エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 恋人は幽霊
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ドレスの裾を持ち上げて人影を追いかける。
裾が邪魔で走りにくい。アメリカ時代の男装していた時期とは違うのだと思わされる。
男物の女性的な人物は丘を駆け上がる。
おびき出されていると感じた。
キャロラインはいつの間にかアーミンを追っていた兄と頷きあう。
やがて人影は海に面した斜面で立ちどまり、振り返った。
ブラウンの瞳、つややかな黒髪。
よく知っている女だった。
「エドガーさま、キャロラインさま」
赤い唇から紡ぎだされる声もそっくりだった。
「お久しぶりでございます」
「アーミン」
キャロラインは名前を呟いた。
「アーミン、無事でいたならどうして僕のところに戻ってこなかった」
エドガーが訊いた。
「今の私はユリシスのしもべです。彼に逆らうことはできないのです」
「そいつに助けられたからか?」
その言葉にアーミンは目を伏せた。
問いには答えたくないようだった。
「リディアさんとはあれからずっと一緒なのですね。私が言うのもおかしな話ですが、彼女が無事でいて、あなたの力になってくださっていると知り、安堵しております」
「リディアもお前のことを気にかけていたよ」
「ええ、気にしていた」
キャロラインは頷いた。
「彼女にもひどいことをしました。なのに許してくださっているのでしょうか」
「彼女はお人好しよ。だましていたお兄さまでさえ許したんだもの」
「ああ。確かに僕を許してくれたからね」
その言葉にアーミンは口元を緩めた。
その仕草さえ、アーミンにそっくりだ。
「エドガーさま、あなたがリディアさんを傷つけずにつれてきた時から、何かが変わるような気がしていました。正直でひたむきで呆れるほど人が良くて。あなたを救えるとしたら、彼女のような女性かもしれないと」
アーミンしか知らないことを彼女は知っている。
しかしいままでのアーミンとは違う。
なんとなくの感覚だが、ニコや妖精界に行った時に近いような気がする。
その感覚に集中していたせいだろうか。戻ってくるように説得していた兄にアーミンが襲い掛かってきたことへの反応が遅れた。
「お兄さま!」
兄に駆け寄ろうとするが、大丈夫とばかりに身振りで押しとどめる。
「プリンスはあなたに見切りをつけました。もはやあなたは英国伯爵として有名になりすぎた。使い物にならないのなら、さんざん苦しめて殺すようにと……。そしてキャロラインさま、あなたは捕らえるようにと指示がでています。あなたの力を誰かに移して、それから殺すのだと……」
「へえ……。殺すようにねえ……」
キャロラインはぽつりと呟いた。
今すぐ殺されるというわけではなさそうだ。
だが兄はすぐに殺されるだろう。しかしアーミンにはやる気がないように見えた。レイヴンと同じく武術に優れた彼女ならすぐに殺せるのに。
その証拠にエドガーに簡単に抑え込まれてピストルを落としてしまった。
「キャロライン」
エドガーが名前を呼んだ。
「ええ」
何をしたいのかが分かった。
彼女の胸の焼き印を調べたいのだ。アーミンだったらあるはずだからだ。
「失礼するわね」
キャロラインはシャツの胸元を開いた。
そこはまっさらで何もなかった。
「焼き印がない! ……あなたは誰だ?」
「焼き印がないのか……。……お前は、誰だ?」
エドガーも訊いた。
訊かれたくないことだったのかアーミンが本気で襲い掛かってくる。
それを止めようとレイヴンが姉だというのに躊躇なく反撃する。
「やめろ、レイヴン!」
「レイヴンやめて!」
止めようとしたが、女が先に斬りかかってきた。
レイヴンに向かうのは自殺行為なのにわざとそうしているように思えた。
レイヴンはうちに眠る精霊に支配され、殺気立って女に襲い掛かっていく。
「やめろ!」
思わずエドガーが止めた。
「もういい、殺さなくていい」
こうなるとエドガーの言うことさえ、聞かない。
ふとレイヴンの動きが止まった。
「おねがい、やめて……」
リディアがレイヴンの腕にしがみつく。
「リディア! クロウ! シエル! リディアを助けて」
思わず声を上げる。
クロウとシエルがリディアを助けるためにレイヴンを止めようとするが、彼女は手加減なしで弾き飛ばされ、斜面を転がる。
