エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 プロポーズはお手やわらかに
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(ポールはお父さまの死後、ファーマンという画家の養子になったんだわ……)
苗字が違う理由は分かった。
そしてオニールは殺されたという息子の言葉。
おそらく公爵家に近い画家だったからプリンスに消されたのだ。自分と兄の顔を知っているから。
(もう幼いころのお兄さまを知っているのは唯一の家族である私と……。ポールだけ……)
だからポールを支援しようとしているのだろうか。
ぼんやりと考える。
「お兄さまはポールに会いに行ったのかしら……」
ぼんやりと呟くと身体を嫌な予感が貫いた。
「え? 何、この感覚……。嫌。嫌よ……」
自分にとって大事な人に何かがあったと感じる。それが嫌で首を横に振る。
それに何かのうねりが聞こえる。
そのうねりも嫌な感覚を示していた。
「キャロライン! 宝剣が嫌な感じに唸っているわ!」
ノックもせずにミスティアが入ってきたが、キャロラインは気にしなかった。
彼女はどこか焦っている気がした。
「エドガーに何かあったのかしら?」
クリスティナも焦っているようだ。
やがて玄関がざわざわと騒がしくなった。
何かあったのかと玄関ホールに向かうと固く目を閉じられた兄が運ばれてくるのが見える。
「お兄さま!」
キャロラインは悲鳴をあげる。
「ねえ、目を覚まして! こんなところで倒れている場合じゃないでしょ!」
「落ち着いてください、キャロラインさま!」
慌てて駆け寄るが、クロウがとめる。
「どいて、クロウ! お兄さまが!」
「ここで駆け寄ってもエドガーさまは良くなりません。まずは安静にして頂かないと……」
そう言うクロウの手は固く握り閉められていて彼も動揺しているのがわかる。
「それよりも医者を呼ばないと。トムキンス、医者を!」
ミスティアが指示を出す。
「は、はい……!」
トムキンスは頷くとばたばたと医者を呼びにいった。
「これで大丈夫だといいけど……」
不安そうにミスティアが呟く。
「毒、よね……。治るといいけど……」
寝室に運ばれているエドガーを見てクリスティナも不安だ。
「キャロライン。あなたのお兄さまの生命力の強さを信じましょう……」
そっとミスティアが慰める。
「……お兄さま……」
キャロラインは泣いていた。
どうしてあの時出かけるのを止めなかったのだろう。不安を感じていたのにもっと兄に忠告しなかったのだろう。
後から後悔を感じてしまう。
涙が止まらなかった
(ポールはお父さまの死後、ファーマンという画家の養子になったんだわ……)
苗字が違う理由は分かった。
そしてオニールは殺されたという息子の言葉。
おそらく公爵家に近い画家だったからプリンスに消されたのだ。自分と兄の顔を知っているから。
(もう幼いころのお兄さまを知っているのは唯一の家族である私と……。ポールだけ……)
だからポールを支援しようとしているのだろうか。
ぼんやりと考える。
「お兄さまはポールに会いに行ったのかしら……」
ぼんやりと呟くと身体を嫌な予感が貫いた。
「え? 何、この感覚……。嫌。嫌よ……」
自分にとって大事な人に何かがあったと感じる。それが嫌で首を横に振る。
それに何かのうねりが聞こえる。
そのうねりも嫌な感覚を示していた。
「キャロライン! 宝剣が嫌な感じに唸っているわ!」
ノックもせずにミスティアが入ってきたが、キャロラインは気にしなかった。
彼女はどこか焦っている気がした。
「エドガーに何かあったのかしら?」
クリスティナも焦っているようだ。
やがて玄関がざわざわと騒がしくなった。
何かあったのかと玄関ホールに向かうと固く目を閉じられた兄が運ばれてくるのが見える。
「お兄さま!」
キャロラインは悲鳴をあげる。
「ねえ、目を覚まして! こんなところで倒れている場合じゃないでしょ!」
「落ち着いてください、キャロラインさま!」
慌てて駆け寄るが、クロウがとめる。
「どいて、クロウ! お兄さまが!」
「ここで駆け寄ってもエドガーさまは良くなりません。まずは安静にして頂かないと……」
そう言うクロウの手は固く握り閉められていて彼も動揺しているのがわかる。
「それよりも医者を呼ばないと。トムキンス、医者を!」
ミスティアが指示を出す。
「は、はい……!」
トムキンスは頷くとばたばたと医者を呼びにいった。
「これで大丈夫だといいけど……」
不安そうにミスティアが呟く。
「毒、よね……。治るといいけど……」
寝室に運ばれているエドガーを見てクリスティナも不安だ。
「キャロライン。あなたのお兄さまの生命力の強さを信じましょう……」
そっとミスティアが慰める。
「……お兄さま……」
キャロラインは泣いていた。
どうしてあの時出かけるのを止めなかったのだろう。不安を感じていたのにもっと兄に忠告しなかったのだろう。
後から後悔を感じてしまう。
涙が止まらなかった