さくらの三つ子の姉です。髪の色以外は撫子さんに生き写しです。
第七十八話 母の思い出
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「気を付けてくださいね、さくらちゃん」
さくら、すみれ、知世、智世、美空、小龍は学校裏の森へとやってきていた。
知世は心配そうにさくらを見た。
さくらは黄色い傘のような服を着ていた。すみれはそれとお揃いのオレンジ色の服を着ていた。
「また崖から落ちたりしいなや」
ケルベロスもちょっと心配そうだ。
「うん」
「ぐれぐれも注意すんやで」
ケルベロスはさくらが崖から落ちたことがトラウマとなっているらしい。
「さくら、気を付けて。そうじゃないと私、また……」
すみれは半分泣きそうだ。行くことを話し合って決めたし、後押ししてきたが、後から心配が押し寄せた形だ。
「大丈夫だって。言いたいこと言ってくるから」
さくらはすみれにほほ笑む。
「気を付けて」
小龍もさくらに言った。危ない目にあってほしくないのもそうだが、すみれの精神安定のためにも何も起こってほしくないと願っているのだ。
「ありがとう、李君」
さくらはほほ笑んだ。
「でも都合よく現れてくれるでしょうか」
知世がビデオを回しながら言った。
「出る! わいの勘に間違いはない!」
「う~ん。本当かしら?」
じとめでケルベロスを見るアップルティーア。
そこへ光の玉が現れた。
「出ましたわ!」
知世が叫ぶ。
「さくら」
「うん」
ケルベロスに促されてさくらが頷いたと同時に光の玉が母の撫子を形作る。
「さくらちゃんとすみれちゃんのお母さん」
「写真とおんなじや……!」
「あれがすみれのお母さん……」
呆然とすみれと母を見比べる小龍。
「けどなんで今度はみんなおんなじもんが見えるんや?」
「ほんとね?」
疑問に思うケルベロスとアップルティーア。
「お母さん、本当にお母さん? 寂しいの? そばにいてほしいの?」
問いかけるさくら
こっちにおいでといわれているようでさくらは崖の方へ向かう。
「あかん、そっちは崖!」
ケルベロスが突撃するが、はじかれてしまう。
「やっぱりだめね……!」
アップルティーアが悔しそうに母の方を睨む。
「このままだとさくらが……!」
「このっ!」
剣で小龍が切りつけるが、だめだった。
「なんで……」
目の前ではさくらが足を踏み外そうとした。
何もできない自分を悔しがり、すみれは一枚のカードを取り出す。
落ちるのが避けられないなら衝撃を弱めようと思ったのだ。
「『柔(ソフト)』!」
地面を柔らかくした。
「そして……」
『風(ウインド)』をすみれは取り出す。
「見て!」
みそらの言葉にさくらの方を見ると彼女は『翔(フライ)』で無事に切り抜けていた。
「よかった……!」
安堵のため息をつくすみれ。
「あなたはお母さんじゃない。誰なの!?」
さくらが問いかけると模様が現れた。
「その模様に見覚えあるで! やっぱりクロウカードや!」
「汝のあるべき姿に戻れ! クロウカード!」
母の形をしたクロウカードはカードに封印された。
「やりましたわね」
知世が駆け寄ってくる。
「『幻(イリュージョン)』のカードや。せやからみんな見たもんがばらばらやったんや」
「なるほど……」
ケルベロスの言葉に納得する小龍。
「どういうことですの?」
知世はぴんと来ていないようだ。
「『幻(イリュージョン)』は人が見たいと思っているもんを見せるカード。それぞれの心の中にあるもんを見せてるさかい。ばらばらなんは当たり前や」
「ああ! このカードでリディアの母を見た事があったわ! 見せてあげるって言ってよく見せてもらったわ」
アップルティーアが思い出したように手をポンとする。
「へ、へえ~。リディア・リードの母を、か」
リディアの母ということはあのクロウ・リードの妻だ。不世出の魔術師が選んだ女性はどんな人だったのだろう。興味がわいた小龍だった。
「そう言えば最初に来た時、お腹がすいていて肉まんでも食べたいなって思っていましたわ」
「私はすみれちゃんに着せる洋服を考えていましたわね」
納得したように最初に来た時に考えていたことを知世と智世は言った。
「みんなが見たお化けはこんなん出たら怖いなってものやな」
「ああ。私、出ないよねって思ってたわ」
美空が頷く。
「さっきお母はんをみたんは写真見せてもろうて出るってみんなが思ってたからやな」
「ケロちゃんが弾き飛ばされたのは?」
「アップルの攻撃が通じなかったのは?」
知世と智世が訊く。
「さくらのお母はんに会えてうれしい気持ちがそれだけ強かったんやろ」
「思いは何物にも勝るからね」
ケルベロスとアップルティーアが説明する。
「よかった。お母さん、ここに一人ぼっちじゃなくて……」
涙を流すさくら
「うん、一人じゃなくてよかった」
すみれも涙を流す。
「会えたらうれしいけど……。でも空の綺麗なところにいてくれた方がうれしいもん」
「さくらこんなに頑張ったんや。お母はん安心してはるて。……まあ今回はちょっと心配やったかもしれんけどな」
「……そうね。ひやひやしたかもしれないわね」
