エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 恋人は幽霊
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
丘に向かうとエドガーがユリシスと対峙していた。
こっそりと近づいていくと声が聞こえた。
「テリーサ、そいつはお前をだまして、大人しくさせようとしたのさ。お前が逃げ出したり、やけになってそいつの身体を傷つけないよう」
どうやらテリーサに自分の身体ではないと気づかれたようだ。
「「ユリシス……」」
思わず声を上げてしまう。
「やあ、リリィ。相変わらず持っている力を使いこなせないみたいだね」
ユリシスは少年っぽさの残る顔に嘲笑を浮かべる。
「余計なお世話よ……!」
嫌な名前で呼ばれたのでユリシスをにらみつける。
「さて、レディへの挨拶はここまでにして本題だ。その男は正直お前がさっさと昇天してくれればいいと思っているよ」
テリーサはエドガーから少し離れる。
「そうね、子爵。あなたにとってあたしは得体に知れない幽霊」
「こっちへこいよ、テリーサ。おれならおまえを人間にしてやれる。その体を完全にお前のものにしてやれるよ」
「できるものか。できるなら最初からそうしているはずだ。ユリシス、おまえはコリンズ夫人をだましてこの屋敷を乗っ取るためだけに彼女を殺してテリーサの幽霊に仕立て上げたんだ」
ユリシスはエドガーの言葉を鼻で笑うとテリーサを使って化粧箱奪い取ろうとした。
「化粧箱……?」
アンティークで上品なものに見えた。
「あれに捕らわれたセルキーたちの毛皮が入っているんだわ」
ミスティアが呟く。
「だめ! あれを渡しちゃだめよ!」
その言葉に思わず叫ぶが、テリーサは迷っているだけで動こうとしない。
「お兄さま、どうするの?」
思わず兄の方を向いた。
「マギー」
兄は突然名前を呼んだ。
テリーサは不思議そうにエドガーを見た。
「君はテリーサじゃない。マギーだ。自分を忘れたまま、真実を失ったままでいいの?」
「……マギー……」
「そうだよ。お針子のマギーだ」
そうして刺繍を取り出す。
そこから入っているのがテリーサじゃないと気づけたのだ。
「マギー、君にもかけがえのない人がいた。思い出せるだろう?この刺繍は誰に教わったんだ」
「それ、母さんが幸福のお守りだからって……母が教えてくれて……」
「君の本当の家族や友人たちが魂の平安と幸福を願っているはずなんだ。みんな忘れて絆を断ち切ってしまいたい? 別人の人生に乗り換えたいと本当に思う?」
「別人になってもそれはあなた自身の人生じゃないのよ。だからお願い……!」
「ええ、別人になっても友人や家族たちはいつまでたってもあなたを忘れられないはずよ」
「魂の奥底ではあなたも家族や友人たちを思っているはずでしょう?」
エドガーをきっかけにキャロラインたちもテリーサことマギーに語り掛ける。
「そうだよ。君を思う人たちはきっといつまでも君のことを忘れられない。悲しみは癒えないけれど、君も忘れられないでいてくれると、どこかで見守ってくれているだろうとささえにして生きていくだろう」
「テリーサ、そいつの言うことを聞くな! テリーサでいれば望みがかなうんだぞ! 金のために働かなくていい、貴族とだって結婚できる!」
ユリシスが声を荒げる。
「お願いだ、マギー。君を傷つけたことは申し訳ないと思う。でも僕にもかけがえのない人がいる。身も心も守りたい、リディアを返してくれ」
「素直になれるんじゃない……」
キャロラインにしか聞こえない声でミスティアが呟く。
キャロラインは頷いた。
あれは兄の本心だと思う。だからこそ通じると思った。
「……思い出したわ。あたし……」
マギーの手からナイフが滑り落ちる。