そこをアーミンにそっくりな女が助け、斜面の中ほどで止まるとふらふらと立ち上がって去っていった。
キャロラインたちは倒れたリディアのもとへと駆け寄った。
裾が邪魔で走りにくい。アメリカ時代の男装していた時期とは違うのだと思わされる。
男物の女性的な人物は丘を駆け上がる。
おびき出されていると感じた。
キャロラインはいつの間にかアーミンを追っていた兄と頷きあう。
やがて人影は海に面した斜面で立ちどまり、振り返った。
ブラウンの瞳、つややかな黒髪。
よく知っている女だった。
「エドガーさま、キャロラインさま」
赤い唇から紡ぎだされる声もそっくりだった。
「お久しぶりでございます」
「アーミン」
キャロラインは名前を呟いた。
「アーミン、無事でいたならどうして僕のところに戻ってこなかった」
エドガーが訊いた。
「今の私はユリシスのしもべです。彼に逆らうことはできないのです」
「そいつに助けられたからか?」
その言葉にアーミンは目を伏せた。
問いには答えたくないようだった。
「リディアさんとはあれからずっと一緒なのですね。私が言うのもおかしな話ですが、彼女が無事でいて、あなたの力になってくださっていると知り、安堵しております」
「リディアもお前のことを気にかけていたよ」
「ええ、気にしていた」
キャロラインは頷いた。
「彼女にもひどいことをしました。なのに許してくださっているのでしょうか」
「彼女はお人好しよ。だましていたお兄さまでさえ許したんだもの」
「ああ。確かに僕を許してくれたからね」
その言葉にアーミンは口元を緩めた。
その仕草さえ、アーミンにそっくりだ。
「エドガーさま、あなたがリディアさんを傷つけずにつれてきた時から、何かが変わるような気がしていました。正直でひたむきで呆れるほど人が良くて。あなたを救えるとしたら、彼女のような女性かもしれないと」
アーミンしか知らないことを彼女は知っている。
しかしいままでのアーミンとは違う。
なんとなくの感覚だが、ニコや妖精界に行った時に近いような気がする。
その感覚に集中していたせいだろうか。戻ってくるように説得していた兄にアーミンが襲い掛かってきたことへの反応が遅れた。
「お兄さま!」
兄に駆け寄ろうとするが、大丈夫とばかりに身振りで押しとどめる。
「プリンスはあなたに見切りをつけました。もはやあなたは英国伯爵として有名になりすぎた。使い物にならないのなら、さんざん苦しめて殺すようにと……。そしてキャロラインさま、あなたは捕らえるようにと指示がでています。あなたの力を誰かに移して、それから殺すのだと……」
「へえ……。殺すようにねえ……」
キャロラインはぽつりと呟いた。
今すぐ殺されるというわけではなさそうだ。
だが兄はすぐに殺されるだろう。しかしアーミンにはやる気がないように見えた。レイヴンと同じく武術に優れた彼女ならすぐに殺せるのに。
その証拠にエドガーに簡単に抑え込まれてピストルを落としてしまった。
「キャロライン」
エドガーが名前を呼んだ。
「ええ」
何をしたいのかが分かった。
彼女の胸の焼き印を調べたいのだ。アーミンだったらあるはずだからだ。
「失礼するわね」
キャロラインはシャツの胸元を開いた。
そこはまっさらで何もなかった。
「焼き印がない! ……あなたは誰だ?」
「焼き印がないのか……。……お前は、誰だ?」
エドガーも訊いた。
訊かれたくないことだったのかアーミンが本気で襲い掛かってくる。
それを止めようとレイヴンが姉だというのに躊躇なく反撃する。
「やめろ、レイヴン!」
「レイヴンやめて!」
止めようとしたが、女が先に斬りかかってきた。
レイヴンに向かうのは自殺行為なのにわざとそうしているように思えた。
レイヴンはうちに眠る精霊に支配され、殺気立って女に襲い掛かっていく。
「やめろ!」
思わずエドガーが止めた。
「もういい、殺さなくていい」
こうなるとエドガーの言うことさえ、聞かない。
ふとレイヴンの動きが止まった。
「おねがい、やめて……」
リディアがレイヴンの腕にしがみつく。
「リディア! クロウ! シエル! リディアを助けて」
思わず声を上げる。
クロウとシエルがリディアを助けるためにレイヴンを止めようとするが、彼女は手加減なしで弾き飛ばされ、斜面を転がる。
そこをアーミンにそっくりな女が助け、斜面の中ほどで止まるとふらふらと立ち上がって去っていった。
キャロラインたちは倒れたリディアのもとへと駆け寄った。
