エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 あいつは優雅な大悪党
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どこまでも深く階段は続いていた。
真っ暗だったが、レイヴンとシエルが蝋燭を持っていた。その明かりをたよりに進む。
「まだ続くのかしら」
リディアが言った。たしかにこの階段は長い。
「リディア、疲れたのか?」
エドガーが振り向いて言った。
「ちょっと……空気が薄くない?」
「火はちゃんと燃えています。問題はないかと」
「空気が足りないということはありません。火はもえていますし」
レイヴンとシエルがそれぞれいう。
リディアはめまいを感じたのかふらつく。エドガーがすかさず支える。
「いや、さわらないで」
リディアは混乱しているのか暴れる。
「落ち着いて、リディア」
エドガーがリディアを宥め、鼻と口を手のひらでふさぐ。
リディアはパニックに陥ったのかますます暴れる。
「じっとして、ゆっくり息を吐くんだ」
エドガーはそういうが……。
「きゃーっ!」
ふたりは階段を落ちていった。
「そうだ、あわてないで、ゆっくり呼吸するんだよ」
エドガーがリディアを宥める声がする。
「エドガーさま!」
「お兄さま!」
「大丈夫だ。レイヴン、キャロライン」
キャロラインは声のするほうに向かって走った。
「リディア、怪我はないか?」
「……ええ……」
どうやらリディアは大丈夫そうだ。
「あの、あなたは……」
「なんともないよ。数段の高さで助かった」
エドガーはそう言って微笑んだ。
「まだ息苦しい?」
「少しおさまってきたみたい」
「あんなことがあったばかりなのに、平静でいられるわけないよね。ごめん」
それはアーミンの死のことだろう。それはそうだ。多くの死を見てきたキャロラインだって受け止め切れないのだから。死を見たことがない彼女が受け止めきれなくても仕方がない。
そんなことを考えていると頭の中で声がした。
(早く気づいてよ)
(己の力を受け止めよ)
どうやら男性と女性のこえだ。キャロラインは辺りを見回した。誰もいない。
(誰なの?)
キャロラインは不気味に思った。
(キャロライン。私たちはあなたを待っているわ)
(我らの器たる人間よ)
それっきり声は聞こえなかった。
(いったいなんだったの?)
そう思ったとき、リディアが立ち上がった。休憩は終わりのようだ。
(今は声のことを考えている場合じゃないわ。早く宝剣を手に入れないと)
キャロラインはそう自分をふるいたたせた。
真っ暗だったが、レイヴンとシエルが蝋燭を持っていた。その明かりをたよりに進む。
「まだ続くのかしら」
リディアが言った。たしかにこの階段は長い。
「リディア、疲れたのか?」
エドガーが振り向いて言った。
「ちょっと……空気が薄くない?」
「火はちゃんと燃えています。問題はないかと」
「空気が足りないということはありません。火はもえていますし」
レイヴンとシエルがそれぞれいう。
リディアはめまいを感じたのかふらつく。エドガーがすかさず支える。
「いや、さわらないで」
リディアは混乱しているのか暴れる。
「落ち着いて、リディア」
エドガーがリディアを宥め、鼻と口を手のひらでふさぐ。
リディアはパニックに陥ったのかますます暴れる。
「じっとして、ゆっくり息を吐くんだ」
エドガーはそういうが……。
「きゃーっ!」
ふたりは階段を落ちていった。
「そうだ、あわてないで、ゆっくり呼吸するんだよ」
エドガーがリディアを宥める声がする。
「エドガーさま!」
「お兄さま!」
「大丈夫だ。レイヴン、キャロライン」
キャロラインは声のするほうに向かって走った。
「リディア、怪我はないか?」
「……ええ……」
どうやらリディアは大丈夫そうだ。
「あの、あなたは……」
「なんともないよ。数段の高さで助かった」
エドガーはそう言って微笑んだ。
「まだ息苦しい?」
「少しおさまってきたみたい」
「あんなことがあったばかりなのに、平静でいられるわけないよね。ごめん」
それはアーミンの死のことだろう。それはそうだ。多くの死を見てきたキャロラインだって受け止め切れないのだから。死を見たことがない彼女が受け止めきれなくても仕方がない。
そんなことを考えていると頭の中で声がした。
(早く気づいてよ)
(己の力を受け止めよ)
どうやら男性と女性のこえだ。キャロラインは辺りを見回した。誰もいない。
(誰なの?)
キャロラインは不気味に思った。
(キャロライン。私たちはあなたを待っているわ)
(我らの器たる人間よ)
それっきり声は聞こえなかった。
(いったいなんだったの?)
そう思ったとき、リディアが立ち上がった。休憩は終わりのようだ。
(今は声のことを考えている場合じゃないわ。早く宝剣を手に入れないと)
キャロラインはそう自分をふるいたたせた。