エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 恋人は幽霊
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廊下に出るとレイヴンが男を捕まえていた。
偽伯爵だ。
「うわっ……! や、やめてくれ」
男はうめいた。
それをエドガーが見下ろしていた。
「おや、アシェンバート伯爵。暴漢でも突入してきたかと思いましたよ」
レイヴンに掴まれている男は確かに偽物だった。高貴さがない。
「違う……、子爵、それどころじゃ……、あなたをさがしてたんだ」
その言葉に黙って聞いていたキャロラインの顔が険しくなる。偽伯爵で害は当分ないと思っていたが、兄を探しているとなるとまた話は別だ。
「何の用です?」
キャロラインが訊く前に兄が訊いた。
「で、出たんだよ、幽霊が…」
「幽霊?」
「ここに幽霊が出るというの?」
兄妹は幽霊という言葉に疑問を感じた。
「おい、いい加減離してくれ」
偽伯爵が文句を言った。
「レイヴン、もういいよ」
エドガーが言うとレイヴンは偽伯爵を離した。
「テリーサ嬢に求婚に来た方が、今更幽霊に驚くとは」
「そ、それとこれとは……。人を襲う幽霊だぞ!」
乱れたネクタイも気にしないのかエドガーの方に身を乗り出す。
「襲われたので? 美女でしたか?」
「そこ、気にするところ?」
キャロラインは呆れた。
こういう時に気にするべきところだろうか。
ミスティアとクリスティナも呆れた顔をした。
「こ、殺されたんだ!」
「ということはあなたも幽霊に」
「それともどなたか別の方が幽霊になったの?」
今度はキャロラインが訊いた。
「違う! 幽霊にはなってない! 殺されたのは私じゃなくてスタンレー卿だ! 彼の部屋が血だらけになって……」
テリーサが「血……?」と怯える。
そこでようやく偽伯爵はテリーサがいることに気づいたが、それより重要なことがあると遭遇したことについて話した。
「私の隣の部屋なんだが、ひどい物音がして、うるさいと文句を言おうと訪ねて行ったら、部屋中血だらけだったんだ」
「なるほど」
兄は血とか見慣れているので淡泊な反応だ。
キャロラインも血ぐらいで倒れるようなかわいい神経は持っていない。
ミスティアとクリスティナも聞いた話だと戦場にいたような話だったし、部屋が血だらけぐらいは平気なのだろう。
「なるほどじゃないでしょう。殺人事件だ」
そんなことを知らない偽伯爵は平気なエドガーたちが信じられないようだ。
「仮にいう通りだったとして、あなたが犯人だった場合、一緒に卿の部屋に駆け付けた僕が二人目の犠牲者になるかもしれないわけだけど」
「確かにあなたの言うことを完全に信じられるわけでもないし……」
「証拠がなきゃね……」
「あなたが殺人犯という疑念も消せてないし」
キャロラインたちはエドガーに同意した。
「はあっ!? なんで私が!」
伯爵は疑われていることに驚いているようだ。
「もちろん、テリーサ嬢を独占するために。ほかの求婚者たちは邪魔でしょう?」
「そんなことするわけないだろう!」
男は否定した。
(今のところただの間抜けだけど……。プリンスの手先じゃないという疑念も消せないしねえ……)
キャロラインは男を眺めながらそう思った。
「じゃあ、どうして僕を探すんです?」
「そうね、お兄さまを探す理由は? この屋敷の方だっていいはずだわ」
特にオスカーという甥っ子がいたはずだ。
幼いが、場をしきれないほど幼いという年齢でもない。
「……なんとなく頼りになりそうな気がして」
そう言って男は頭をかいた。
これが演技なら素晴らしいものだといえる。
「とにかく、卿の部屋で幽霊を見たんだ。白っぽい影がふわりと消えて……。ここは幽霊屋敷に違いないんだ」
「見間違えでは?」
冷静にミスティアが言った。
「影だけでは幽霊だと言えないわ。別のものを見間違えた可能性もある」
クリスティナが頷く。
「確かにミスティア姉上とクリスティナ姉上の言う通り、影だけではね。夜だし暗いし、見間違えた可能性が高いでしょう」
「人間の人殺しが、あんなに部屋中血だらけにするのか? 普通じゃないだろ」
「普通でない人間もいるけどね」
「お兄さまの言う通り、普通じゃない人間かどこかおかしくなった人間の仕業という可能性もあるわ」
キャロラインは普通でない存在を英国に帰国してから見てきた。リディアはフェアリードクターで普通のくくりではないし、ミスティアとクリスティナは時を超えて眠っていた時点で普通ではない。それにプリンスの組織だって普通じゃない術を使う。さらにキャロライン自身も普通ではないかもしれないのだ。
「まあとりあえず見てみましょうか」
