エドガーの妹です。たった一人の家族のことをとても大事に思ってます。
もう一つの物語 プロポーズはお手やわらかに
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ダンスホールを一組の男女が踊る。
薄い紫色のドレスに金髪を結い上げた美少女で主催者の妹、キャロライン・アシェンバートと黒髪に灰色の瞳の青年、ダール公爵の子息でダールトン侯爵の儀礼称号を持つロバート・ダール。
二人は優雅に美しく踊る。
そんな二人を人々は様々な視線で見る。
「目立っているね」
「そうかしら? 私たちはそういった視線で見られることは多いでしょう?」
「そ、そうだね」
君たちほどじゃないけどねと思いつつロバートは頷いた。
「ここでターンだ」
ロバートは曲に合わせてキャロラインをターンさせた。
「あなた今まで踊った人の中で一番上手だわ」
「ありがとう、と言っておくべきかな」
ロバートは褒め言葉を受け取るが、信じていないようだ。
「本当よ。私はお兄さまみたいに口が軽くないもの」
「それは分かっている。これは僕の問題だ」
ロバートはきちんと受け取れないのは自分の問題だとキャロラインを擁護する。
「問題?」
「な、何でもない! それよりそろそろ曲が終わるよ。向こうに行こう」
キャロラインが怪訝そうな顔をしたのが分かったのか焦って向こうに行こうと誘ってくる。
「え、もう?」
少し残念だと思ってしまった。
「ほら、君も踊りつかれただろ?」
一曲踊った程度でつかれるような体をしていないが、ここは素直に聞くべきかと思案する。
「ね?」
「……分かったわ」
あんまりにも顔に出ていてかわいそうだったので素直に頷くことにした。
ダンスホールから壁際の方に向かった。
「さすがエドガー。顔が広い。いろいろな人が来るね」
「あなたもそうなんじゃないの? 顔が広いって聞くわ」
「僕? 僕はここまでじゃないよ。エドガーの才覚には負ける。彼はすごいと思うよ。同年代だけど誰にもまねできない。うらやましいとは思うよ」
「それは……」
そうしないと生きていけない状況だったからだ。
キャロラインも同じ。どんな手を使っても生きなければいけないほど過酷な環境にいた。
嫡男とはいえ公爵である父の庇護下にいるロバートとは違う。
「でもあなたもすごいって聞くわ。……お父さまからあの若さで執務の一部を任されていると聞くし」
最近兄が彼と仲良くしようとしているのは妹と仲がいいだけでなく、彼自身に才能があるからだ。唯の名ばかりの貴族だったら兄が目を止めるはずがない。
「そうかな……」
少し自信を喪失しているようだ。何と声をかけようと思った時だった。
「やあ、ダールトン侯爵、レディ・キャロライン!」
「オール公爵…」
兄の友人でマリアの夫、ジェラルド・オール公爵だった。
「僕もいるよ!」
横から顔を出したのはハロルド・ローリー伯爵だった。彼も兄の友人で人を驚かすのが得意というちょっといたずらっ子な部分がある。
「いきなり現れてお二人ともどうしたんです?」
「レディ・キャロラインに話を聞こうと思ってね?」
オール公爵が興味津々とばかりにこちらを見る。
キャロラインはそれを見て少し嫌な予感がした。
「お兄さまのことでしたら私は詳しくは知らないですからね?」
「またまた~。君が一番詳しいだろう? エドガーも君に訊けって言っていたわけだし」
ローリー伯爵がそう言ってウインクする。
(あの馬鹿兄……。あとでぶん殴る……)
こちらに投げた兄に殺意がわいた時だった。
池に何かが飛び込む音がした。
キャロラインは驚いてバルコニーの方を見ると馬が浮かび上がり、いなないて去っていった。
薄い紫色のドレスに金髪を結い上げた美少女で主催者の妹、キャロライン・アシェンバートと黒髪に灰色の瞳の青年、ダール公爵の子息でダールトン侯爵の儀礼称号を持つロバート・ダール。
二人は優雅に美しく踊る。
そんな二人を人々は様々な視線で見る。
「目立っているね」
「そうかしら? 私たちはそういった視線で見られることは多いでしょう?」
「そ、そうだね」
君たちほどじゃないけどねと思いつつロバートは頷いた。
「ここでターンだ」
ロバートは曲に合わせてキャロラインをターンさせた。
「あなた今まで踊った人の中で一番上手だわ」
「ありがとう、と言っておくべきかな」
ロバートは褒め言葉を受け取るが、信じていないようだ。
「本当よ。私はお兄さまみたいに口が軽くないもの」
「それは分かっている。これは僕の問題だ」
ロバートはきちんと受け取れないのは自分の問題だとキャロラインを擁護する。
「問題?」
「な、何でもない! それよりそろそろ曲が終わるよ。向こうに行こう」
キャロラインが怪訝そうな顔をしたのが分かったのか焦って向こうに行こうと誘ってくる。
「え、もう?」
少し残念だと思ってしまった。
「ほら、君も踊りつかれただろ?」
一曲踊った程度でつかれるような体をしていないが、ここは素直に聞くべきかと思案する。
「ね?」
「……分かったわ」
あんまりにも顔に出ていてかわいそうだったので素直に頷くことにした。
ダンスホールから壁際の方に向かった。
「さすがエドガー。顔が広い。いろいろな人が来るね」
「あなたもそうなんじゃないの? 顔が広いって聞くわ」
「僕? 僕はここまでじゃないよ。エドガーの才覚には負ける。彼はすごいと思うよ。同年代だけど誰にもまねできない。うらやましいとは思うよ」
「それは……」
そうしないと生きていけない状況だったからだ。
キャロラインも同じ。どんな手を使っても生きなければいけないほど過酷な環境にいた。
嫡男とはいえ公爵である父の庇護下にいるロバートとは違う。
「でもあなたもすごいって聞くわ。……お父さまからあの若さで執務の一部を任されていると聞くし」
最近兄が彼と仲良くしようとしているのは妹と仲がいいだけでなく、彼自身に才能があるからだ。唯の名ばかりの貴族だったら兄が目を止めるはずがない。
「そうかな……」
少し自信を喪失しているようだ。何と声をかけようと思った時だった。
「やあ、ダールトン侯爵、レディ・キャロライン!」
「オール公爵…」
兄の友人でマリアの夫、ジェラルド・オール公爵だった。
「僕もいるよ!」
横から顔を出したのはハロルド・ローリー伯爵だった。彼も兄の友人で人を驚かすのが得意というちょっといたずらっ子な部分がある。
「いきなり現れてお二人ともどうしたんです?」
「レディ・キャロラインに話を聞こうと思ってね?」
オール公爵が興味津々とばかりにこちらを見る。
キャロラインはそれを見て少し嫌な予感がした。
「お兄さまのことでしたら私は詳しくは知らないですからね?」
「またまた~。君が一番詳しいだろう? エドガーも君に訊けって言っていたわけだし」
ローリー伯爵がそう言ってウインクする。
(あの馬鹿兄……。あとでぶん殴る……)
こちらに投げた兄に殺意がわいた時だった。
池に何かが飛び込む音がした。
キャロラインは驚いてバルコニーの方を見ると馬が浮かび上がり、いなないて去っていった。