの。でもロザリーの手に渡って、封じる力が弱まったから、ボギービーストを呼んで、復活のために何年も、青騎士伯爵を探してたんだと思う」
「……で、僕がロザリーと会ったことで」
「ええ。青騎士伯爵としてのあなたが現れたのを知って、ねらってた」
なるほど。筋は通ってる。
でも何百年も前の怨みを背負わなきゃいけないなんて大変だ。それにこっちは知識がない。襲われたらどうすればいいんだろう。
「なら、霧男に襲われたらどうすればいいんだ?」
エドガーが訊いた。
だがリディアにもわからないらしい。
「チッ、世話の焼ける。青騎士伯爵なら、霧男と互角に戦えるってもんだろうよ」
ニコが不満げに呟いた。
「だってエドガーは本物じゃないもの。そんな力がどこにあるのよ」
「本物じゃなくても襲われるのかな。僕を喰らっても、霧男は復活出来ないんじゃないのか?」
「それは、向こうだって存在がかかってるんだから、とにかく喰らってみるでしょ」
「なるほど」
「なるほど」
エドガーとキャロラインはリディアの意見に頷いた。
「それに、青騎士伯爵の力というより、名を継いでいる人物ってだけで価値があるかもしれないし」
「それにしても弱点がわからないとどうしようもないわ……」
キャロラインが呟いた時だったニコがあ!と急に声をあげた。
「ローズマリーだ、リディア!」
「なんのこと?」
「だから、ローズマリーの葉っぱが……ああ、なんてこった」
「……どういうこと?」
キャロラインには訳が分からなかった。
「とにかく、僕たちの問題はそれだけじゃなさそうだ」
エドガーの言葉にキャロラインは気づいた。足音が近づいてきている。
「ここか。鍵がかかってるね」
エドガーはピンを取り出して鍵を開けた。それで話を打ち切ったようだ。
中はクローゼットのような狭い場所だった。
「ドーリスさん、しっかりして」
リディアが押し込められていたドーリスを起こそうとしていた。
「薬で眠らせられているんだわ」
キャロラインは言った。起きていると都合が悪かったのだろう。
「そのようだね。僕が運ぼう」
「おい、リディア、大変だ!」
そこへニコが慌てた様子でやって来た。
「ニコ!どこへ行ってたのよ」
「いいから早く逃げろ。厄介なことになるぞ」
リディアの足もとでニコがまくしたてる。
「分かってるわ。グレアムの仲間たちが近づいてきているんでしょ」
「はあ?そんな連中よりもっと厄介なものだよ!ボギービーストが戻ってきやがった。でもって奴のご主人様と一緒にロザリーを操って、伯爵を殺そうとしているぞ!」
殺そうとしている?話が穏やかでない。
「エドガー、忘れてたわ!霧男(フォグマン)があなたを狙ってるの!」
「フォグマン?」
ドーリスの側に屈みこんだエドガーが怪訝そうな顔で訊いた。
「そんなものに恨まれる覚えはないけど」
「そうよ。どうしてお兄さまがフォグマンに狙われるの?」
兄は妖精に対して何もしていないはずだ。
「おいリディア、あれは霧男なのかよ!」
ニコが慌てふためく。
「ボギービーストが言ってたもの。ねえニコ、霧男の弱点知らない?」
「あんな魔物みたいなのに弱点なんか、あったとしてもおれたちにどうにかできるもんじゃないだろう?そういや、あれにも敵がいるみたいだったけど、葉っぱと閉じこめたとかなんとか、ボギーの奴が言ってたっけな」
「敵って何?葉っぱって?」
「知らねえよ。いや待てよ、似たような話をどっかで……」
「だからリディア、どうして僕が狙われるんだ?」
「何か理由でもあるの?」
キャロラインとエドガーは混乱した。
「ええと、つまり、霧男は青騎士伯爵を怨んでるのよ。伯爵家の先祖に、“妖精の卵”の中に封じ込められたのよ。あなたが青騎士伯爵の名を継いだから、あなたを喰らってよみがえろうとしてるの」
「ちょっと待って、“妖精の卵”の中に霧男が?」
「あなた、古い家系の貴族でしょ?だからあなたの家にあったときは、その血筋のおかげで、瑪瑙の中の霧男はわずかにも外と接触できなかったの。でもロザリーの手に渡って、封じる力が弱まったから、ボギービーストを呼んで、復活のために何年も、青騎士伯爵を探してたんだと思う」
「……で、僕がロザリーと会ったことで」
「ええ。青騎士伯爵としてのあなたが現れたのを知って、ねらってた」
なるほど。筋は通ってる。
でも何百年も前の怨みを背負わなきゃいけないなんて大変だ。それにこっちは知識がない。襲われたらどうすればいいんだろう。
「なら、霧男に襲われたらどうすればいいんだ?」
エドガーが訊いた。
だがリディアにもわからないらしい。
「チッ、世話の焼ける。青騎士伯爵なら、霧男と互角に戦えるってもんだろうよ」
ニコが不満げに呟いた。
「だってエドガーは本物じゃないもの。そんな力がどこにあるのよ」
「本物じゃなくても襲われるのかな。僕を喰らっても、霧男は復活出来ないんじゃないのか?」
「それは、向こうだって存在がかかってるんだから、とにかく喰らってみるでしょ」
「なるほど」
「なるほど」
エドガーとキャロラインはリディアの意見に頷いた。
「それに、青騎士伯爵の力というより、名を継いでいる人物ってだけで価値があるかもしれないし」
「それにしても弱点がわからないとどうしようもないわ……」
キャロラインが呟いた時だったニコがあ!と急に声をあげた。
「ローズマリーだ、リディア!」
「なんのこと?」
「だから、ローズマリーの葉っぱが……ああ、なんてこった」
「……どういうこと?」
キャロラインには訳が分からなかった。
「とにかく、僕たちの問題はそれだけじゃなさそうだ」
エドガーの言葉にキャロラインは気づいた。足音が近づいてきている。