さくらの三つ子の姉です。髪の色以外は撫子さんに生き写しです。
第七十八話 母の思い出
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あれからさくらとすみれは智世と知世、美空と共に校舎裏の森に向かった。
「ううっ……!」
桃色の兎の恰好をして泣いているのはさくらだ。
「私もこんな格好……」
青い兎の恰好をしてちょっと恥ずかしそうなのはすみれ。
「お揃いコーデいいですわ~!」
盛り上がる智世。
「カオスね……」
泣いているさくらとはずかしそうなすみれをみてぼそりと呟くのは美空。
「なんやなんや。カードキャプターがこんなもんでビビってどないすんや」
「だって~!」
泣き続けるさくら。
「大丈夫ですの?」
心配そうな知世。
「大丈夫じゃないけど怪我した子もいたんでしょ?」
「ええ。千春ちゃんたち五人くらいで行ったそうなんですけど、現れた幽霊にパニックになって転んだり、大変だったとか……」
「クロウカードなら捕まえなきゃ」
「それでこそご近所の平和を守るカードキャプターや」
おだてるケルベロス。
「でも幽霊だったらどうしよう~~!」
「いわないでよ。さくら~!」
さくらの不安が伝染するすみれ。
「とにかく確かめてみんと話にならんで」
「そうね! まず確認は大事!」
アップルティーアがケルベロスに賛同する。
「う、うん」
頷くさくら。
「それでは参りましょうか」
知世が前を向いた瞬間だった。
「あ!」
美空が驚く。
「あれは……!」
すみれは思わず声を上げる。
幽霊騒ぎの時の光の玉がやってきたのだ。
「さくら」
「すみれ」
「「うん!」」
二人は頷きあう。
「「『翔(フライ)』!!」
さくらは杖に羽をはやして、すみれは背中に杖をはやして森の中を飛んでいく。
やがて下が崖というところまでやってきた。
そこで光の玉が姿を変える。
「お母さん……?」
「嘘……!」
呆然とするさくらとすみれ。
亡くなった母、撫子がそこにいた。
「ほんとにお母さん……?」
さくらがぼんやりと呟く。
彼女はふらふらと引き寄せられるように母の方へと向かう。
「どないしたんや──!」
ケルベロスがさくらの方に向かうが、何かにはじかれたように気絶する。
「ケルベロス!」
アップルティーアが真の姿になる。
「この!」
炎を透明な壁らしきものにぶつけるが、はじかれてしまう。
「そんな……! すみれ!」
アップルティーアがすみれを呼ぶが、呆然と何かを見つめているだけで反応なしだった。
(お母さんがなんでここに……)
しかも先程見た写真の母だ。
「さくらちゃん! そっちは崖!」
知世の声にすみれははっとした。
「さくら!」
手を伸ばすが届かない。
「さくらああああ!」
崖から落ちるさくらをみたくなくて悲鳴を上げる。
その瞬間、魔力がほとばしり、一瞬だけ時が止まった。
「すみれ…!」
無意識に時を操るすみれをアップルティーアは心配そうに見た。
そのおかげか何者かの手が落ちていくさくらの手をつかみ、動きをゆっくりにする。
崖の下にいた雪兎がさくらをキャッチしてくれる。
それをみてほっとしたのかすみれも意識を失った。
「すみれ!」
「すみれちゃん!」
智世とアップルティーアがすみれに駆け寄る。
「知世ちゃん、さくらは?」
崖の下を覗いている知世に訊く。
「さくらちゃんなら無事だよ」
雪兎が二人にほほ笑む
「よかった……」
ちょっとほっとした美空。
「それよりすみれちゃんに何かあったの?」
雪兎の横にいた聖奈が美空に訊く。彼女も雪兎と共にさくらが落ちていくところを見たのだ。
「ちょっと気を失っていて……。でも家まで遠いし……」
「なら私の家に運ぶといいわ。さくらちゃんは……」
「僕が運ぶよ。ちょうど僕の家も近いしね」
雪兎がそう言った。
「ならさくらちゃんにお伝えください。ケロちゃんは責任をもってお預かりしますと」
知世が言った。
「分かった。伝えておくね」
そう言って雪兎はさくらを運んでいった。
「それでもう一人の私が何があったって心配そうなんだけど……」
雪兎がいなくなると智世と美空とアップルティーアにこっそりと聖奈が訊いた。