「あたしはずっとお金持ちにあこがれていたの。お金持ちと結婚さえ、できれば幸せになれると思って、名家の娘だって嘘をついたりしてた」
マギーは泣き笑いの顔でエドガーを見上げた。
「テリーサになってみんなにちやほやされて、夢みたいでうれしかった。違和感があっても気づかないふりをしていたかった。でもこの体があたしのものじゃないって、子爵、あなたがあたしに恋なんてしていないって、はっきりしてよかったわ。だって平凡なお針子でも、あたしにはあたしのかけがえのないものがあったって思い出せたから」
「バカ言うな、自分の境遇も家族も嫌っていただろうが。だから俺が伯爵と名乗っただけで舞い上がっていたくせに!」
ユリシスがしつこく叫ぶ。
「うるさいわよ! 振られ男! 人がかけがえのないものを思い出しているのに邪魔すんじゃないわよ!」
頭に来たのでユリシスに向かって叫ぶ。
「そうそう。邪魔をしないで。っていうか女の子をだまして殺すなんて最低ね!」
「伯爵を名乗っていたですって⁉ あなたの血がどうか分かりませんけど、その資格はないはずよ?」
クリスティナの言葉にユリシスはこちらをにらんだ。
「おまえたちは……」
にらみ合っているすきにマギーが抜けてリディアが戻ってきた。
「ちっ。どいつもこいつも使えない」
ユリシスは舌打ちをしてピストルを取り出そうとする。
しかしレイヴンが現れてピストルを蹴り飛ばす。
そこへクロウとシエルが襲い掛かるが、ユリシスは予想していたかのようにひらりとかわす。そしてレイヴンの次の攻撃も木の後ろに隠れることでかわした。
「歩く武器と殺人兵器たちか。おまえたちと遭遇はしたくなくて、避けていたんだけどね。まあ殺人兵器たちのほうは出会ってしまったんだけどさ」
そう言ってユリシスは水色の玉のようなものを取り出し、「やれ」と合図した。
「レイヴン、クロウ、シエル! セルキーたちよ!」
リディアが叫ぶ声が聞こえた。
その言葉と同時に目の前に水の渦が押し寄せてきた。
「「キャロライン!」」
ミスティアとクリスティナが腕をつかむのを感じるとキャロラインは水に巻き込まれて気を失った。
こっそりと近づいていくと声が聞こえた。
「テリーサ、そいつはお前をだまして、大人しくさせようとしたのさ。お前が逃げ出したり、やけになってそいつの身体を傷つけないよう」
どうやらテリーサに自分の身体ではないと気づかれたようだ。
「「ユリシス……」」
思わず声を上げてしまう。
「やあ、リリィ。相変わらず持っている力を使いこなせないみたいだね」
ユリシスは少年っぽさの残る顔に嘲笑を浮かべる。
「余計なお世話よ……!」
嫌な名前で呼ばれたのでユリシスをにらみつける。
「さて、レディへの挨拶はここまでにして本題だ。その男は正直お前がさっさと昇天してくれればいいと思っているよ」
テリーサはエドガーから少し離れる。
「そうね、子爵。あなたにとってあたしは得体に知れない幽霊」
「こっちへこいよ、テリーサ。おれならおまえを人間にしてやれる。その体を完全にお前のものにしてやれるよ」
「できるものか。できるなら最初からそうしているはずだ。ユリシス、おまえはコリンズ夫人をだましてこの屋敷を乗っ取るためだけに彼女を殺してテリーサの幽霊に仕立て上げたんだ」
ユリシスはエドガーの言葉を鼻で笑うとテリーサを使って化粧箱奪い取ろうとした。
「化粧箱……?」
アンティークで上品なものに見えた。
「あれに捕らわれたセルキーたちの毛皮が入っているんだわ」
ミスティアが呟く。
「だめ! あれを渡しちゃだめよ!」
その言葉に思わず叫ぶが、テリーサは迷っているだけで動こうとしない。
「お兄さま、どうするの?」
思わず兄の方を向いた。
「マギー」
兄は突然名前を呼んだ。
テリーサは不思議そうにエドガーを見た。
「君はテリーサじゃない。マギーだ。自分を忘れたまま、真実を失ったままでいいの?」
