「まあさくらちゃんが当番で知世とのお出かけがなしに……」
「うん、すごいショックだったと思うんだよね。忘れているさくらもどうかと思うけどちょっと可哀そうになっちゃって……。すごい楽しみにしていたから」
すみれはレジャーシートを引きながら朝あったことを話した。
あんなに楽しみにしていたのに一日家事をすることになってちょっと可哀そうだと思ってしまった。
「それで出かける前に見た知世は少し落ち込んでいたのですね」
智世は納得したようにうなずく。
「やっぱり知世ちゃん、落ち込んでたんだね……」
知世のことを思うとやっぱり手伝った方がよかったかなと言う事が頭をよぎった。
「大丈夫かな……」
そんな思いが頭をよぎる。
「大丈夫でしょう。ケルベロスだっているんだし。それより早くランチにしましょうよ！」
「さっき朝ご飯食べたばっかりでしょ。まだ早いよ。本当に食い意地が張っているんだから」
あまりにも食い意地が張ったアップルティーアの言葉にすみれは呆れた。
「本当にアップルティーアは食い意地が張ってんだね。そのうち太るよ」
小龍がちょっと意地悪そうに言った。
「デリカシーがないわね！　この若造！」
カチンときたのかアップルティーアが小龍をにらみつける。
「っていうか私が太るわけないでしょ！　経験が足りない青二才は黙ってなさい」
「経験が足りないのは認めるけどその言い方はないんじゃないかな！？」
アップルティーアと小龍がにらみ合う。
「ふ、二人とも……」
どうやって止めようとすみれは思った。
「はいはい！　二人ともそこまで。アップルには私が作ったクッキーをあげる。李 小龍は準備を手伝って！　それと智世ちゃんは何か準備してきたんだよね？」
「ええ！　すみれちゃんに似合う衣装を！」
そう言って白と水色のコスチュームを取り出す。スカートのすそや袖などに羽をモチーフにしたレースがついていて、どことなく鳥を思い浮かぶようなコスチュームだ。
「せっかく公園に来たのですから鳥をイメージしましたの！」
智世の目が輝いている。
「二人は仲裁しておくから着替えてきなよ」
「美空～！」
智世に引っ張られながら美空のペースに巻き込まれたことをすみれは悟った。
「だから安心してね。髪は戻ってきてから私がするから～！」
「二人ともこんなもの準備してたの～！？」
公園にすみれの声が響いた。