「絶対にさくら落ち込んでるわよ……。甘いもの買ってあげた方が良いのかな」
公園へ向かう道のりでちょっと考えこんでしまう。
「そう思うならした方が良いんじゃないかな」
近くに父も妹のあやめもいないとあってリュックからアップルティーアが顔をのぞかせて声を出す。
「それよりも案外早く帰ってくることになるかも」
「え？」
「なんだか嫌な予感がするのよね～」
「アップルの嫌な予感ってなんだか当たりそう……」
すみれはおびえた。
「失礼な……！　私の勘はちゃんと正しいんだから！　あ、美空と智世と若造がいる」
アップルティーアが三人を見つける。
「あ、本当だ。美空！　智世ちゃん！　小龍！」
手を振ると三人も手を振り返す。
「時間ぴったりですわ！」
「ナイスタイミングね！」
智世と美空が声をかける。
「時間ちょうどだな。ところで何かあったのか？」
小龍がすみれのちょっとした変化に気づいて声をかける。
「え？　なんでわかるの？」
「君のことだったら何でもわかる」
「小龍……」
すみれは嬉しさと同時に恥ずかしくなって顔を赤くしてしまう。
「二人はうまくいっているみたいね」
「すみれちゃんと李君ですもの」
美空と智世がほほ笑む。
「それで出かけに何があったんだ？」
「ええとね……」
すみれは出かけに会ったことを話したのだった。