アップルティーアが苦笑する。
「うん、でも安心してくれるといいな」
そういってすみれは空を見上げた。
さくら、すみれ、知世、智世、美空、小龍は学校裏の森へとやってきていた。
知世は心配そうにさくらを見た。
さくらは黄色い傘のような服を着ていた。すみれはそれとお揃いのオレンジ色の服を着ていた。
「また崖から落ちたりしいなや」
ケルベロスもちょっと心配そうだ。
「うん」
「ぐれぐれも注意すんやで」
ケルベロスはさくらが崖から落ちたことがトラウマとなっているらしい。
「さくら、気を付けて。そうじゃないと私、また……」
すみれは半分泣きそうだ。行くことを話し合って決めたし、後押ししてきたが、後から心配が押し寄せた形だ。
「大丈夫だって。言いたいこと言ってくるから」
さくらはすみれにほほ笑む。
「気を付けて」
小龍もさくらに言った。危ない目にあってほしくないのもそうだが、すみれの精神安定のためにも何も起こってほしくないと願っているのだ。
「ありがとう、李君」
さくらはほほ笑んだ。
「でも都合よく現れてくれるでしょうか」
知世がビデオを回しながら言った。
「出る! わいの勘に間違いはない!」
「う~ん。本当かしら?」
じとめでケルベロスを見るアップルティーア。
そこへ光の玉が現れた。
「出ましたわ!」
知世が叫ぶ。
「さくら」
「うん」
ケルベロスに促されてさくらが頷いたと同時に光の玉が母の撫子を形作る。
「さくらちゃんとすみれちゃんのお母さん」
「写真とおんなじや……!」
「あれがすみれのお母さん……」
呆然とすみれと母を見比べる小龍。
「けどなんで今度はみんなおんなじもんが見えるんや?」
「ほんとね?」
疑問に思うケルベロスとアップルティーア。
「お母さん、本当にお母さん? 寂しいの? そばにいてほしいの?」
問いかけるさくら
こっちにおいでといわれているようでさくらは崖の方へ向かう。
「あかん、そっちは崖!」
ケルベロスが突撃するが、はじかれてしまう。
「やっぱりだめね……!」
アップルティーアが悔しそうに母の方を睨む。
「このままだとさくらが……!」
「このっ!」
剣で小龍が切りつけるが、だめだった。
「なんで……」
目の前ではさくらが足を踏み外そうとした。
何もできない自分を悔しがり、すみれは一枚のカードを取り出す。
落ちるのが避けられないなら衝撃を弱めようと思ったのだ。
「『柔(ソフト)』!」
地面を柔らかくした。
「そして……」
『風(ウインド)』をすみれは取り出す。
「見て!」
みそらの言葉にさくらの方を見ると彼女は『翔(フライ)』で無事に切り抜けていた。
「よかった……!」
安堵のため息をつくすみれ。
「あなたはお母さんじゃない。誰なの!?」
さくらが問いかけると模様が現れた。
「その模様に見覚えあるで! やっぱりクロウカードや!」
「汝のあるべき姿に戻れ! クロウカード!」
母の形をしたクロウカードはカードに封印された。
「やりましたわね」
知世が駆け寄ってくる。
「『幻(イリュージョン)』のカードや。せやからみんな見たもんがばらばらやったんや」
「なるほど……」
ケルベロスの言葉に納得する小龍。
「どういうことですの?」
知世はぴんと来ていないようだ。
「『幻(イリュージョン)』は人が見たいと思っているもんを見せるカード。それぞれの心の中にあるもんを見せてるさかい。ばらばらなんは当たり前や」
「ああ! このカードでリディアの母を見た事があったわ! 見せてあげるって言ってよく見せてもらったわ」
アップルティーアが思い出したように手をポンとする。
「へ、へえ~。リディア・リードの母を、か」
リディアの母ということはあのクロウ・リードの妻だ。不世出の魔術師が選んだ女性はどんな人だったのだろう。興味がわいた小龍だった。
「そう言えば最初に来た時、お腹がすいていて肉まんでも食べたいなって思っていましたわ」
「私はすみれちゃんに着せる洋服を考えていましたわね」
納得したように最初に来た時に考えていたことを知世と智世は言った。
「みんなが見たお化けはこんなん出たら怖いなってものやな」
「ああ。私、出ないよねって思ってたわ」
美空が頷く。
「さっきお母はんをみたんは写真見せてもろうて出るってみんなが思ってたからやな」
「ケロちゃんが弾き飛ばされたのは?」
「アップルの攻撃が通じなかったのは?」
知世と智世が訊く。
「さくらのお母はんに会えてうれしい気持ちがそれだけ強かったんやろ」
「思いは何物にも勝るからね」
ケルベロスとアップルティーアが説明する。
「よかった。お母さん、ここに一人ぼっちじゃなくて……」
涙を流すさくら
「うん、一人じゃなくてよかった」
すみれも涙を流す。
「会えたらうれしいけど……。でも空の綺麗なところにいてくれた方がうれしいもん」
「さくらこんなに頑張ったんや。お母はん安心してはるて。……まあ今回はちょっと心配やったかもしれんけどな」
「……そうね。ひやひやしたかもしれないわね」
アップルティーアが苦笑する。
「うん、でも安心してくれるといいな」
そういってすみれは空を見上げた。
