エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 プロポーズはお手やわらかに
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「消えた!」
「本物の妖精だ!」
あたりがエドガーが消えたことで騒めく。
「やってくれたわね、エドガー」
ミスティアが半分感心しているような呆れたような感情で呟いた。
「妖精を利用するなんてね……」
妖精を利用することで自分が青騎士伯爵だと印象付けようとしたのだろう。
我が兄ながらすごいなと思うが、それより先にやる事がある。
「“朱い月”の諸君、先程お兄さまが言ったとおり、良く考えて返事をちょうだい! 青騎士伯爵の名は使えると思うし、プリンスのやり口も知れるメリットもあると思うわよ?」
そう言ってキャロラインは会員たちを見渡した。
返事はないが、心は揺れているのは感じる。
ただ一つ気になる事があるというのは分かった。
「……一つ聞きたい事があります、レディ・キャロライン」
ポールが少し悩みながらもキャロラインに質問する
「何かしら?」
訊きたい質問は分かっていた。
「あなたがあの伯爵の妹でかつての公爵令嬢だというのは分かります。だけど公爵家に年長の女の子二人はいなかったはずです……」
「ああ。なるほど」
キャロラインは頷く。かつての公爵家を知っているのならミスティアとクリスティナの存在を疑問に思うのも無理はない。
「彼女はミスティア・シェーンブルンとクリスティナ・サンスーシーです。ある事情で私たちを見守るために便宜上姉として伯爵家にいます」
キャロラインはポールにミスティアとクリスティナを紹介した。
「ミスティア・シェーンブルンです。お見知りおきを」
「クリスティナ・サンスーシーです。私とミスティアは双子の姉妹で、旧姓はアシェンバートです」
クリスティナの言葉に一斉に団員が動きを止めたのが分かった。
「アシェンバート……?」
ポールが戸惑うのがわかる。
「さっき青騎士伯爵の血筋は残っていたみたいな話をしていたじゃない? その通りよ。血筋は残っていた。私たちは継承権はもうないけど血は引いている。そういう事よ」
ミスティアの言葉にあたりが騒めく。
「レディ・キャロライン、本当なんですか?」
ポールが訊いてくる。
「嘘は言っていないと思うわ」
何となくだが会った時から彼女たちは嘘がついていない。
限りなく本流に近い血を引いているのも事実だろうし、継承権は”今はないというのも事実だろう。
「嘘はついていないと?」
「ええ。何となくだけどね……。私の中の感覚がそう言っている」
あいまいな感覚だから絶対とは言い切れないが、二人は伯爵家のためになる事をしてくれたのは事実だし、敵じゃないのも事実だろう。ただ隠し事がいくつかあるのがちょっと気になるところだ。
「なるほど偉大なる力 の片鱗というやつですか……。しかし血を引いていないはずのあなたにその力があるのは……」
スレイドが興味深げにキャロラインを見る。
「偉大なる力と伯爵家に何か関係が?」
キャロラインが訊くと朱い月のメンバーは互いに顔を見合わせた。
「私が話しましょう」
先程いろいろ伯爵家について話してくれたファーマンが進み出た。
「詳しくはないのです。偉大なる力 とは精霊を宿した人物が持つ力のことです。妖精の力を使え、ほとんど何でもできるとか……。ここまではご存じのようですな」
「ええ」
リディアから聞いたことがほとんどだが、シーリーコートとアンシーリーコートという両方の妖精の力を使えることは知っている。しかも宿っている妖精がかなりの上位精霊なせいでほとんど何でもできるのだとか。
「ここからは一般には知られていませんが、偉大なる力 の持ち主は青騎士伯爵に縁がある人物に宿っていることが多かったとか。妖精に通じていなければいけないと考えた精霊がその縁者に力を宿すことを決めたのだといわれております。ただ貴女は青騎士伯爵に縁があるわけではない。恐れながらその力は生まれつき?」
「おそらくそうだと思う……。プリンスは私の力を奪おうとしたこともあったけど、魂と引っ付いているから引き抜けなかったのだし、引き抜こうとしたら力が失われる可能性があったのだもの……」
これまでのことを思い返して呟く。
「魂と……。いや、しかし……。……あなたのお兄さまが青騎士伯爵を名乗ったのも運命だというのか……」
ファーマンが呟く。
周りも再度ざわざわし始める。
魂とつながっていると言うところで何か騒ぐようなことでもあったらしい。
「ねえ、訊くべきことは聞けたでしょ?」
クリスティナの言葉に朱い月のメンバーは頷く。
