エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 プロポーズはお手やわらかに
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「リディアが顧問フェアリードクターをやめる!? なんで!?」
話を聞いたキャロラインは仰天した。
「教授は向こう側を選んだからと言っていた」
向こう側。妖精界のことだろう。
でもなぜそんな急に向こう側を選んだのだろうか。
「どうして!? 理由は?」
「それは僕も知らない。ニコ、君なら理由を知っているだろう。話してくれ」
熱いミルクティーとチョコレートを用意させてリディアの猫のニコに話を振る。彼は唯の猫ではないのだろう。向こう側の存在だ。そう確信しているから話を振った。
ニコが話してくれたことによるとエドガーの毒を治療するためにケルピーと取引をして、その見返りとして結婚を承諾したのだという。
「それじゃあリディアは僕を助けるためにケルピーとの結婚を承諾したっていうのか?」
「あんたを助けるためっていうよりフェアリードクターの責任感とリディアの性分だと俺は思うけどな」
ニコが言った。
「僕を助けるためにあの野蛮な妖精の元に言ってしまうだなんて……」
「違うって」
エドガーの言葉にニコが突っ込むが、エドガーとニコ以外はだれも聞いていなかった。
「なんて無茶を……!」
クリスティナは話を聞いてリディアの無茶に顔をしかめていたし、
「治療のためにアンシーリーコートであるケルピーと結婚を承諾なんて、危険よ……!」
ミスティアもクリスティナに賛同して同じく顔をしかめていた。
「リディア……」
エドガーとニコのやり取りを聞き流しながらキャロラインは昨日リディアを止められなかったことを悔いていた。
(お兄さまのためにここまでしてくれるなんて……)
利用したしおとりにもしたのにここまでしてくれるリディアの性分にキャロラインはなんてお人よしなのだろうと思った。
(もしもお兄さまがリディアに本気になったら私はきっと応援すると思う)
というよりぜひ、兄とくっついてもらえたらと思った。ここまで兄を助け、内面に踏み込もうとする女性は二度と現れないだろうと思う。
(リディアを逃したら幸せになれない気もしているし……)
応援しようかなと思った。
そう考えているうちに妖精界にリディアを助けに行こうとエドガーは策を練っていた。
そのために女王の場所へ案内してもらいたいと言う話を聞いてキャロラインはびっくりした。
「妖精女王の元へ行くつもり?」
兄を睨む。
「あんたがよくできた詐欺師だろうと人間同士のやり方は通用しないぞ。リディアを連れ戻すどころか、妖精女王にとらわれるだけだ」
ニコがとめようとする。
「ちょっとニコさん、邪魔しないでくださいな。せっかく伯爵が女王さまと結婚する気になってくださったんですよ」
マリーゴールドがニコのしっぽをつかんでとめる。
「おい、こいつはそんな気なんてない……」
言いかけたニコの口を止めてエドガーはすぐに準備できるのか訊いた。
マリーゴールドは月の指輪が必要だといった。“月”と共に誓いを交わさなければならないと以前の青騎士伯爵が言ったからだという。
それに彼は少し考え込んだようだった。
(またろくでもない方法を考えているわね……)
兄の魂胆を察したキャロラインは嘆息する。兄はキャロラインが及ばないほどとびっきりの悪党なのだから。それに子供のころから大人たちを手玉に取っているところがあった。
そう言うところは変わらないなと思ってしまう。
やがて兄は指輪を取り戻そうといった。
「つか、何企んでいるんだよ!」
ニコが叫ぶ。
「何かを企んでいるんでしょうね。でもなるようにしかならないわ」
ミスティアが首を横に振る。
「レイヴン、出かける用意を。それから宝剣を持ってきてくれ」
そうエドガーはレイヴンに伝えた。
それと同時にニコたちは準備だとどこかへ行ってしまった。
「指輪を取り戻しに行くのね? 私も行くわよ」
キャロラインは宣言した。
「私も!」
「私もよ」
ミスティアとクリスティナも頷く。
「ありがたいけど、朱い月の拠点には別のところから潜入してもらうよ。表立って行ってはあらぬ噂を立てられるからね」
確かにクラブは大体が男性のものだ。表立って行くのは良くないことだろうし、追い返される可能性が高い。
だからこっそり裏口から入ろうというわけだ。
「分かった。お兄さまはレイヴンと行って。私はシエルとクロウと一緒にお姉さま方と入る」
「頼むよ」
兄は頷いた。
「それでなんで急に妖精女王と結婚なんて?」
ミスティアが訊いてくる。
「考えたんだ。白いムーンストーンの指輪は青騎士伯爵とその妃の誓いとする決まり事があったんじゃないかって。だからこの“誓約”を利用する」
「……あなたって悪知恵が働くのね! でも悪くないわ」
ミスティアがくすくすと笑う。
「あなたの言っていることは悪くないわ。ムーンストーンも喜ぶと思うわよ」
クリスティナは満面の笑みだ。
ムーンストーンが青騎士伯爵からその妃に渡されるものだと気づいた。それを使って妖精の求婚とリディアを助けるつもりなのだ。
「さて白い指輪を取り戻す手伝いをしましょうかね!」