「……マギー……」
「そうだよ。お針子のマギーだ」
そうして刺繍を取り出す。
そこから入っているのがテリーサじゃないと気づけたのだ。
「マギー、君にもかけがえのない人がいた。思い出せるだろう?この刺繍は誰に教わったんだ」
「それ、母さんが幸福のお守りだからって……母が教えてくれて……」
「君の本当の家族や友人たちが魂の平安と幸福を願っているはずなんだ。みんな忘れて絆を断ち切ってしまいたい? 別人の人生に乗り換えたいと本当に思う?」
「別人になってもそれはあなた自身の人生じゃないのよ。だからお願い……!」
「ええ、別人になっても友人や家族たちはいつまでたってもあなたを忘れられないはずよ」
「魂の奥底ではあなたも家族や友人たちを思っているはずでしょう?」
エドガーをきっかけにキャロラインたちもテリーサことマギーに語り掛ける。
「そうだよ。君を思う人たちはきっといつまでも君のことを忘れられない。悲しみは癒えないけれど、君も忘れられないでいてくれると、どこかで見守ってくれているだろうとささえにして生きていくだろう」
「テリーサ、そいつの言うことを聞くな! テリーサでいれば望みがかなうんだぞ! 金のために働かなくていい、貴族とだって結婚できる!」
ユリシスが声を荒げる。
「お願いだ、マギー。君を傷つけたことは申し訳ないと思う。でも僕にもかけがえのない人がいる。身も心も守りたい、リディアを返してくれ」
「素直になれるんじゃない……」
キャロラインにしか聞こえない声でミスティアが呟く。
キャロラインは頷いた。
あれは兄の本心だと思う。だからこそ通じると思った。
「……思い出したわ。あたし……」
マギーの手からナイフが滑り落ちる。
「あたしはずっとお金持ちにあこがれていたの。お金持ちと結婚さえ、できれば幸せになれると思って、名家の娘だって嘘をついたりしてた」
マギーは泣き笑いの顔でエドガーを見上げた。
「テリーサになってみんなにちやほやされて、夢みたいでうれしかった。違和感があっても気づかないふりをしていたかった。でもこの体があたしのものじゃないって、子爵、あなたがあたしに恋なんてしていないって、はっきりしてよかったわ。だって平凡なお針子でも、あたしにはあたしのかけがえのないものがあったって思い出せたから」
「バカ言うな、自分の境遇も家族も嫌っていただろうが。だから俺が伯爵と名乗っただけで舞い上がっていたくせに!」
ユリシスがしつこく叫ぶ。
「うるさいわよ! 振られ男! 人がかけがえのないものを思い出しているのに邪魔すんじゃないわよ!」
頭に来たのでユリシスに向かって叫ぶ。
「そうそう。邪魔をしないで。っていうか女の子をだまして殺すなんて最低ね!」
「伯爵を名乗っていたですって⁉ あなたの血がどうか分かりませんけど、その資格はないはずよ?」
クリスティナの言葉にユリシスはこちらをにらんだ。
「おまえたちは……」
にらみ合っているすきにマギーが抜けてリディアが戻ってきた。
「ちっ。どいつもこいつも使えない」
ユリシスは舌打ちをしてピストルを取り出そうとする。
しかしレイヴンが現れてピストルを蹴り飛ばす。
そこへクロウとシエルが襲い掛かるが、ユリシスは予想していたかのようにひらりとかわす。そしてレイヴンの次の攻撃も木の後ろに隠れることでかわした。
「歩く武器と殺人兵器たちか。おまえたちと遭遇はしたくなくて、避けていたんだけどね。まあ殺人兵器たちのほうは出会ってしまったんだけどさ」
そう言ってユリシスは水色の玉のようなものを取り出し、「やれ」と合図した。
「レイヴン、クロウ、シエル! セルキーたちよ!」
リディアが叫ぶ声が聞こえた。
その言葉と同時に目の前に水の渦が押し寄せてきた。
「「キャロライン!」」
ミスティアとクリスティナが腕をつかむのを感じるとキャロラインは水に巻き込まれて気を失った。
