エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 甘い罠に気を付けて
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キャロラインたちはクリモーンガーデンズについた。もの珍しいものばっかりだ。キャロラインはあたりを見回した。
「そこだよ、妖精のショーが見られるって触れ込みだ」
ピンク色をした小屋をエドガーは指した。
人ごみから中を覗けばステージ上で男性がカードや花を宙に浮かせていた。
「手品じゃないの」
「目に見えない妖精が、カードを持って飛び交ってるつもりなんじゃないか?」
「妖精なんていないわよ」
「フェアリードクターが言うんだから、そうなんだろうな」
たしかにリディアが言うなら間違いないだろう。
やがて妖精卵の販売が始まった。色とりどりのガラス玉が“妖精卵”だという。
エドガーが一つ買ってきてリディアに渡した。
「どう?中身は」
「何も入ってなさそう」
「あの手品師は、ここと契約している芸人のひとりだ。しょっちゅう扮装と名前を変えて、いろんな企画を催しているけど、とくに不審な点はないね」
「少なくとも、このガラス玉には妖精を惹きつけるようなものは何もないわ。ほら、色が濁ってて美しいガラスじゃないし、中はまるきり空洞でしょ?何か妖精の好きなものが入ってたら別だけど、これだったらまだ、きれいな井戸水をガラスの器に入れておいた方が、妖精を呼べるわよ」
「とすると、ドーリス嬢がいなくなった原因を、妖精のせいにするのは無理があるか」
「確かに無理があるかも……」
「そうね……。でも妖精のせいじゃないと判断するには、もう少し調べてみたいわ」
そう言ってガラス玉をリディアはエドガーに帰した。
そのとき小屋の中ほどでガラスの割れる音がして女性の悲鳴が聞こえた。妖精卵を誰かが割ってしまったらしい。
すると連鎖したように周囲でいくつかガラス玉が割れた。
周囲が騒然となった。
「ああ、お嬢さん方、妖精の扱いにはお気をつけ下さいよ。くれぐれも、手荒く扱ったり悪口を言ったりなさらないよう。怒って卵を破裂させることがありますのでね」
「……いい加減なことを」
リディアがつぶやいた。
「体温で膨張するガスでも入っているのかも。破裂させたのはサクラだろうと思うけど、人ごみで破片をとばすなんてあぶないな」
「本当に。けが人も出てたし危ないことするわよね」
キャロラインはそう呟いた。
「エドガー、それ捨てて!」
リディアがいきなりそう言った。
「え?」
「は?」
エドガーとキャロラインは訳が分からなかった。
それにかまわずリディアは妖精卵をエドガーの手からもぎ取ると小屋の外へと放り投げた。するとガラス玉が破裂した。
リディアはさっさとエドガーを引っ張ると小屋を出て行った。
「ボギービーストがいたの」
「ボギー……、聞いたことはあるけど、どんな妖精だっけ?」
「意地悪なやつよ。性格は小悪魔。そんなに利口じゃないけど、悪い妖精(アンシーリーコート)の一種だわ」
「そいつがいたのね……」
「ええ」
リディアは頷いた。
「そいつが、さっきから小屋の中で妖精卵を割ってたのか?」
「さあ、手品師が慌ててなかったから、サクラが割ったのもあるんでしょうけど、ボギービーストが便乗してたのは確かだわ」
「そう……。怪我を?」
キャロラインはリディアが怪我をしているのに気が付いた。エドガーも気が付いたらしい。
「本当だ。怪我を?」
「大丈夫よ。このくらい、舐めておけば治るわ」
リディアはそう言って手を慌てて引っ込めた。
「どうして逃げるんだ?」
「なんだかあたし、だんだんあなたの考えそうなことが分かってきたみたい」
「傷を治してあげようと思ったのに」
「結構です!」
リディアは早足で歩き始めた。
エドガーはそんなリディアにボートに乗ろうといった。
リディアは了承し三人は湖に向かって歩き始めた。
「そこだよ、妖精のショーが見られるって触れ込みだ」
ピンク色をした小屋をエドガーは指した。
人ごみから中を覗けばステージ上で男性がカードや花を宙に浮かせていた。
「手品じゃないの」
「目に見えない妖精が、カードを持って飛び交ってるつもりなんじゃないか?」
「妖精なんていないわよ」
「フェアリードクターが言うんだから、そうなんだろうな」
たしかにリディアが言うなら間違いないだろう。
やがて妖精卵の販売が始まった。色とりどりのガラス玉が“妖精卵”だという。
エドガーが一つ買ってきてリディアに渡した。
「どう?中身は」
「何も入ってなさそう」
「あの手品師は、ここと契約している芸人のひとりだ。しょっちゅう扮装と名前を変えて、いろんな企画を催しているけど、とくに不審な点はないね」
「少なくとも、このガラス玉には妖精を惹きつけるようなものは何もないわ。ほら、色が濁ってて美しいガラスじゃないし、中はまるきり空洞でしょ?何か妖精の好きなものが入ってたら別だけど、これだったらまだ、きれいな井戸水をガラスの器に入れておいた方が、妖精を呼べるわよ」
「とすると、ドーリス嬢がいなくなった原因を、妖精のせいにするのは無理があるか」
「確かに無理があるかも……」
「そうね……。でも妖精のせいじゃないと判断するには、もう少し調べてみたいわ」
そう言ってガラス玉をリディアはエドガーに帰した。
そのとき小屋の中ほどでガラスの割れる音がして女性の悲鳴が聞こえた。妖精卵を誰かが割ってしまったらしい。
すると連鎖したように周囲でいくつかガラス玉が割れた。
周囲が騒然となった。
「ああ、お嬢さん方、妖精の扱いにはお気をつけ下さいよ。くれぐれも、手荒く扱ったり悪口を言ったりなさらないよう。怒って卵を破裂させることがありますのでね」
「……いい加減なことを」
リディアがつぶやいた。
「体温で膨張するガスでも入っているのかも。破裂させたのはサクラだろうと思うけど、人ごみで破片をとばすなんてあぶないな」
「本当に。けが人も出てたし危ないことするわよね」
キャロラインはそう呟いた。
「エドガー、それ捨てて!」
リディアがいきなりそう言った。
「え?」
「は?」
エドガーとキャロラインは訳が分からなかった。
それにかまわずリディアは妖精卵をエドガーの手からもぎ取ると小屋の外へと放り投げた。するとガラス玉が破裂した。
リディアはさっさとエドガーを引っ張ると小屋を出て行った。
「ボギービーストがいたの」
「ボギー……、聞いたことはあるけど、どんな妖精だっけ?」
「意地悪なやつよ。性格は小悪魔。そんなに利口じゃないけど、悪い妖精(アンシーリーコート)の一種だわ」
「そいつがいたのね……」
「ええ」
リディアは頷いた。
「そいつが、さっきから小屋の中で妖精卵を割ってたのか?」
「さあ、手品師が慌ててなかったから、サクラが割ったのもあるんでしょうけど、ボギービーストが便乗してたのは確かだわ」
「そう……。怪我を?」
キャロラインはリディアが怪我をしているのに気が付いた。エドガーも気が付いたらしい。
「本当だ。怪我を?」
「大丈夫よ。このくらい、舐めておけば治るわ」
リディアはそう言って手を慌てて引っ込めた。
「どうして逃げるんだ?」
「なんだかあたし、だんだんあなたの考えそうなことが分かってきたみたい」
「傷を治してあげようと思ったのに」
「結構です!」
リディアは早足で歩き始めた。
エドガーはそんなリディアにボートに乗ろうといった。
リディアは了承し三人は湖に向かって歩き始めた。