ミスティアはくすくす笑いをやめていった。
「お兄さま、変なことはしないでよね? ちゃんとリディアを連れ帰って」
「もちろんだとも」
キャロラインの言葉にエドガーは頷いた。
話を聞いたキャロラインは仰天した。
「教授は向こう側を選んだからと言っていた」
向こう側。妖精界のことだろう。
でもなぜそんな急に向こう側を選んだのだろうか。
「どうして!? 理由は?」
「それは僕も知らない。ニコ、君なら理由を知っているだろう。話してくれ」
熱いミルクティーとチョコレートを用意させてリディアの猫のニコに話を振る。彼は唯の猫ではないのだろう。向こう側の存在だ。そう確信しているから話を振った。
ニコが話してくれたことによるとエドガーの毒を治療するためにケルピーと取引をして、その見返りとして結婚を承諾したのだという。
「それじゃあリディアは僕を助けるためにケルピーとの結婚を承諾したっていうのか?」
「あんたを助けるためっていうよりフェアリードクターの責任感とリディアの性分だと俺は思うけどな」
ニコが言った。
「僕を助けるためにあの野蛮な妖精の元に言ってしまうだなんて……」
「違うって」
エドガーの言葉にニコが突っ込むが、エドガーとニコ以外はだれも聞いていなかった。
「なんて無茶を……!」
クリスティナは話を聞いてリディアの無茶に顔をしかめていたし、
「治療のためにアンシーリーコートであるケルピーと結婚を承諾なんて、危険よ……!」
ミスティアもクリスティナに賛同して同じく顔をしかめていた。
「リディア……」
エドガーとニコのやり取りを聞き流しながらキャロラインは昨日リディアを止められなかったことを悔いていた。
(お兄さまのためにここまでしてくれるなんて……)
利用したしおとりにもしたのにここまでしてくれるリディアの性分にキャロラインはなんてお人よしなのだろうと思った。
(もしもお兄さまがリディアに本気になったら私はきっと応援すると思う)
というよりぜひ、兄とくっついてもらえたらと思った。ここまで兄を助け、内面に踏み込もうとする女性は二度と現れないだろうと思う。
(リディアを逃したら幸せになれない気もしているし……)
応援しようかなと思った。
そう考えているうちに妖精界にリディアを助けに行こうとエドガーは策を練っていた。
そのために女王の場所へ案内してもらいたいと言う話を聞いてキャロラインはびっくりした。
「妖精女王の元へ行くつもり?」
兄を睨む。
「あんたがよくできた詐欺師だろうと人間同士のやり方は通用しないぞ。リディアを連れ戻すどころか、妖精女王にとらわれるだけだ」
ニコがとめようとする。
「ちょっとニコさん、邪魔しないでくださいな。せっかく伯爵が女王さまと結婚する気になってくださったんですよ」
マリーゴールドがニコのしっぽをつかんでとめる。
「おい、こいつはそんな気なんてない……」
言いかけたニコの口を止めてエドガーはすぐに準備できるのか訊いた。
マリーゴールドは月の指輪が必要だといった。“月”と共に誓いを交わさなければならないと以前の青騎士伯爵が言ったからだという。
それに彼は少し考え込んだようだった。
(またろくでもない方法を考えているわね……)
兄の魂胆を察したキャロラインは嘆息する。兄はキャロラインが及ばないほどとびっきりの悪党なのだから。それに子供のころから大人たちを手玉に取っているところがあった。
そう言うところは変わらないなと思ってしまう。
やがて兄は指輪を取り戻そうといった。
「つか、何企んでいるんだよ!」
ニコが叫ぶ。
「何かを企んでいるんでしょうね。でもなるようにしかならないわ」
ミスティアが首を横に振る。
「レイヴン、出かける用意を。それから宝剣を持ってきてくれ」
そうエドガーはレイヴンに伝えた。
それと同時にニコたちは準備だとどこかへ行ってしまった。
「指輪を取り戻しに行くのね? 私も行くわよ」
キャロラインは宣言した。
「私も!」
「私もよ」
ミスティアとクリスティナも頷く。
「ありがたいけど、朱い月の拠点には別のところから潜入してもらうよ。表立って行ってはあらぬ噂を立てられるからね」
確かにクラブは大体が男性のものだ。表立って行くのは良くないことだろうし、追い返される可能性が高い。
だからこっそり裏口から入ろうというわけだ。
「分かった。お兄さまはレイヴンと行って。私はシエルとクロウと一緒にお姉さま方と入る」
「頼むよ」
兄は頷いた。
「それでなんで急に妖精女王と結婚なんて?」
ミスティアが訊いてくる。
「考えたんだ。白いムーンストーンの指輪は青騎士伯爵とその妃の誓いとする決まり事があったんじゃないかって。だからこの“誓約”を利用する」
「……あなたって悪知恵が働くのね! でも悪くないわ」
ミスティアがくすくすと笑う。
「あなたの言っていることは悪くないわ。ムーンストーンも喜ぶと思うわよ」
クリスティナは満面の笑みだ。
ムーンストーンが青騎士伯爵からその妃に渡されるものだと気づいた。それを使って妖精の求婚とリディアを助けるつもりなのだ。
「さて白い指輪を取り戻す手伝いをしましょうかね!」
ミスティアはくすくす笑いをやめていった。
「お兄さま、変なことはしないでよね? ちゃんとリディアを連れ帰って」
「もちろんだとも」
キャロラインの言葉にエドガーは頷いた。