エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 あいつは優雅な大悪党
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丘の上の頂上のヒトデの門をくぐれば、レース状に連なったクラゲのカーテンに迎えられた。
その向こうからメロウがひとり現れた。
青騎士伯爵の城で出会ったメロウだ。
少女はリディアとエドガーを交互に眺めて、困ったようにため息をついた。
「フェアリードクター、いったいどういうおつもりですか」
「責任者はあなたなの?」
リディアが訊いた。
「わたしの父です」
「会わせてほしいの」
「……こちらへどうぞ」
部屋の中に案内される。
真珠貝で飾られた柱のある部屋にそのメロウはいた。
リディアはそのメロウをみるとお辞儀をした。
「フェアリードクターのリディア・カールトンです」
「何用か」
「”メロウの星”を受け取りに来ました」
そう言ってリディアは宝剣のサファイアを示した。
「それは伯爵が持っている。本物の伯爵が戻ってこない限り、サファイアに星は入れられないと聞いただろう」
「そこをなんとかしてほしいんです。このサファイアが”メロウの星”というからには、もともと星を入れたのはあなた方ではないのですか?」
「そうだ。国王と青騎士卿との絆をあかすしるしとして、卿の従者だった我らの先祖が、ふたりの目の前で入れた星だ。だからといって、また星を入れろと言うのか?それはできない。伯爵はいないのだ」
「彼が伯爵です。金と銀の鍵を手に入れ、謎を解いて宝剣の隠し場所までやってきました。あなた方は、かつて伯爵と交わした約束通りの条件を満たすものを、新たな伯爵として認めるつもりだったはずです」
「だが、最後の条件を満たしていない。宝剣によって血を流した」
問題はそこだった。
キャロラインはリディアはそこをどうクリアするつもりなんだろうと思った。
その後もリディアはメロウと交渉していく。
しかし、
「よかろう。星はやる。ただしそなたとひきかえだ。フェアリードクターの魂は、ただの人間より価値がある」
メロウにとって重要なのは伯爵との約束というわけだ。星を与えることができないからリディアの魂とひきかえにするつもりだ。
リディアの足元が沈み始めている。
「待ってくれ」
キャロラインは前に進み始めたエドガーを驚きの目でみた。
何をするつもりなのか。
「きみたちが結んだ契約の、本当の意味は、伯爵の後継者が持つ星を受け取って、サファイアに刻むことなんだよね。なら、僕の星とひきかえてくれればいい」
「あ……あなた星なんかもっていないじゃない」
リディアは焦っているようだ。
「まさか……」
キャロラインはエドガーの言う”星”がなんだか分かった。
「うん、そうだよ。僕は持ってるよ、ここに」
おどけたようにエドガーは舌を出した。プリンスに刻まれたクロスの焼き印だ。キャロラインも背中のあたりに刻まれている、あれだ。
「青騎士伯爵の星じゃないけれど、ようは約束を破れないというメンツの問題なんだろう。なら、形式さえ整っていればいいじゃないか。これなら解釈を変える必要もなく、君たちは約束を言葉通りに実行するだけだ。
「おもしろいことを言う」
「最初にリディアが言ったように、きみたちがこの島に暮らす権利を守る。むろん、きみたちが僕を認めてくれるならば」
メロウが迷ったのは一瞬だった。
「四方星 か。まあよかろう、スターサファイアは六方星 であるはずだが、”メロウの星”がそうだと決まっているわけではないからな」
波のうねりがキャロラインたちを取り巻く。
「新しい青騎士伯爵、メロウがあなたの民となったことを、お忘れなさるな」
やがて大きな波が来てキャロラインたちはそれに飲み込まれていった。
その向こうからメロウがひとり現れた。
青騎士伯爵の城で出会ったメロウだ。
少女はリディアとエドガーを交互に眺めて、困ったようにため息をついた。
「フェアリードクター、いったいどういうおつもりですか」
「責任者はあなたなの?」
リディアが訊いた。
「わたしの父です」
「会わせてほしいの」
「……こちらへどうぞ」
部屋の中に案内される。
真珠貝で飾られた柱のある部屋にそのメロウはいた。
リディアはそのメロウをみるとお辞儀をした。
「フェアリードクターのリディア・カールトンです」
「何用か」
「”メロウの星”を受け取りに来ました」
そう言ってリディアは宝剣のサファイアを示した。
「それは伯爵が持っている。本物の伯爵が戻ってこない限り、サファイアに星は入れられないと聞いただろう」
「そこをなんとかしてほしいんです。このサファイアが”メロウの星”というからには、もともと星を入れたのはあなた方ではないのですか?」
「そうだ。国王と青騎士卿との絆をあかすしるしとして、卿の従者だった我らの先祖が、ふたりの目の前で入れた星だ。だからといって、また星を入れろと言うのか?それはできない。伯爵はいないのだ」
「彼が伯爵です。金と銀の鍵を手に入れ、謎を解いて宝剣の隠し場所までやってきました。あなた方は、かつて伯爵と交わした約束通りの条件を満たすものを、新たな伯爵として認めるつもりだったはずです」
「だが、最後の条件を満たしていない。宝剣によって血を流した」
問題はそこだった。
キャロラインはリディアはそこをどうクリアするつもりなんだろうと思った。
その後もリディアはメロウと交渉していく。
しかし、
「よかろう。星はやる。ただしそなたとひきかえだ。フェアリードクターの魂は、ただの人間より価値がある」
メロウにとって重要なのは伯爵との約束というわけだ。星を与えることができないからリディアの魂とひきかえにするつもりだ。
リディアの足元が沈み始めている。
「待ってくれ」
キャロラインは前に進み始めたエドガーを驚きの目でみた。
何をするつもりなのか。
「きみたちが結んだ契約の、本当の意味は、伯爵の後継者が持つ星を受け取って、サファイアに刻むことなんだよね。なら、僕の星とひきかえてくれればいい」
「あ……あなた星なんかもっていないじゃない」
リディアは焦っているようだ。
「まさか……」
キャロラインはエドガーの言う”星”がなんだか分かった。
「うん、そうだよ。僕は持ってるよ、ここに」
おどけたようにエドガーは舌を出した。プリンスに刻まれたクロスの焼き印だ。キャロラインも背中のあたりに刻まれている、あれだ。
「青騎士伯爵の星じゃないけれど、ようは約束を破れないというメンツの問題なんだろう。なら、形式さえ整っていればいいじゃないか。これなら解釈を変える必要もなく、君たちは約束を言葉通りに実行するだけだ。
「おもしろいことを言う」
「最初にリディアが言ったように、きみたちがこの島に暮らす権利を守る。むろん、きみたちが僕を認めてくれるならば」
メロウが迷ったのは一瞬だった。
「
波のうねりがキャロラインたちを取り巻く。
「新しい青騎士伯爵、メロウがあなたの民となったことを、お忘れなさるな」
やがて大きな波が来てキャロラインたちはそれに飲み込まれていった。