「それじゃあそろそろ戻らないとね。うまくいけばエドガーたちは伯爵邸に戻ってくるわ。その前に帰ってなきゃね」
ミスティアが片目をつぶって言った。
「あ、僕、出口まで送ります……!」
その言葉にポールが慌てたように言った。
「ありがとう。それじゃあ、諸君。お兄さまが言ったことちゃんと考えといてね!」
さっきと違って肯定的な反応だったのでキャロラインは満足した。
きっと彼らは兄と共に歩んでくれる。
そう確信したのだった。
「本物の妖精だ!」
あたりがエドガーが消えたことで騒めく。
「やってくれたわね、エドガー」
ミスティアが半分感心しているような呆れたような感情で呟いた。
「妖精を利用するなんてね……」
妖精を利用することで自分が青騎士伯爵だと印象付けようとしたのだろう。
我が兄ながらすごいなと思うが、それより先にやる事がある。
「“朱い月”の諸君、先程お兄さまが言ったとおり、良く考えて返事をちょうだい! 青騎士伯爵の名は使えると思うし、プリンスのやり口も知れるメリットもあると思うわよ?」
そう言ってキャロラインは会員たちを見渡した。
返事はないが、心は揺れているのは感じる。
ただ一つ気になる事があるというのは分かった。
「……一つ聞きたい事があります、レディ・キャロライン」
ポールが少し悩みながらもキャロラインに質問する
「何かしら?」
訊きたい質問は分かっていた。
「あなたがあの伯爵の妹でかつての公爵令嬢だというのは分かります。だけど公爵家に年長の女の子二人はいなかったはずです……」
「ああ。なるほど」
キャロラインは頷く。かつての公爵家を知っているのならミスティアとクリスティナの存在を疑問に思うのも無理はない。
「彼女はミスティア・シェーンブルンとクリスティナ・サンスーシーです。ある事情で私たちを見守るために便宜上姉として伯爵家にいます」
キャロラインはポールにミスティアとクリスティナを紹介した。
「ミスティア・シェーンブルンです。お見知りおきを」
「クリスティナ・サンスーシーです。私とミスティアは双子の姉妹で、旧姓はアシェンバートです」
クリスティナの言葉に一斉に団員が動きを止めたのが分かった。
「アシェンバート……?」
ポールが戸惑うのがわかる。
「さっき青騎士伯爵の血筋は残っていたみたいな話をしていたじゃない? その通りよ。血筋は残っていた。私たちは継承権はもうないけど血は引いている。そういう事よ」
ミスティアの言葉にあたりが騒めく。
「レディ・キャロライン、本当なんですか?」
ポールが訊いてくる。
「嘘は言っていないと思うわ」
何となくだが会った時から彼女たちは嘘がついていない。
限りなく本流に近い血を引いているのも事実だろうし、継承権は”今はないというのも事実だろう。
「嘘はついていないと?」
「ええ。何となくだけどね……。私の中の感覚がそう言っている」
あいまいな感覚だから絶対とは言い切れないが、二人は伯爵家のためになる事をしてくれたのは事実だし、敵じゃないのも事実だろう。ただ隠し事がいくつかあるのがちょっと気になるところだ。
「なるほど
スレイドが興味深げにキャロラインを見る。
「偉大なる力と伯爵家に何か関係が?」
キャロラインが訊くと朱い月のメンバーは互いに顔を見合わせた。
「私が話しましょう」
先程いろいろ伯爵家について話してくれたファーマンが進み出た。
「詳しくはないのです。
「ええ」
リディアから聞いたことがほとんどだが、シーリーコートとアンシーリーコートという両方の妖精の力を使えることは知っている。しかも宿っている妖精がかなりの上位精霊なせいでほとんど何でもできるのだとか。
「ここからは一般には知られていませんが、
「おそらくそうだと思う……。プリンスは私の力を奪おうとしたこともあったけど、魂と引っ付いているから引き抜けなかったのだし、引き抜こうとしたら力が失われる可能性があったのだもの……」
これまでのことを思い返して呟く。
「魂と……。いや、しかし……。……あなたのお兄さまが青騎士伯爵を名乗ったのも運命だというのか……」
ファーマンが呟く。
周りも再度ざわざわし始める。
魂とつながっていると言うところで何か騒ぐようなことでもあったらしい。
「ねえ、訊くべきことは聞けたでしょ?」
クリスティナの言葉に朱い月のメンバーは頷く。
「それじゃあそろそろ戻らないとね。うまくいけばエドガーたちは伯爵邸に戻ってくるわ。その前に帰ってなきゃね」
ミスティアが片目をつぶって言った。
「あ、僕、出口まで送ります……!」
その言葉にポールが慌てたように言った。
「ありがとう。それじゃあ、諸君。お兄さまが言ったことちゃんと考えといてね!」
さっきと違って肯定的な反応だったのでキャロラインは満足した。
きっと彼らは兄と共に歩んでくれる。
そう確信したのだった。