エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 プロポーズはお手やわらかに
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夕方になって医者が帰ると屋敷の中は静かになった。
何かのうねりがまだ聞こえていて不安にさせるが、先程ほどの動揺は感じなかった。ただ兄の無事を祈るだけだ。
ただレイヴンによると神経毒を使われ、複合的に調合したものなので解毒剤はないとのことだった。
リディアはそれをきいて動揺しているようだった。
そしてレイヴンはリディアにポールにエドガーが執着しているのは昔の自分を知るからだと説明した。
「……あたしもいけなかったの。ポールさんと望めば和解できるはずだって、エドガーに言ったわ。今考えればエドガーは彼を敵だと切り捨てるべきか迷っていたのかもしれない。なんだか様子が変だったもの。だからあたしが変なことを言わなければ彼に会っても油断しなかったかも」
リディアは後悔しているようだ。
「あなたのせいではありません。エドガーさまは自分で決めます」
レイヴンがリディアのせいではないといった。
キャロラインもそれは同感だ。
「レイヴンの言う通りよ。あなたのせいじゃないわ。お兄さまが一度決めたことは誰にも止められないわ。……頑固だから……」
最後の方はささやくようだった。
そう。兄は自分でポールに会うことを決めたのだ。その結果、刺されて倒れることになったが、刺したのは女で彼ではなかった。それどころかここに馬車を運ぶように手配をした。
(ポールはきっと何かを悟ったんだわ……)
キャロラインはそう思った。
沈黙が続いた。
「リディアさん、エドガーさまに会われますか?」
「看病の邪魔にならない?」
「きっと会いたがっていると思います」
レイヴンが言った。
「会いに行ってあげて、リディア。お兄さまはあなたに会いたがっているわ」
二人の言葉に頷くとリディアは中に入っていった。
「リディア。お兄さまをお願い……」
廊下にキャロラインの声が響いた。
しばらくすると兄の部屋から出てくるリディアを見た。
彼女は何か決意した表情でどこかへ向かって、しばらくすると戻ってきた。
伯爵邸は不気味なほど静かだった。
ドアの開閉する音がして、もう一度リディアが出てきた。
「大丈夫よ。あなたのお兄さまはもう毒の影響はないわ」
安心させるようにリディアが言った。
「本当? でも解毒できないって……」
それが本当だったらどれだけ嬉しいだろう。
「私はフェアリードクターよ。……妖精と取引をしたの。だから大丈夫。明日の朝目覚めてくれるわ」
「……そう……」
結果は明日の朝分かるだろうと思った。
「だからキャロライン。これまでと同じくエドガーを支えてあげてね」
「え?」
リディアの言葉がそれまでとは違った感じでキャロラインは戸惑った。
まるでもう彼女は兄に二度と会えないように聞こえるではないか。
「さよなら、キャロライン」
「待……!」
手の届かない人になってしまった気がして引き留めようとするが届かなかった。
もう二度と会えない。そんな嫌な予感がキャロラインを包んだ。
何かのうねりがまだ聞こえていて不安にさせるが、先程ほどの動揺は感じなかった。ただ兄の無事を祈るだけだ。
ただレイヴンによると神経毒を使われ、複合的に調合したものなので解毒剤はないとのことだった。
リディアはそれをきいて動揺しているようだった。
そしてレイヴンはリディアにポールにエドガーが執着しているのは昔の自分を知るからだと説明した。
「……あたしもいけなかったの。ポールさんと望めば和解できるはずだって、エドガーに言ったわ。今考えればエドガーは彼を敵だと切り捨てるべきか迷っていたのかもしれない。なんだか様子が変だったもの。だからあたしが変なことを言わなければ彼に会っても油断しなかったかも」
リディアは後悔しているようだ。
「あなたのせいではありません。エドガーさまは自分で決めます」
レイヴンがリディアのせいではないといった。
キャロラインもそれは同感だ。
「レイヴンの言う通りよ。あなたのせいじゃないわ。お兄さまが一度決めたことは誰にも止められないわ。……頑固だから……」
最後の方はささやくようだった。
そう。兄は自分でポールに会うことを決めたのだ。その結果、刺されて倒れることになったが、刺したのは女で彼ではなかった。それどころかここに馬車を運ぶように手配をした。
(ポールはきっと何かを悟ったんだわ……)
キャロラインはそう思った。
沈黙が続いた。
「リディアさん、エドガーさまに会われますか?」
「看病の邪魔にならない?」
「きっと会いたがっていると思います」
レイヴンが言った。
「会いに行ってあげて、リディア。お兄さまはあなたに会いたがっているわ」
二人の言葉に頷くとリディアは中に入っていった。
「リディア。お兄さまをお願い……」
廊下にキャロラインの声が響いた。
しばらくすると兄の部屋から出てくるリディアを見た。
彼女は何か決意した表情でどこかへ向かって、しばらくすると戻ってきた。
伯爵邸は不気味なほど静かだった。
ドアの開閉する音がして、もう一度リディアが出てきた。
「大丈夫よ。あなたのお兄さまはもう毒の影響はないわ」
安心させるようにリディアが言った。
「本当? でも解毒できないって……」
それが本当だったらどれだけ嬉しいだろう。
「私はフェアリードクターよ。……妖精と取引をしたの。だから大丈夫。明日の朝目覚めてくれるわ」
「……そう……」
結果は明日の朝分かるだろうと思った。
「だからキャロライン。これまでと同じくエドガーを支えてあげてね」
「え?」
リディアの言葉がそれまでとは違った感じでキャロラインは戸惑った。
まるでもう彼女は兄に二度と会えないように聞こえるではないか。
「さよなら、キャロライン」
「待……!」
手の届かない人になってしまった気がして引き留めようとするが届かなかった。
もう二度と会えない。そんな嫌な予感がキャロラインを包んだ。