しばらく考え込んだエドガーが言った。
なぜかついていくというテリーサを伴ってキャロラインたちは部屋を見に行くことにした。
偽伯爵だ。
「うわっ……! や、やめてくれ」
男はうめいた。
それをエドガーが見下ろしていた。
「おや、アシェンバート伯爵。暴漢でも突入してきたかと思いましたよ」
レイヴンに掴まれている男は確かに偽物だった。高貴さがない。
「違う……、子爵、それどころじゃ……、あなたをさがしてたんだ」
その言葉に黙って聞いていたキャロラインの顔が険しくなる。偽伯爵で害は当分ないと思っていたが、兄を探しているとなるとまた話は別だ。
「何の用です?」
キャロラインが訊く前に兄が訊いた。
「で、出たんだよ、幽霊が…」
「幽霊?」
「ここに幽霊が出るというの?」
兄妹は幽霊という言葉に疑問を感じた。
「おい、いい加減離してくれ」
偽伯爵が文句を言った。
「レイヴン、もういいよ」
エドガーが言うとレイヴンは偽伯爵を離した。
「テリーサ嬢に求婚に来た方が、今更幽霊に驚くとは」
「そ、それとこれとは……。人を襲う幽霊だぞ!」
乱れたネクタイも気にしないのかエドガーの方に身を乗り出す。
「襲われたので? 美女でしたか?」
「そこ、気にするところ?」
キャロラインは呆れた。
こういう時に気にするべきところだろうか。
ミスティアとクリスティナも呆れた顔をした。
「こ、殺されたんだ!」
「ということはあなたも幽霊に」
「それともどなたか別の方が幽霊になったの?」
今度はキャロラインが訊いた。
「違う! 幽霊にはなってない! 殺されたのは私じゃなくてスタンレー卿だ! 彼の部屋が血だらけになって……」
テリーサが「血……?」と怯える。
そこでようやく偽伯爵はテリーサがいることに気づいたが、それより重要なことがあると遭遇したことについて話した。
「私の隣の部屋なんだが、ひどい物音がして、うるさいと文句を言おうと訪ねて行ったら、部屋中血だらけだったんだ」
「なるほど」
兄は血とか見慣れているので淡泊な反応だ。
キャロラインも血ぐらいで倒れるようなかわいい神経は持っていない。
ミスティアとクリスティナも聞いた話だと戦場にいたような話だったし、部屋が血だらけぐらいは平気なのだろう。
「なるほどじゃないでしょう。殺人事件だ」
そんなことを知らない偽伯爵は平気なエドガーたちが信じられないようだ。
「仮にいう通りだったとして、あなたが犯人だった場合、一緒に卿の部屋に駆け付けた僕が二人目の犠牲者になるかもしれないわけだけど」
「確かにあなたの言うことを完全に信じられるわけでもないし……」
「証拠がなきゃね……」
「あなたが殺人犯という疑念も消せてないし」
キャロラインたちはエドガーに同意した。
「はあっ!? なんで私が!」
伯爵は疑われていることに驚いているようだ。
「もちろん、テリーサ嬢を独占するために。ほかの求婚者たちは邪魔でしょう?」
「そんなことするわけないだろう!」
男は否定した。
(今のところただの間抜けだけど……。プリンスの手先じゃないという疑念も消せないしねえ……)
キャロラインは男を眺めながらそう思った。
「じゃあ、どうして僕を探すんです?」
「そうね、お兄さまを探す理由は? この屋敷の方だっていいはずだわ」
特にオスカーという甥っ子がいたはずだ。
幼いが、場をしきれないほど幼いという年齢でもない。
「……なんとなく頼りになりそうな気がして」
そう言って男は頭をかいた。
これが演技なら素晴らしいものだといえる。
「とにかく、卿の部屋で幽霊を見たんだ。白っぽい影がふわりと消えて……。ここは幽霊屋敷に違いないんだ」
「見間違えでは?」
冷静にミスティアが言った。
「影だけでは幽霊だと言えないわ。別のものを見間違えた可能性もある」
クリスティナが頷く。
「確かにミスティア姉上とクリスティナ姉上の言う通り、影だけではね。夜だし暗いし、見間違えた可能性が高いでしょう」
「人間の人殺しが、あんなに部屋中血だらけにするのか? 普通じゃないだろ」
「普通でない人間もいるけどね」
「お兄さまの言う通り、普通じゃない人間かどこかおかしくなった人間の仕業という可能性もあるわ」
キャロラインは普通でない存在を英国に帰国してから見てきた。リディアはフェアリードクターで普通のくくりではないし、ミスティアとクリスティナは時を超えて眠っていた時点で普通ではない。それにプリンスの組織だって普通じゃない術を使う。さらにキャロライン自身も普通ではないかもしれないのだ。
「まあとりあえず見てみましょうか」
しばらく考え込んだエドガーが言った。
なぜかついていくというテリーサを伴ってキャロラインたちは部屋を見に行くことにした。
