エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 あいつは優雅な大悪党
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6.メロウの島
キャロラインたちは船に乗ってマナーン島に来ていた。
今キャロラインたちは島の中にある宿で休んでいた。リディアが船酔いしたためだ。
「煎じ薬ですが、船酔いに効きますよ。」
宿の亭主のトムキンスがにこやかにリディアに薬を渡す。
「……すみません。」
リディアがぐったりとしながら薬を受け取る。
「それにしても、船酔いはこちらのお嬢さんだけですか。はじめてこの島を訪れて、ぴんぴんしているという方が珍しいですね。」
トムキンスはこの島は波が荒くて慣れた船乗りでないと危険だということを知っているのだろう。エドガーとキャロラインに笑顔を向けた。
経験してきたことに比べればこの程度の荒波、どうってことない。キャロラインはそう思った。
「ところでご亭主、この島に古い城があるだろう?」
「はいございます。もしこの宿が窮屈でしたら、向こうをお使いになりますか?」
エドガーとキャロラインは警戒するような視線を向けた。
「その城は、誰でも勝手に使えるのか?」
「まさか。われらの領主の城でございます。ですがサー、こんな辺鄙な島へわざわざいらっしゃたということは、あなたさまは伯爵家の後継者なのでございましょう?」
突然核心を突かれみんなして黙り込んだ。
「なるほど、青騎士伯爵と称して、いったいどれほどの偽者がこの島に現れたことか。そういう来客には慣れきっているわけだ。」
「偽者が多いってわけ?」
自分たちも偽者だと思いながらキャロラインも言った。
「ちなみに、我が家は代々伯爵家の執事、もしもあなたさまが本物だと判明したあかつきには、お仕えすることとなりますのでどうぞよろしく」
宿の亭主はポケットから鍵を出した。
「城の入り口の鍵です。どうぞお使いください。伝説の宝物を見つけようと、戸や窓を壊す連中が絶えませんでしてね、修理も大変なもので、最近はそれと申し出られた方にはお渡しすることにしています。それから、失礼を承知で申し上げておきますが、室内の調度品や貴重品などは数も種類も管理されておりますので、持ち出されたりしませんよう。たとえそうしたくとも、この島から運び出すのは不可能だとご記憶くださいませ」
「しっかりしているな。きみになら、これからも執事をまかせておけるだろう」
「たよりになるわね。」
エドガーとキャロラインが亭主を褒める。
「光栄にございます。なお、この島を去る気になりましたなら遠慮なくおっしゃってください。すぐに船を用意します。」
「そうやってあきらめた者もいるわけか?」
「残念ながら私の知る限り、どなたもこうしてお話しした三日以内に、浜辺に藻屑と一緒に打ち上げられておりますな。そういうことですのでサー、このままお別れとならぬよう祈っております」
「あの、城へ行った人は、みんな海で死んでるってことですか?」
気になったのかリディアが口を挟んできた。
「そうですよお嬢さん。メロウに海に引きずられたのでしょう。」
「あなたは、メロウを見たことがあるんですか?」
「純粋なメロウは存じませんがね、島の者は皆、メロウの血を引いています。だからこそこの島は、遠い昔、もともとの領主の手に余り、青騎士卿に譲渡されたとか。島民はメロウと一緒に、新たな主人をたいそう歓迎したと伝えられております。」
「メロウの血を?とするとご亭主、あなたにも水掻きや鱗があるのかな?」
エドガーが興味を持ったのか訊いてきた。
「いいえ、背中にひれが」
「さすがは青騎士伯爵家の執事だ。」
「本当にそうね」
エドガーとキャロラインはしきりに関心したのだった。
キャロラインたちは船に乗ってマナーン島に来ていた。
今キャロラインたちは島の中にある宿で休んでいた。リディアが船酔いしたためだ。
「煎じ薬ですが、船酔いに効きますよ。」
宿の亭主のトムキンスがにこやかにリディアに薬を渡す。
「……すみません。」
リディアがぐったりとしながら薬を受け取る。
「それにしても、船酔いはこちらのお嬢さんだけですか。はじめてこの島を訪れて、ぴんぴんしているという方が珍しいですね。」
トムキンスはこの島は波が荒くて慣れた船乗りでないと危険だということを知っているのだろう。エドガーとキャロラインに笑顔を向けた。
経験してきたことに比べればこの程度の荒波、どうってことない。キャロラインはそう思った。
「ところでご亭主、この島に古い城があるだろう?」
「はいございます。もしこの宿が窮屈でしたら、向こうをお使いになりますか?」
エドガーとキャロラインは警戒するような視線を向けた。
「その城は、誰でも勝手に使えるのか?」
「まさか。われらの領主の城でございます。ですがサー、こんな辺鄙な島へわざわざいらっしゃたということは、あなたさまは伯爵家の後継者なのでございましょう?」
突然核心を突かれみんなして黙り込んだ。
「なるほど、青騎士伯爵と称して、いったいどれほどの偽者がこの島に現れたことか。そういう来客には慣れきっているわけだ。」
「偽者が多いってわけ?」
自分たちも偽者だと思いながらキャロラインも言った。
「ちなみに、我が家は代々伯爵家の執事、もしもあなたさまが本物だと判明したあかつきには、お仕えすることとなりますのでどうぞよろしく」
宿の亭主はポケットから鍵を出した。
「城の入り口の鍵です。どうぞお使いください。伝説の宝物を見つけようと、戸や窓を壊す連中が絶えませんでしてね、修理も大変なもので、最近はそれと申し出られた方にはお渡しすることにしています。それから、失礼を承知で申し上げておきますが、室内の調度品や貴重品などは数も種類も管理されておりますので、持ち出されたりしませんよう。たとえそうしたくとも、この島から運び出すのは不可能だとご記憶くださいませ」
「しっかりしているな。きみになら、これからも執事をまかせておけるだろう」
「たよりになるわね。」
エドガーとキャロラインが亭主を褒める。
「光栄にございます。なお、この島を去る気になりましたなら遠慮なくおっしゃってください。すぐに船を用意します。」
「そうやってあきらめた者もいるわけか?」
「残念ながら私の知る限り、どなたもこうしてお話しした三日以内に、浜辺に藻屑と一緒に打ち上げられておりますな。そういうことですのでサー、このままお別れとならぬよう祈っております」
「あの、城へ行った人は、みんな海で死んでるってことですか?」
気になったのかリディアが口を挟んできた。
「そうですよお嬢さん。メロウに海に引きずられたのでしょう。」
「あなたは、メロウを見たことがあるんですか?」
「純粋なメロウは存じませんがね、島の者は皆、メロウの血を引いています。だからこそこの島は、遠い昔、もともとの領主の手に余り、青騎士卿に譲渡されたとか。島民はメロウと一緒に、新たな主人をたいそう歓迎したと伝えられております。」
「メロウの血を?とするとご亭主、あなたにも水掻きや鱗があるのかな?」
エドガーが興味を持ったのか訊いてきた。
「いいえ、背中にひれが」
「さすがは青騎士伯爵家の執事だ。」
「本当にそうね」
エドガーとキャロラインはしきりに関心したのだった。