エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 あいつは優雅な大悪党
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4.あばら屋での一夜
「お兄さまらしくないわね」
「何が?」
キャロラインの言葉にエドガーは顔をあげて訊いた。
「リディアをかばったことよ」
「彼女は宝剣を得るのに必要だからね。死なれちゃ困る」
本当にそれだけだったのだろうか。
キャロラインは兄がリディアに出会ってから変わってきていると感じた。
やがて水を汲みにいっていたリディアが戻ってきた。
「痛む?」
「少しね」
リディアはその答えを聞くと暖炉のそばの椅子に座った。
「あなたは誰なの?ロード・エドガー?それともサー・ジョン?」
リディアの問いにエドガーは一瞬悩んだが答えた。
「エドガー。それが僕のファーストネームだった。十三のときその名をもつ少年は両親とともに死んだ。今の僕は亡霊だ。好きに呼べばいい」
「でもあなたは生きているじゃない」
「そう、生きてはいる。レディの前で失礼するよ」
エドガーはそう言ってシャツを脱いだ。
「でもね地獄だった。白人奴隷を欲した男に売られたんだ。そこから四年目に逃げ出した。下町の最下層で生活して生きるためには何でもした」
キャロラインは過去のことを話すエドガーを奇妙な心地で見つめた。
(今まで誰にも過去のことを話さなかったのに・・・)
兄はリディアと出会って少し変わったのだろうか。それともあの金緑の瞳にかぶっている仮面の奥を見透かされてしまったから話したのだろうか。
(私もリディアに仮面の奥を見透かされてしまうんだろうか。そんなのはいやよ。誰にも知られたくないわ。私が一番怖いのは私自身だと言うことを)
キャロラインがそんなことをつらつら思っていると兄の話は終わったらしい。
リディアがハーブ入りのお湯を差し出してきた。
(このお湯・・・・・・!)
ハーブでごまかしているつもりだろうが、アメリカで過酷な経験をしてきたキャロラインはごまかされない。このお湯には何かが入っていると。
兄も気づいたのだろう。リディアを問い詰め始めた。
「何を入れた」
「何って」
キャロラインはその会話を聞きながらリディアには防衛意識がかけていると思った。
(リディアの言動は強盗をますます怒らせるだけよ)
やがてエドガーはお湯を飲んだ。
ここまで言うことをきかなかった相手を暴力で言いなりにしなかったのは兄としても始めての判断ではないだろうか。
キャロラインも覚悟を決めてお湯を飲んだ。
「ちょっと・・・」
リディアが戸惑ったように言った。
「逃げたかったら逃げてもいいよ」
キャロラインはリディアにそう言った。
生贄になるより逃げた方が彼女にとってはいいだろう。
キャロラインはそう思ったのを最後に眠りについた。
「お兄さまらしくないわね」
「何が?」
キャロラインの言葉にエドガーは顔をあげて訊いた。
「リディアをかばったことよ」
「彼女は宝剣を得るのに必要だからね。死なれちゃ困る」
本当にそれだけだったのだろうか。
キャロラインは兄がリディアに出会ってから変わってきていると感じた。
やがて水を汲みにいっていたリディアが戻ってきた。
「痛む?」
「少しね」
リディアはその答えを聞くと暖炉のそばの椅子に座った。
「あなたは誰なの?ロード・エドガー?それともサー・ジョン?」
リディアの問いにエドガーは一瞬悩んだが答えた。
「エドガー。それが僕のファーストネームだった。十三のときその名をもつ少年は両親とともに死んだ。今の僕は亡霊だ。好きに呼べばいい」
「でもあなたは生きているじゃない」
「そう、生きてはいる。レディの前で失礼するよ」
エドガーはそう言ってシャツを脱いだ。
「でもね地獄だった。白人奴隷を欲した男に売られたんだ。そこから四年目に逃げ出した。下町の最下層で生活して生きるためには何でもした」
キャロラインは過去のことを話すエドガーを奇妙な心地で見つめた。
(今まで誰にも過去のことを話さなかったのに・・・)
兄はリディアと出会って少し変わったのだろうか。それともあの金緑の瞳にかぶっている仮面の奥を見透かされてしまったから話したのだろうか。
(私もリディアに仮面の奥を見透かされてしまうんだろうか。そんなのはいやよ。誰にも知られたくないわ。私が一番怖いのは私自身だと言うことを)
キャロラインがそんなことをつらつら思っていると兄の話は終わったらしい。
リディアがハーブ入りのお湯を差し出してきた。
(このお湯・・・・・・!)
ハーブでごまかしているつもりだろうが、アメリカで過酷な経験をしてきたキャロラインはごまかされない。このお湯には何かが入っていると。
兄も気づいたのだろう。リディアを問い詰め始めた。
「何を入れた」
「何って」
キャロラインはその会話を聞きながらリディアには防衛意識がかけていると思った。
(リディアの言動は強盗をますます怒らせるだけよ)
やがてエドガーはお湯を飲んだ。
ここまで言うことをきかなかった相手を暴力で言いなりにしなかったのは兄としても始めての判断ではないだろうか。
キャロラインも覚悟を決めてお湯を飲んだ。
「ちょっと・・・」
リディアが戸惑ったように言った。
「逃げたかったら逃げてもいいよ」
キャロラインはリディアにそう言った。
生贄になるより逃げた方が彼女にとってはいいだろう。
キャロラインはそう思ったのを最後に眠りについた。