エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 あいつは優雅な大悪党
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
キャロラインたちは開けた天然の洞窟のような場所にいた。
岩が薄ぼんやりと発光している。さらに進むと岩に囲まれた水溜りのような場所に人影がいるのがみえた。青白い光を纏った体より長い髪を持つ少女だった。
「メロウ……」
リディアが呟く。
キャロラインとエドガーは不思議そうな顔をした。
「メロウ?」
「メロウ?足があるけど?」
「人の姿になるくらいわけないわ」
「しかし、僕にも見えるし、人間の少女にしか見えない」
「わざわざ見えやすいようにしているのよ。それに、人間がこんなところで、たった今まで閉じ込められていたっていうの?」
あたりを見回すと抜け道はない。
「無理があるな」
エドガーもそう認識したらしい。
「少なくともここには、あなたの考えているような機械的な仕掛けはなさそうよ」
「だからあきらめろとでも?メロウに、青騎士卿の子孫が本物かどうか、見分けられるとは思えないけどね」
兄の言うとおりだ。キャロラインはそう思った。
「ようこそいらっしゃいました」
メロウが言った。
「さて、どなたにお渡しすればよろしいのです?」
「どこにある」
「見えませんか?」
エドガーが動き出す。
しかし、宝剣をとったのは
「……何?」
リディアだった。
「動かないで」
リディアが宝剣を持ちながら言った。
「……知っているのよ。この剣と引き換えに、メロウに人の魂を渡さなきゃならないのは」
「そう。どうやら僕の負けだね。きみの好きにすればいい」
「そうね。私たちは負けたんだもの」
キャロラインはやはりリディアは計画を知っていたかと思った。アーミンが話したのだろう。
「レイヴン、手出しはするな」
「クロウ、シエル、あなたたちもよ」
エドガーとキャロラインは動こうとしていたレイヴンたちを止めた。
やがてエドガーがリディアに近づいていく。
「動かないでって言ってるでしょ!」
「近寄らなきゃ切れないよ」
エドガーはかまわず至近距離までリディアのもとにやってくる。
「本当にあたしを殺すつもりだったの?」
「怖いの?震えてるよ」
「そんなことしないって言ったのはうそ?あなたは父を助けてくれるって言ったわ。それもうそ?」
「うそじゃないよ」
「教えて、あなたの言葉の中に、本当のことはあるの?」
「そんなこと知ってどうするの」
「だって今まで、あたしのこと守ってくれたでしょ。あれがぜんぶうそだって、思いたくないのよ。アーミンを失って、あたしはあなたたちの苦しみを、ほんのすこしかもしれないけど共有したつもりよ。だから父を助けたいあたしの気持ちも、あなたがわかってくれたんじゃないかと思いたくて……」
キャロラインは側で聞いていてリディアはおひとよしだと思った。極悪人でも信じたくなるのが彼女の性格だ。
「なぜ迷うんだ?きみを殺そうとした男なんて、死んで当然じゃないのか。僕を切ったって、誰もきみをとがめないよ」
「……どうすればいいのよ!」
リディアは迷っているようだ。
「僕みたいな極悪人でも、切りつけるのは怖い?なら、こうすればいいんだよ」
エドガーはリディアから宝剣を奪った。
「お人好しすぎるよ、リディア。世の中には、どこまでも冷酷な悪人がいるというのに」
しかしエドガーは刀身で自分の手のひらを傷つけた。
「……え」
呆然としているリディアの前で彼は頼りなさげに微笑んだ。
「どうしてなんだろう。きみには、うまくうそがつけないな」
エドガーはキャロラインたちにむきなおると言った。
「キャロライン、レイヴン、クロウ、シエル、すまない」
「エドガーさま……!」
「そんな……!」
「うそでしょう……!」
「お兄さま……!」
やがて波が来てエドガーにむかっていった。
あとには宝剣が残されているだけだった。
岩が薄ぼんやりと発光している。さらに進むと岩に囲まれた水溜りのような場所に人影がいるのがみえた。青白い光を纏った体より長い髪を持つ少女だった。
「メロウ……」
リディアが呟く。
キャロラインとエドガーは不思議そうな顔をした。
「メロウ?」
「メロウ?足があるけど?」
「人の姿になるくらいわけないわ」
「しかし、僕にも見えるし、人間の少女にしか見えない」
「わざわざ見えやすいようにしているのよ。それに、人間がこんなところで、たった今まで閉じ込められていたっていうの?」
あたりを見回すと抜け道はない。
「無理があるな」
エドガーもそう認識したらしい。
「少なくともここには、あなたの考えているような機械的な仕掛けはなさそうよ」
「だからあきらめろとでも?メロウに、青騎士卿の子孫が本物かどうか、見分けられるとは思えないけどね」
兄の言うとおりだ。キャロラインはそう思った。
「ようこそいらっしゃいました」
メロウが言った。
「さて、どなたにお渡しすればよろしいのです?」
「どこにある」
「見えませんか?」
エドガーが動き出す。
しかし、宝剣をとったのは
「……何?」
リディアだった。
「動かないで」
リディアが宝剣を持ちながら言った。
「……知っているのよ。この剣と引き換えに、メロウに人の魂を渡さなきゃならないのは」
「そう。どうやら僕の負けだね。きみの好きにすればいい」
「そうね。私たちは負けたんだもの」
キャロラインはやはりリディアは計画を知っていたかと思った。アーミンが話したのだろう。
「レイヴン、手出しはするな」
「クロウ、シエル、あなたたちもよ」
エドガーとキャロラインは動こうとしていたレイヴンたちを止めた。
やがてエドガーがリディアに近づいていく。
「動かないでって言ってるでしょ!」
「近寄らなきゃ切れないよ」
エドガーはかまわず至近距離までリディアのもとにやってくる。
「本当にあたしを殺すつもりだったの?」
「怖いの?震えてるよ」
「そんなことしないって言ったのはうそ?あなたは父を助けてくれるって言ったわ。それもうそ?」
「うそじゃないよ」
「教えて、あなたの言葉の中に、本当のことはあるの?」
「そんなこと知ってどうするの」
「だって今まで、あたしのこと守ってくれたでしょ。あれがぜんぶうそだって、思いたくないのよ。アーミンを失って、あたしはあなたたちの苦しみを、ほんのすこしかもしれないけど共有したつもりよ。だから父を助けたいあたしの気持ちも、あなたがわかってくれたんじゃないかと思いたくて……」
キャロラインは側で聞いていてリディアはおひとよしだと思った。極悪人でも信じたくなるのが彼女の性格だ。
「なぜ迷うんだ?きみを殺そうとした男なんて、死んで当然じゃないのか。僕を切ったって、誰もきみをとがめないよ」
「……どうすればいいのよ!」
リディアは迷っているようだ。
「僕みたいな極悪人でも、切りつけるのは怖い?なら、こうすればいいんだよ」
エドガーはリディアから宝剣を奪った。
「お人好しすぎるよ、リディア。世の中には、どこまでも冷酷な悪人がいるというのに」
しかしエドガーは刀身で自分の手のひらを傷つけた。
「……え」
呆然としているリディアの前で彼は頼りなさげに微笑んだ。
「どうしてなんだろう。きみには、うまくうそがつけないな」
エドガーはキャロラインたちにむきなおると言った。
「キャロライン、レイヴン、クロウ、シエル、すまない」
「エドガーさま……!」
「そんな……!」
「うそでしょう……!」
「お兄さま……!」
やがて波が来てエドガーにむかっていった。
あとには宝剣が残されているだけだった。