「それはあなたのお家で話す。美空と智世はもう帰って」
「うん」
「わかりましたわ」
二人は頷く。
こうしてすみれは聖奈の家に運ばれたのだった。
「ううっ……!」
桃色の兎の恰好をして泣いているのはさくらだ。
「私もこんな格好……」
青い兎の恰好をしてちょっと恥ずかしそうなのはすみれ。
「お揃いコーデいいですわ~!」
盛り上がる智世。
「カオスね……」
泣いているさくらとはずかしそうなすみれをみてぼそりと呟くのは美空。
「なんやなんや。カードキャプターがこんなもんでビビってどないすんや」
「だって~!」
泣き続けるさくら。
「大丈夫ですの?」
心配そうな知世。
「大丈夫じゃないけど怪我した子もいたんでしょ?」
「ええ。千春ちゃんたち五人くらいで行ったそうなんですけど、現れた幽霊にパニックになって転んだり、大変だったとか……」
「クロウカードなら捕まえなきゃ」
「それでこそご近所の平和を守るカードキャプターや」
おだてるケルベロス。
「でも幽霊だったらどうしよう~~!」
「いわないでよ。さくら~!」
さくらの不安が伝染するすみれ。
「とにかく確かめてみんと話にならんで」
「そうね! まず確認は大事!」
アップルティーアがケルベロスに賛同する。
「う、うん」
頷くさくら。
「それでは参りましょうか」
知世が前を向いた瞬間だった。
「あ!」
美空が驚く。
「あれは……!」
すみれは思わず声を上げる。
幽霊騒ぎの時の光の玉がやってきたのだ。
「さくら」
「すみれ」
「「うん!」」
二人は頷きあう。
「「『翔(フライ)』!!」
さくらは杖に羽をはやして、すみれは背中に杖をはやして森の中を飛んでいく。
やがて下が崖というところまでやってきた。
そこで光の玉が姿を変える。
「お母さん……?」
「嘘……!」
呆然とするさくらとすみれ。
亡くなった母、撫子がそこにいた。
「ほんとにお母さん……?」
さくらがぼんやりと呟く。
彼女はふらふらと引き寄せられるように母の方へと向かう。
「どないしたんや──!」
ケルベロスがさくらの方に向かうが、何かにはじかれたように気絶する。
「ケルベロス!」
アップルティーアが真の姿になる。
「この!」
炎を透明な壁らしきものにぶつけるが、はじかれてしまう。
「そんな……! すみれ!」
アップルティーアがすみれを呼ぶが、呆然と何かを見つめているだけで反応なしだった。
(お母さんがなんでここに……)
しかも先程見た写真の母だ。
「さくらちゃん! そっちは崖!」
知世の声にすみれははっとした。
「さくら!」
手を伸ばすが届かない。
「さくらああああ!」
崖から落ちるさくらをみたくなくて悲鳴を上げる。
その瞬間、魔力がほとばしり、一瞬だけ時が止まった。
「すみれ…!」
無意識に時を操るすみれをアップルティーアは心配そうに見た。
そのおかげか何者かの手が落ちていくさくらの手をつかみ、動きをゆっくりにする。
崖の下にいた雪兎がさくらをキャッチしてくれる。
それをみてほっとしたのかすみれも意識を失った。
「すみれ!」
「すみれちゃん!」
智世とアップルティーアがすみれに駆け寄る。
「知世ちゃん、さくらは?」
崖の下を覗いている知世に訊く。
「さくらちゃんなら無事だよ」
雪兎が二人にほほ笑む
「よかった……」
ちょっとほっとした美空。
「それよりすみれちゃんに何かあったの?」
雪兎の横にいた聖奈が美空に訊く。彼女も雪兎と共にさくらが落ちていくところを見たのだ。
「ちょっと気を失っていて……。でも家まで遠いし……」
「なら私の家に運ぶといいわ。さくらちゃんは……」
「僕が運ぶよ。ちょうど僕の家も近いしね」
雪兎がそう言った。
「ならさくらちゃんにお伝えください。ケロちゃんは責任をもってお預かりしますと」
知世が言った。
「分かった。伝えておくね」
そう言って雪兎はさくらを運んでいった。
「それでもう一人の私が何があったって心配そうなんだけど……」
雪兎がいなくなると智世と美空とアップルティーアにこっそりと聖奈が訊いた。
「それはあなたのお家で話す。美空と智世はもう帰って」
「うん」
「わかりましたわ」
二人は頷く。
こうしてすみれは聖奈の家に運ばれたのだった。
