エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 恋人は幽霊
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兄はリディアを早く助けたいのかすごいスピードを出した。
ドレスの裾をつまんで追いかけたキャロラインでは追いつけない。
だから追いついた時にはユリシスが火の中に投げ込んだ青い玉を救出していたところだった。
「おやおや今更妖精を助けたってどうにもならないのに無駄なことに力を注ぐなんてらしくありませんよ」
ユリシスが殴られたのか切れた唇の血をぬぐっていった。
「無駄じゃないわ。お兄さまにはあなたにはない大事なものを忘れてないだけ」
キャロラインがユリシスに言った。
「僕は妖精国の伯爵なんだよ。フェアリードクターが守ろうとするものを守るのは当然じゃないか」
そう。それは貴族としての誇り。領地にあるものを守ろうとするその意志だった。
「笑わせますね。もはやこの英国に青騎士伯爵は存在しない。そしてまともなフェアリードクターもいない。どう名乗ろうとセルキーを止める力もないんです」
ユリシスがせせ笑う。
「いいえ。偽物でも本物にできるって私は信じているわ」
「重要なのは意志。妖精を認め、守ろうとすること。それが一番重要よ」
ミスティアとクリスティナが言った。
本物の血筋の彼女たちが言うのならそうなれるような気がしてきた。
(偽物でも本物にできるはず……)
地盤固めのための爵位だとしても兄はやると言ったらやるだろう。キャロラインはそう信じている。
「何とでもいうがいい。さあ来るがいいセルキーども」
最初の波が押し寄せてきた。
その光景を見ながらキャロラインは自分に何ができるだろうと考えていた。
(セルキーたちをなだめる方法……。青騎士伯爵の砦を守る方法……)
頭を悩ませているとリディアが何かを握りしめていた。
それにはっとする。
(セルキーたちにリディアの声を聞くように言えるかもしれない……)
その時キャロラインはなぜだか声を届かせることができると思ったのだ。
《お願い! セルキーたち! 青騎士伯爵のフェアリードクターの声を聞いて! 彼女があなたたちの悲しみを受け止めてくれるから!》
それは普通の声ではなかった。
偉大なる力(グラン・フォルス)の光の力を無意識にだがキャロラインは使っていた。ただ完全な目覚めとまではいかなかった。
「聞いてセルキーたち! あたしは青騎士伯爵のフェアリードクターよ! お願い、伯爵の砦を壊さないで! この“心臓”にかけてあなたたちの悲しみはあたしが受け止めるわ!」
「“心臓”……? どうしてお前がそれを……?」
ユリシスが驚く気配がした。
しかし波は収まらず、ユリシスとリディアが呑み込まれる。
「リディア!」
エドガーが焦って名前を呼ぶ声が聞こえた。
「どうなったの……?」
キャロラインが呟く。
「大丈夫。落ち着いてきたみたい……」
ミスティアの言葉通り、波が落ち着いてきた。
「リディアの言葉が届いたのね。しかし彼女が“心臓”を持っていたとはね……」
クリスティナが呟く。
「あれは彼女の母上の形見だそうだよ」
「形見……。彼女のお母さまはヘブリディーズ諸島のご出身だっけ? なら“心臓”を託されてもおかしくないかも……」
ミスティアが呟く。
三日後、リディアが妖精界から戻ってきた。
兄はほっとしたようにリディアを抱きしめた。
ユリシスはそのまま逃げて行ったという。
しかしキャロラインはそれよりもすべてが終わったことにほっとした。
ドレスの裾をつまんで追いかけたキャロラインでは追いつけない。
だから追いついた時にはユリシスが火の中に投げ込んだ青い玉を救出していたところだった。
「おやおや今更妖精を助けたってどうにもならないのに無駄なことに力を注ぐなんてらしくありませんよ」
ユリシスが殴られたのか切れた唇の血をぬぐっていった。
「無駄じゃないわ。お兄さまにはあなたにはない大事なものを忘れてないだけ」
キャロラインがユリシスに言った。
「僕は妖精国の伯爵なんだよ。フェアリードクターが守ろうとするものを守るのは当然じゃないか」
そう。それは貴族としての誇り。領地にあるものを守ろうとするその意志だった。
「笑わせますね。もはやこの英国に青騎士伯爵は存在しない。そしてまともなフェアリードクターもいない。どう名乗ろうとセルキーを止める力もないんです」
ユリシスがせせ笑う。
「いいえ。偽物でも本物にできるって私は信じているわ」
「重要なのは意志。妖精を認め、守ろうとすること。それが一番重要よ」
ミスティアとクリスティナが言った。
本物の血筋の彼女たちが言うのならそうなれるような気がしてきた。
(偽物でも本物にできるはず……)
地盤固めのための爵位だとしても兄はやると言ったらやるだろう。キャロラインはそう信じている。
「何とでもいうがいい。さあ来るがいいセルキーども」
最初の波が押し寄せてきた。
その光景を見ながらキャロラインは自分に何ができるだろうと考えていた。
(セルキーたちをなだめる方法……。青騎士伯爵の砦を守る方法……)
頭を悩ませているとリディアが何かを握りしめていた。
それにはっとする。
(セルキーたちにリディアの声を聞くように言えるかもしれない……)
その時キャロラインはなぜだか声を届かせることができると思ったのだ。
《お願い! セルキーたち! 青騎士伯爵のフェアリードクターの声を聞いて! 彼女があなたたちの悲しみを受け止めてくれるから!》
それは普通の声ではなかった。
偉大なる力(グラン・フォルス)の光の力を無意識にだがキャロラインは使っていた。ただ完全な目覚めとまではいかなかった。
「聞いてセルキーたち! あたしは青騎士伯爵のフェアリードクターよ! お願い、伯爵の砦を壊さないで! この“心臓”にかけてあなたたちの悲しみはあたしが受け止めるわ!」
「“心臓”……? どうしてお前がそれを……?」
ユリシスが驚く気配がした。
しかし波は収まらず、ユリシスとリディアが呑み込まれる。
「リディア!」
エドガーが焦って名前を呼ぶ声が聞こえた。
「どうなったの……?」
キャロラインが呟く。
「大丈夫。落ち着いてきたみたい……」
ミスティアの言葉通り、波が落ち着いてきた。
「リディアの言葉が届いたのね。しかし彼女が“心臓”を持っていたとはね……」
クリスティナが呟く。
「あれは彼女の母上の形見だそうだよ」
「形見……。彼女のお母さまはヘブリディーズ諸島のご出身だっけ? なら“心臓”を託されてもおかしくないかも……」
ミスティアが呟く。
三日後、リディアが妖精界から戻ってきた。
兄はほっとしたようにリディアを抱きしめた。
ユリシスはそのまま逃げて行ったという。
しかしキャロラインはそれよりもすべてが終わったことにほっとした。
