着替えから戻ってくるとアップルティーアと小龍は落ち着いており、レジャーシートも完璧に引かれていた。
美空は仲裁し、準備を進めてくれたらしい。
「すみれ、似合うじゃない！　はい。こっちこっち」
美空はすみれをレジャーシートに座らせると髪をとかし始めた。
「鳥のようなコスチュームだからちょっと元気があった方が良いよね」
そう言ってあっという間に髪の一部を二つに結んだツーサイドアップにしてくれた。
「可愛いですわ！　すみれちゃん」
目をキラキラさせて智世がビデオですみれを撮る。
「うう…。恥ずかしいよ……」
「似合ってるじゃない！　ちゃんと私も取れているんでしょうね？」
アップルティーアが褒めるが、自分も取れているか訊いてくる。
「もちろんですわ！」
智世が頷く。
「あ、そうだ。すみれとお揃いのもの。はい、これ」
美空がアップルにすみれの髪についているリボンと同じものをアップルティーアに着けた。
「これでお揃いだね！」
美空はにこにこと笑った。
「李　小龍はどう思う？」
「に、似合ってる…」
ちょっと顔を赤くして小龍が言った。
「小龍……。あ、ありがとう……」
すみれは褒められてちょっと嬉しかった。
「さあ、すみれちゃん。あちらで撮りましょう？」
智世に連れられて自然がいっぱいのスポットにやってきた。
そこからすみれは智世の気が済むまでビデオに撮られることとなった。
「公園の中で元気に跳ねるすみれちゃん……。素敵ですわ～！」
うっとりとすみれを見る智世。
「智世ちゃん、そろそろお昼みたいだよ。どうする？」
「あらそんな時間ですの。そうですわね。お昼にしましょうか」
美空の言葉に智世が頷く。
「アップルも限界みたいだしね」
そう言って美空がアップルティーアの方を見ると彼女は「お腹すいた～！」と暴れていた。さっきまで美空のクッキーを食べていたのにも関わらずだ。
「アップルったら……」
あまりのお腹すき具合にすみれは呆れた。
「そうだな。お昼にするのがいいかもな。周りもお昼を食べているみたいだし」
小龍の言う通り周りの人もお昼を食べているようだった。
すみれたちはレジャーシートのところに戻り、お昼を食べることにしたのだった。